五十里ダム、ダム湖、下流の川。
すべてがいつもと違いました。
湯西川温泉への行きと帰り、
栃木県日光市にある五十里(いかり)ダムのダム湖 五十里湖の水位が低く、
茶色くにごっているのを不思議に思いました。
↑ 現在の五十里湖
いつもはエメラルドグリーンのきれいな湖なのに、どうしたのでしょう。
↑ いつもの五十里湖
そういえば、下流にある鬼怒川温泉・川治温泉あたりの川も にごっていました。
気になってしょうがないので五十里ダムに行ってみよう。
五十里ダムの上流側へ
上流側に車を止めると、駐車場に関係者らしき方がいらっしゃいました。
ご迷惑かな…と思いながら恐る恐る尋ねると
「工事をするために放水して水位を下げているんですよ。」
「にごった水を……」と、さらに詳しく説明して下さったのですが、
私たち夫婦の頭では理解ができません。
とりあえず工事現場を見てみることにしました。
これ以上近づけないので、何の工事かわからない。
五十里ダム資料館「わくわくダムダム資料室」に説明があるかも!と入りましたが…
工事用の作業構台についての説明のみ。
作業構台(さぎょうこうだい)とは、斜面から張り出したステージ。
十分な作業スペースや材料置き場が確保できないとき、ステージを作り、その上で作業します。
上の資料より抜粋
資料室から工事中のダムを見てみると…
工事の内容がとっても気になる。
そうだ、下流側の駐車場から見てみよう!
工事中の五十里ダム下流側
車を下流側に停めると、見たことのない看板が。
工事の説明です。これで謎がとける!
「選択取水設備」「利水放流設備」「水力発電所」の3つを作っているみたい。
(看板に水滴がついているため見づらいです…。ごめんなさい。)
選択取水ってなに?
「選択取水設備」とは、
ダム湖内のにごりなどの状況に応じて、取水する水深を調整できる設備です。
どうして取水する水深を変えるのでしょう。
ダム湖の水温とにごりは水深によって3段階(表層・中層・下層)に変化するため、
水の用途に応じて適切な水をくみ上げる選択取水を行う必要があります。
ダム湖の水は表層(水面近く)が温かく、湖底に近づくほど水温が下がります。
また、大雨などが降った場合は、にごった水がダム湖内の表層に流れ込むため、
一時的に にごりが変化します。
たとえば、作物を育てるための農業用水には温かい水が最適です。
農業用水用の水をくみ上げるときは、太陽の熱で温められた表層の水を取水します。
水道水には にごりが少なく、プランクトンなどが比較的少ない層の水を取水します。
ダムに穴をあけてる!
工事説明を読んでいると、ダムから楽しそうな笑い声が聞こえてきました。
作業構台の上にいる作業員さんたちです。
筒状の何か2つがぐるぐる回転しています。
コアボーリングマシンという機械でダムに穴を開けています。
うわー!楽しそう。
作業構台を作るときに切り取ったダムの一部が置いてありました。
ただのコンクリートなのに、ダムの一部だと思うとカッコいい。
ビフォーアフター
工事が始まる前の五十里ダムはこちら。
完成イメージ。
まるで間違い探し。
平成30年度中に完成予定。
近くに行ったときは、工事の様子をまた見たいと思います。
やっぱりダムは面白いなぁ。