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消費者金融の大手になる!ウシジマくんが上場するのに必要な5つのこと

ウシジマくん

『闇金ウシジマくん』。その名の通り闇金を題材とした社会派(?)の漫画ですが、闇が深すぎて読んでいるのがつらくなるほどです。

そんなウシジマくん率いるカウカウファイナンスが社会的に信用のある消費者金融会社へ成長するにはどうすればよいかを考えてみたいと思います。

ここでご紹介する消費者金融の知識は、カウカウファイナンスのような闇金に喰いものにされないためにも役立つと思いますので最後までお付き合いください。


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ウシジマくんのここがダメ【1】利息の上限

カウカウファイナンスの現状

ウシジマくんの利息

カウカウファイナンスの金利は『10日で5割』(トゴ)です。パチンコのための融資の金利は借りた当日中に返済する必要があり、利子は『1日で3割』(ヒサン)になります。

複利なので、トゴで借りたお金を1年後にまとめて返済したとすると利息は次のようになります。

1円借りた場合の利息 2,675,044円(267万円!)
1万円借りた場合の利息 26,750,441,583円(267億円!)

1万円借りた場合の利息は267億円にもなります!

このように法規制を超えた暴利はダメです。上場企業を目指すのであれば手始めにここから改革が必要です。


利息の上限の規制 ~リアル消費者金融のオキテ~

一旦、ウシジマくん(漫画)の世界から離れ現実世界の消費者金融にはどんな規制がかかっているか....つまり法律で利用者がどのように守られているかについて確認してみましょう。


金利に関わる規制について
利息上限のグラフ
改正後の上限金利
出典:金融庁 安易に借金をしてはいけません
http://www.fsa.go.jp/ordinary/shakkin_ippan.pdf

弁護士事務所が過払い請求に関するCMを頻繁に流しているいるため、利息は法律で上限が決められていることはご存じの方も多いかと思います。

利息制限法では元本の金額ごとに上限の金利が定められています。

元本の金額 利率(年)
10万円未満
20%
10万円以上100万円未満
18%
100万円以上
15%

上限金利以上の部分

注意しないといけないのは、上限金利を超えて借りたからといって契約自体が無効になるわけではありません

上限金利を超えた利息分に対して無効になるだけで、上限金利を超えない範囲の利息は法的に有効となります。テレビのCMの過払い請求は、「上限金利を超えた分」について、過去に遡って返金してもらうということです。

法的に有効な上限金利は15%なので、うっかりウシジマくんから1年間1万円借りてしまった場合はアディーレ法律事務所に依頼して267億円をカウカウファイナンスに過払い請求をすることができます。


カウカウファイナンスの場合 ~上場するには~
ウシジマ君はトゴ(10日5割)と言ってますが、これではダメですね。

法的に有効な上限金利は15%ですので、カウカウファイナンスを上場し社会的に信頼のある企業とするためには利率を大幅に下げる必要があります

金利



ウシジマくんのここがダメ【2】取り立て行為

カウカウファイナンスの現状

回収

ウシジマくんの取り立ての姿勢は「客を人間と思うな!同情したら金にならねェ」の一言に集約されています。



回収

ダメです。



回収

これもダメです。



回収

嫌がらせもダメです。



回収

ウシジマくんの常套手段ですが当然ダメです。



回収

絶対にダメです。

『上場消費者金融ウシジマくん』を目指すのであれば、取り立ての方法について根本的に見直す必要がありそうです。


取立て行為の規制 ~リアル消費者金融のオキテ~

取立てに関しては、借り手を脅したり不安にさせるような行為や、私生活や仕事の平温を害するような行為は禁止されています。これは消費者金融(貸金業)だけでなく、取立ての委託を受けた者すべてに適用されます。

