スペイン裁判所、カタルーニャ独立運動指導者2人の拘束命じる
スペインの裁判所は16日、カタルーニャ独立運動を主導してきた団体の指導者2人の拘束を命じた。
カタルーニャ国民会議(ANC)代表のジョルディ・サンチェス氏と「オムニウム・カルチュラル」の指導者ジョルディ・クイシャルト氏は、扇動罪容疑で当局から事情聴取を受けていた。保釈は認められていない。
スペインからの独立を問う10月1日のカタルーニャ州の住民投票の実施で、両氏は主導的な役割を果たしたとみられている。スペイン裁判所は住民投票の差し止めを命じ、中央政府は住民投票を違憲だとしていた。
カタルーニャ州のカルレス・プッチダモン首相は住民投票後、独立宣言に署名したが、交渉の余地を残すため施行を延期していた。
プッチダモン氏は今後2カ月間に協議することを要求している。
しかし中央政府は、カタルーニャが独立宣言を撤回しなければ、中央政府がカタルーニャを直接統治すると警告した。
さらにプッチダモン氏は先週、独立を宣言したかどうかを明確にすることを拒否し、中央政府が反発していた。
今月17日までに立場を明確にするよう求められているプッチダモン州首相は、サンチェス氏とクイシャルト氏の拘束の報道を受け、ツイッターでスペイン政府を激しく非難した。
「スペインはカタルーニャの市民社会の指導者を、平和的な抗議活動を組織したせいで投獄した。悲しいことに、またしても政治犯が生み出された」と述べた。
BBCのジェイムズ・レイノルズ記者は、独立支持派が両氏の釈放を求めてさらなる抗議を呼びかけたと伝えている。
両氏に対する裁判所決定のわずか数時間前、スペインの最高裁判所はカタルーニャ州警察のホセプ・リュイル・トラペロ本部長を拘束しない判断を下した。
モッソス・デスクアドラ(カタルーニャ州警察)は、住民投票の直前、バルセロナで抗議する大勢の独立支持派の鎮圧を図るグアルディア・シビル(準軍事組織の治安警察)を援護しなかったことを問われていた。
検察は同氏の身柄拘束を続けるよう求めていた。