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政治政策 中国

明日始まる共産党大会のあと、中国は「習近平の国」となる

史上最大の「実験国家」が動き出す

「いまの習近平」が詰まった文書

中国を巨大な会社にたとえると、18日から始まる第19回共産党大会は、株主総会のようなものだ。

会社の株主総会は年に1回開かれて、中国共産党の全体会議もほぼ年に1回だが、5年に一度、特大の全体会議が開かれる。それは社長の任期が切れる時の株主総会のようなもので、幹部人事が大幅に入れ替わる。それが18日からの共産党大会だ。来週中には、幹部人事と方針の全貌が明らかにされる見込みだ。

この重要な共産党大会に先駆けて、10月11日から14日まで、第18期中国共産党中央委員会の最後の全体会議、第7回全体会議が、北京の京西賓館で開かれた。

以下は、そこで発表された公報(コミュニケ)を訳したものだが、ほぼ習近平総書記の主張通りの内容と思われる。共産党用語満載で難解な表現もあるが、そのあたりは読み飛ばしていただいても構わない。習近平総書記が、いま何を考えているのかを、ざっくりと掴み取っていただければと思う。

 

〈 中国共産党第18期中央委員会第7回全体会議が、2017年10月11日から14日まで、北京で開催された。中央委員191人、中央委員候補141人、中央紀律検査委員会委員及び関係責任者同志が、会議に列席した。

全体会議は、中央政治局が主催した。中央委員会総書記の習近平は、重要談話を述べた。会議では、中国共産党第19回全国代表大会を、2017年10月18日に北京で行うことを決定した。

全体会議は、中央政治局の委託を受けて習近平が行った活動報告について聴取し、討論した。会議では、党の18期中央委員会の中国共産党第19回全国代表大会へ向けた活動報告について討論し、通過した。また、党の第18期中央紀律検査委員会の中国共産党第19回全国代表大会へ向けた活動報告についても、討論し通過した。さらに、「中国共産党党規約(修正案)も討論し、通過した。

以上の3件は、中国共産党第19回全国代表大会の審査と審議に諮るものとする。習近平は、党の18期中央委員会の中国共産党第19期全国代表大会に向けた報告討論草稿を、全体会議で説明した。また劉雲山は、「中国共産党党規約(修正案)の討論草稿を、全体会議で説明した。

全体会議は、党の第18期6中全会(第6回全体会議)以来の中央政治局の活動について、十分に肯定した。この一年来、中央政治局は、中国の特色ある社会主義の偉大な御旗を掲げ、党の第18回共産党大会及び3中、4中、5中、6中全会の精神を全面的に貫徹し、マルクス・レーニン主義、毛沢東思想、鄧小平理論、「3つの代表」の重要思想、科学的発展観の指導を堅持してきた。また、習近平総書記の一連の重要講話の精神と、治国理政の新理念、新思想、新戦略を着実に貫徹してきた。

そして全党全軍全国各民族の人民を団結して引率し、穏やかな中に進歩を求める活動の総合基調を堅持し、国内と国外の二つの大局をまとめ上げ、「5位一体」の総合的状況を推進しまとめ上げ、「4つの全面」の戦略状況を協調して推進し、新発展の理念を確固として着実に貫徹し、改革の堅持を確固として推進し、清廉な党風の建設と反腐敗闘争を確固として推進してきた。

その上で、各種リスクやチャレンジに効果的に応対し、マクロコントロールを創新し完備し、穏やかな増長・改革の促進・構造調整・民政への恩恵・リスク防止のための各種活動を統合的に推し進めてきた。

そして、社会主義の経済建設、政治建設、文化建設、社会建設、生態文明建設、軍隊改革の建設の深化、香港・マカオでの積極的な活動、対台湾活動を全面的に推進してきた。かつ中国の特色ある大国外交を全面的に展開し、厳格な党治の各種活動を着実に実行し、平穏で健全な経済発展を保持し、社会の調和と安定を保持し、党の第19回全国代表大会の開催に向けて、良好な条件を造成してきた。

全体会議は、党の第18回共産党大会以来の5年間の活動を総括した。この5年間は、党と国家の発展の過程でまったく非凡な5年であり、改革開放と社会主義現代化建設は歴史的な成果を挙げたとの一致した認識を持った。5年来、習近平同志を核心とする党中央は、困難に立ち向かい、開拓前進し、旧きを新しきに改め、統治に精励し、巨大な政治的勇気と強烈な責任感でもって、具体的で多くの新たな歴史的特長を持った偉大な闘争を進行させてきた。

そして一連の新理念・新思想・新戦略を提出し、一連の重大な方針政策を打ち出し、一連の重大措置を推し出し、一連の重大な活動を推進してきた。それによって多くの、長期にわたって解決が待たれ、かつ未解決だった難題を解決してきたし、多くの過去に成しえなかった大事を成し遂げてきた。そうして党と国家の事業に、歴史的変革を起こしてきたのである。