具体的にどのような行為が禁止されているか、いくつか例を見てみましょう。

NG例
  • 午後9時から翌日の午前8時までの間に居宅を訪問したり電話する
  • 勤務先などの居宅以外の場所に訪問したり電話をする
  • 借り手から退去するように言われているのに居座る
  • 借り手の私生活に関する情報などを張り紙などで外部の人に明らかにする
  • 債務返済のために、別のものから借入を行うように要求する
  • 借り手以外の人に対して、返済を要求する
  • 大声を上げたり乱暴な言葉を使う
  • 多人数(3名以上)で訪問する
  • 親族の冠婚葬祭や年末年始に取立て行為を行う

(法規制および業界の自主規制も含みます)

過去に実際にあった事例から規則を作ったためだと思いますが、テレビや映画の取立てシーンはほとんど規制違反となっています。

ドラマでこのようなシーンをよくみるため、また借り手も返済が滞っているという負い目もあるため、取立てに関する規制を事前に知らないでいると、違法な取立て行為に甘んじてしまう可能性があります


カウカウファイナンスの場合 ~上場するには~
借りたものは返すべきですが、カウカウファイナンスは法規を遵守した取り立て行為が一つもありません

このような行動を続けると2年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金またはその併科となり、上場は夢のまた夢となってしまうでしょう。

取り立てを行う場合は、取り立ての理由や根拠を明示し8ポイント以上の大きさのフォントを用いて明確に記載した支払催告書面を作成の上、債務者本人のみが使用していることが明らかな電子メールや方法で送付する必要があります。

ウシジマ君拘留



ウシジマくんのここがダメ【3】自殺による生命保険での支払い

カウカウファイナンスの現状

生命保険

闇金ウシジマくんでは「生命保険」という言葉が何度か出てきます。生命保険を使った返済により自殺を誘発する危険性があるため、貸金業者が結ぶことができる生命保険契約には一定の制限があります。

ウシジマくんがどのような背景で生命保険を口にしている詳しい事情はわかりませんが、ウシジマくんをはじめとしたカウカウファイナンスのスタッフの行動から推測するに、上場を目指す企業としてふさわしくない使い方を企んでいるように感じます。


自殺による生命保険での支払いはNG ~リアル消費者金融のオキテ~

闇金ウシジマくんに限らずテレビドラマなどを見ていると、借金を背負った人が「自殺して生命保険で返済します!」といった内容の契約をすることがあります。

しかし、貸金業者がこのような保険契約を締結することは法律で禁じられています※ ここで説明しているのは借り手の生命保険契約ではなく貸金業者側が締結する生命保険契約についてです。

ただし、禁止されているのは「自殺による死亡」のみであり、その他の生命保険契約を締結することは禁じられていません。

なお、下記の2つの場合は例外として自殺による死亡も保険事故として認められています。

  • 住宅資金の貸付契約の場合
  • 指定事項を記載した書面を事前に作成し交付する場合

カウカウファイナンスの場合 ~上場するには~
ウシジマくんはしばしば生命保険と口にするものの、実際に保険を利用した取り立てをしているという確かな情報はありません。

法規制をしっかりと理解し、生命保険契約の同意に関する書面の作成および交付をしっかり行うことが必要です。

生命保険


ウシジマくんのここがダメ【4】消費者金融の広告

カウカウファイナンスの現状

ティッシュ

ウシジマくんは怪しげな名簿屋から多重債務者と自己破産者のリストを一人あたり5円で購入し、ダイレクトーメールを送ることで集客しています

また、ティッシュ広告には「無審査」「090-(携帯電話番号)」の文字があります。

このように、カウカウファイナンスが消費者金融会社として上場を目指すのであれば、改善しないといけない点が多く出てきますのでそれらを解説します。

その他にも、実際に借り入れをする必要が生じた場合にも役立つような情報も盛り込んでいますので、将来のまさかの時のために借入時の注意点を覚えておきましょう。


注意したい広告 ~リアル消費者金融のオキテ~

まず最初に、違法業者の可能性が高いので利用しない方がいい業者の広告をご紹介します。


連絡先が携帯電話

事務所を所有せず、携帯電話のやりとりだけでお金を貸す業者を「090金融(ゼロキューゼロキンユウ)」といい高利のため一時社会問題にもなりました。

貸金業者として登録する時に連絡先として携帯電話は認められておらず、必ず固定電話が必要です。広告には貸金業者を登録した時の電話番号を掲載する決まりとなってますので、携帯電話が載っていたら登録していない貸金業者ということになります。

