お久しぶりです。
最近でも街を歩けばキャッチを続けているチャレンジャーに会うこともしばしば・・・。そんなキャッチとの出会いを願って毎晩街を徘徊しているSASUです。
~居酒屋キャッチ記事のおさらい~
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以前、キャッチはなくならないと言いましたが、都心部に近づくにつれキャッチの数は明らかに減ってしまいました。迷惑だと思っていた利用者からすれば、街を歩きやすくなったと感じていることでしょう。
しかし、街中で声を掛けられることは減りましたが、以前にも増してビル前でキャッチする業者が目立つようになりました。お目当ての店舗に行くにも、数人のキャッチの姿が気になり後退りしてしまいます。
通り抜けるだけでも一苦労なので、予約でもしておかないとそのビルには近寄りがたく感じてしまいます。自分はどっちかと言えばキャッチ肯定派だと自負しておりましたが、最近では私も迷惑がってしまうことがあります。果たして近年のキャッチ事情はどのように変化しているのでしょうか。
優良な経営者たちは気づいている
売上向上のため、立地の悪さをカバーするためなど、キャッチを利用する理由はさまざまです。どんな方法でも店舗を認知してもらい、短期的な収益増につなげられるなら、キャッチを利用してもいいのではないか。なかには、そう考えていた経営者の方もいるでしょう。
しかし、首都圏をはじめとする繁華街付近の多くは、条例が厳しくなってきおり、経営者のリスクは高くなりました。
それに加え、キャッチの高額な人件費が足枷となり、店内のサービスがおろそかになる(人件費圧縮、料理等のコスト削減による品質低下)ため、キャッチに支払う賃金(報酬)に対し、店舗が得られる価値は見合わないこともあります。
※これは単に売上や利益のみならず、店舗イメージを損なうなどの相対的な価値です
歩合制 ≪平日:15~20% 金土祝前日:12~18%≫
例〉平日で単価4,000円の5人組を引く=4,000円×5人×15~20%=3,000~4,000円
しかし、実際のところキャッチを行う飲食店の多くは、席料や週末料金などの名目でのサービス代をお客様に請求するなどして、カバーをしていることが多いそうです。“プチぼったくり”という言葉が世間に浸透していますが、その多くがこのような料金体系になっており、このような呼ばれ方をしています。
お客が入らなければ儲からないものの、中身のサービスが伴わなければリピートに繋がらないので、一時的な対策に過ぎません。
顧客はもう嫌気がさしている
「キャッチ=違法」という情報を消費者の多くが認知し始め、経営者も焦りがでていることでしょう。一人で飲み歩くとしたら、以前行ったことがあるご贔屓の店に行き、複数人であれば誰かがその街の知っている店、グルメ情報サイト等で調査した店に行くのが今の情勢になっています。何よりも良質なキャッチよりも悪質なキャッチの印象の方が強く芽生えてしまったようです。
店舗にとって一番の打撃は、これまでの悪質な経営体質の影響で固定客が少ないことです。「キャッチを雇っている飲食店に行ってもいい」という消費者がいなくなる世の中も近い未来かもしれません。
ビルオーナーにも影響を与えるケースがある
先述した通り、街中での客引き行為ができなくなったキャッチは、ビルの入口に集まる傾向がります。既に店を予約済みでエレベーターを上がろうとしても、ビルを出入りする人は全てターゲットになるため、「店決まってますか?」「予約ですか?」など手当たり次第に声を掛けてきます。
店同士でルールを設けるケースもあるようですが、キャッチからするとお客を横取りしてもお構いなしです。なぜなら、あの高い賃金を得るために、店舗にお客様を連れて行く必要があるからです。ビル管理者からしたら、この様な状況は避けたいと思うでしょう。
SNSが普及し、消費者が気軽に口コミなどの情報を発信できるようになりました。キャッチが多い店、ビルの情報などもすぐに出回るようになりました。すると、他の入居者からすれば、本来は入店するはずのお客様が入らなくなるので嫌がります。すると、ビル自体の資産価値を下げることになりかねません。
最近では入口付近でのキャッチ行為を禁止するビルは急増しております。何度も注意されているのに続けていると退去を命じるケースや、キャッチ行為をしないようにする条文を契約書に盛り込む場合もあります。物件あっての商売です、キャッチを控えてビル側ともうまく付き合っていけるといいでしょう。
キャッチが生き残る道はないのか?
キャッチとうまく付き合っていた筆者から、微かに心の片隅に残っている言葉を伝えます。「良質なキャッチは居るんです」。しかし、現状は衰退していく一方だと思います。組合などを作り、世間に認めてもらえるよう働きかける、または、資格制にして専門職として確立していけば信頼性も上がり、需要も得られるとは思います。あくまで、消費者に適切な紹介ができた場合に限りますが。
継続的に収益を上げることは困難に思えるが、ターミナル駅などに店舗を構えている場合は、一見客のみでも経営が成り立つ場合があります。しかし、リスクが隣り合わせであることを受け入れなければなりません。
飲食店に対して消費者が求めるサービスの根本的な価値は変わりません。それは、価格であったり料理や接客の質によるものかもしれません。近年では消費者が飲食店に求める価値を考え、営業方針をプチぼったくり店から優良店に移行しているお店も多いようです。
筆者としては、飲食店を利用する消費者の多くが、安心してお店を利用できる環境が整うことを願うばかりです。
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