貸金業者として登録していない貸金業者は法律や規制を無視する可能性があるので注意しましょう。

カウカウファイナンスの場合
ウシジマくんの広告の電話番号はDMは0120で始まるフリーダイアルですが、ティッシュの広告は090の番号になっています。DMは問題ありませんが、ティッシュの広告はNGですね。

「090金融」の問題が起こったため、巧妙な闇金業者は携帯電話番号を使わないところも増えているようです。広告の電話番号が携帯電話の番号でないことだけで安全と判断してはいけません。

集客


広告内容に対する規制

下記のような広告や勧誘は禁止されています。

禁止されている広告(勧誘)
  • 借入れが簡単であることを過剰に強調している
  • 公的年金受給者(手当)の借入れを強く誘う
  • 他の業者を利用している人、もしくは返済能力がない人をターゲットとする勧誘など

例えば次のような広告文が禁止の対象となります。

禁止されている広告例
  • 無職でも、破産した方でもOK!
  • 審査なしで融資可能
  • 年金受給者に朗報!優遇金利あり

誇大広告(事実に大きく離れている表示説明、実際よりも有利であると誤認を誘う表示説明)は刑事罰になることもありますが、上記のような場合は禁止はされているものの刑事罰はありません

そのため目に入る機会があるかもしれませんが、禁止されているものをあえて行う業者とは関わらない方が無難です。


広告掲載の場所

風俗専門誌やギャンブル専門誌に広告を載せることは自主規制基本規則にて禁じられています


カウカウファイナンスの場合 ~上場するには~
ウシジマくんは多重債務者や自己破産経験者に絞って営業をかけており、上場を目指すのであれば完全にNGです。

特に2017年に入りカードローンへの目が厳しくなり、麻生さんも過剰融資への抑制へ乗り出していますのでウシジマくんにもその動向を注視してもらいたいものです。

参考:銀行カードローン調査へ=過剰融資の実態把握-麻生金融相
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017090100682&g=eco

正しい広告とは? ~リアル消費者金融のオキテ~

それでは、正しい広告とはなんでしょうか。

貸金業者は契約前に貸付条件の詳しい説明する必要があります。広告もこの説明義務の対象となるので、以下の項目を広告に入れるように決められています。

広告に必要な情報
  • 貸付業者の登録番号と名称、商号、氏名
  • 利率(%)
  • 返済期間と返済回数
  • 返済方式
  • 電話番号(固定)、ホームページとメールのアドレス

設定がある場合、広告に記載が必要なこと
  • 賠償金の設定(元本に対する割合)
  • 担保の詳しい条件
カウカウファイナンスの場合 ~上場するには~
ダイレクトメールの内容を見ると、意外とこと細かに必要な情報が書かれているようです。しかし、ウシジマくんは闇金ですので貸付業者の登録番号を取得していないと思われます。

カウカウファイナンスが上場するには財務局または営業所のある都道府県の知事に貸金業として登録し貸金業登録番号を取得する必要があります

広告に登録番号の記載があったとしても、カウカウファイナンスのような闇金業者は虚偽の登録番号を記載しいます。実際に財務局に登録があるかは金融庁のホームページで確認することができます。

参考:金融庁の登録貸金業情報検索ページ
http://clearing.fsa.go.jp/kashikin/index.php


テレビCMにも決まりがある ~リアル消費者金融のオキテ~

テレビCMだけのではなく広告を出す場合、貸金業協会の審査を受ける必要があります。

テレビCMで耳に残る「ご利用は計画的に」などの言葉も『啓発』として入れるように決められているため入っているものです。その他にもテレビCMには放送する時間帯や数量、放送する番組についても細かい規制があります。

  • 子供が見る時間帯である7:00~9:00、17:00~22:00は放送しない。
  • 放送局指定の「青少年に見てもらいたい番組」や、「ギャンブル主体の番組※」は放送しない。※提供も行わない
  • 関東などの放送エリアごとに月間100本以下、22:00~24:00は最大50本とする。

ちなみに銀行はこの規制はないので自由に広告を出せるため銀行のカードローンのCMを頻繁に見る事が多かったと思います。


カウカウファイナンスの場合
現在カウカウファイナンスはテレビCMを出稿していませんので問題はありません。

上場後にテレビCMを打つ場合にはあの強面キャラでは視聴者が引くことが予測されるので、かわいい3頭身キャラで露出アップを狙うことを提案致します。

ウシジマ



ウシジマくんのここがダメ【5】収入による借入れ額の規制

カウカウファイナンスの現状

借入額

ウシジマくんは最初の融資についてはかなり厳しめです。

1回目の融資については少額を融資し、返済する能力と意思があるかどうかを確認します。ここまでは借り手の収入に配慮していると言えるでしょう。

しかし、カウカウファイナンスが上場を目指すのであれば、必要に応じて必要書類の提出などの審査の厳格化を図る必要があります。


収入による借入れ額の規制 ~リアル消費者金融のオキテ~

総量規制
金融庁 貸金業法のキホン
http://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/kihon.html

貸金業者は過剰な貸付を行ってはいけません。過剰な貸付のボーダーラインは総量規制で「個人の借入れ額全額が年収の1/3を超えてはいけない」と決まっています。

この「個人の借入額全額」は、数社から借金をしている場合はその合計ということになります。

例えば、佐藤さんが消費者金融Aから100万借りていて、新たに消費者金融Bから100万円借りたい場合は、借入総額200万円の3倍の年収である600万円が必要となります。


申込み情報は正確に

この時、消費者金融Bは指定信用情報機関を利用して他社からの借り入れ状況を確認し、佐藤さんからは収入証明書より年収の確認を行います。

収入証明書の提出はこの決まりがあるために行われますし、もし佐藤さんが消費者金融Aからの借入れを隠しても審査時はわかってしまうのです。申込み情報の入力時には正直に、嘘や隠し事をせずに行うようにしましょう。

カウカウファイナンスの場合 ~上場するには~
ウシジマくんは個人信用情報機関をあまり使っていないようですが、申込書に書かれた電話番号に偽りがないかの確認はしているようです。

しかし、融資金額によっては給与明細や確定申告などの収入を証明する書類の提出も求めた方がよいでしょう。また、勤務先に電話をかけて、本当に勤務先に在籍しているかを確認すべきでしょう。

うそ


カウカウファイナンスは上場を目指せるか

ウシジマ

カウカウファイナンスはウシジマくんを筆頭にスタッフ全員が闇金ど真ん中の活動をしており、現状のままでは社会的に信用される消費者金融会社になることは難しいと思われます。

しかし、闇金ウシジマくんをよく読むと、ウシジマくんのセリフの節々に法規制に関する深い知識があることを垣間見ることができます。

つまりウシジマくんは消費者金融の法規制についての知識がないのではなく、コンプライアンスに関する意識が非常に低いことが上場企業を目指すうえでの大きな障害になりそうです

ウシジマ君とウサギ

ウサギと触れ合っている時の気持ちと同等の気持ちを忘れずに、ウサギと接するように債務者にも向き合うようになることができれば、将来カウカウファイナンスもアコムやアイフルのように愛される上場企業になれる可能性もあるでしょう。






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