“キーワードから成約までの距離”とサイト構成の考え方

サイトアフィリにおいて「キーワードとサイト構成」は重要です。しかし、サイトアフィリ初心者がやってしまいがちな失敗、特にアドセンス出身の人がよくやる失敗があります。

それが「検索キーワードから成約までの距離の読み違え」です。

アドセンスばかりやってきた人はASPアフィリを始めた直後は「今までの記事はアクセス集めてればよかったけど、商品ってどうやって売ればいいの?」と思うことが多いと思います。この原因は「検索キーワードから成約までの道がイメージできていない」ことにあります。

今日は検索キーワードによってアフィリサイトの構成をどう考えれば良いのかということを話してみたいと思います。

アフィリサイトはなんのためにある?

アフィリサイトってなんのために存在すると思いますか?「商品を紹介する」ってだけなら、amazonや楽天、公式サイトで十分です。そこにアフィリサイトの存在価値はありません。「ユーザーの悩みを解決するため」っていうのも違うと思います。アフィリサイトは、何か商品やサービスを売ってなんぼです。

私はアフィリサイトは「売りたい商品までユーザーをつなげるために存在する」と思ってます。ここで「売りたい」と書いたのは、あくまでアフィリサイト運営側の視点で書いているためです。あとこれは私の理念的な定義じゃなくて、あくまでこの記事を書くために定義したものです。

今回は「薄毛」と「育毛剤」というキーワードを例に説明してみます。

私はジャンルとして「育毛剤」を扱ってないので、そこまでユーザーの検索意図について深く考えたことはないです。だから、サイト構成の考え方の道筋として参考にしてください。

「薄毛」と「育毛剤」はどちらを攻める?

あなたが「育毛剤を売るアフィリサイト」を作ろうと考えているとします。最初にキーワードを決める必要がありますね。サイトアフィリでうまくいっていない人の多くは、「薄毛」と「育毛剤」というキーワードの違いがよく分かっていません。意識できることといえば、数字で見える検索回数の違いくらいだと思います(ちなみに月間検索回数は17,000回と29,000回)。

そこで検索回数が多い「育毛剤」はライバルが強そうだから、検索回数が少ない「薄毛」というキーワードを選んだとしましょう

アフィリサイトの一番上には、とりま育毛剤ランキング。ランキングの下には上位表示するために共起語を意識した網羅的な内容の長文記事

イメージは、こんな感じのサイトです。このサイト構成をベースに話を進めていきます。

最近のアフィリサイトのイメージなのか、なんとなくこんなサイト構成にしている人は多いですね。特にキュレーションサイトではこういう構成が多いですね。育毛剤ランキングがページの下の方に来ることもありますが、ランキングの掲載位置は問題ではないです。

サイトアフィリで本気で商品を売りたいなら、これだと全然ダメです。その理由は明白で、このサイト構成ではユーザーの検索意図や成約までの距離がまったく考えられていないからです。

長文SEOを意識して、共起語をたくさん入れて、網羅的な記事を書こうと意識しているだけの記事です

「薄毛」ユーザーの検索意図とサイト構成

サイト構成を考えるには、まず「薄毛」で検索するユーザーの検索意図を考える必要があります。「薄毛」で検索するユーザーは、なぜ「薄毛」と検索するのでしょうか?

  • 自分が薄毛になった原因を知りたい
  • 薄くなった髪の毛を増やしたい
  • 薄毛になるのを予防したい
  • 「薄毛」って、なんて読む?
  • 薄毛の有名人って誰がいるんだろう

他にもまだまだたくさんの検索意図がありますね。特に「薄毛」くらい幅が広く大きなキーワードになれば、ユーザーの検索意図は無数にあります。

この中で「最終的に育毛剤を買ってくれるユーザー」について考えると

  • 自分が薄毛になった原因を知りたい
  • 薄くなった髪の毛を増やしたい
  • 薄毛になるのを予防したい

この辺の検索意図を持つユーザーがターゲットになりそうですね。

では、この辺りのユーザーが自分のサイトに訪問したと仮定して、サイト内で育毛剤をオススメしてみましょう。さっき自分の作ったサイトのトップにあるのは育毛剤ランキングですね。


「自分が薄毛になった原因を知りたい」人に対して「育毛剤ランキングの1位は、この商品です!」

「薄くなった髪の毛を増やしたい」人に対して「育毛剤ランキングの1位は、この商品です!」

「薄毛になるのを予防したい」人に対して「育毛剤ランキングの1位は、この商品です!」


こうやって書くとかなり無理矢理セールスしているのが分かりますよね。これだと悲しいくらいに成約しません。当たり前なんですが、ユーザーの検索意図とサイト内容がまったく一致していないからです。原因が知りたい人は育毛剤ランキングなんて求めてませんし、髪の毛を増やしたい人も育毛剤ランキングなんて求めてません。

「髪の毛増やしたい人は育毛剤ランキング求めてるだろ!」って思ったら、ユーザーの検索意図や考えを自分の都合のいいように解釈しすぎです。ここが、ユーザーの検索意図とあなたの考えがズレている = キーワードと成約までの距離を読み違えているところです。

「薄くなった髪の毛を増やしたい人が育毛剤を探している」というのはあなたの勝手な決めつけです。薄くなった髪の毛を増やしたい人は髪の毛を増やす方法を探しているだけです髪の毛を増やす方法は、育毛剤だけではありません。他にもたくさんの選択肢があります。

  • 育毛シャンプー
  • 育毛サプリ
  • カツラ
  • 植毛
  • 食事
  • 頭皮マッサージ
  • 生活習慣

ユーザーはなんでもいいわけです。もっと安く、もっと短期間で、もっと効果的に髪の毛を増やす方法があるなら、ユーザーは育毛剤なんて欲しくありません。育毛剤をほしがっているユーザーじゃないわけです。それをなんの説明もなく、サイト内でいきなり育毛剤をオススメしても買ってくれないのは当たり前ですね。

しかし、自分の作ったサイトのトップには育毛剤ランキングを置いてます。分かりますか?「髪の毛を増やしたい人」に「育毛剤ランキングの1位は、この商品です!」って、いきなり言ったところで買ってくれないんです。勝手な解釈で「薄毛で悩んでいる人は育毛剤を欲しがってる」と決めつけてサイトを作ると失敗します

サイトアフィリでえげつなく売っている人は、キーワードから成約までの道のりが恐ろしく綺麗にできてます。ユーザーはほんと楽しくて読んでたら、いつの間にか商品ほしくなってるような状態になります。そういう意味では怪しい情報商材のセールスレターも似たところがあります。

では、「薄毛」で検索したユーザーは、どうすれば「育毛剤」まで道が繋がるのか。

こういう場合は、「薄くなった髪の毛を増やしたい人」を「育毛剤」に一度落としてあげる必要があります。「自分が髪の毛を増やす手段として、育毛剤が最適」ということを理解してもらうことです

薄くなった髪の毛を増やしたい → 髪の毛を増やす方法で最適なのは育毛剤 → 育毛剤ランキング → 育毛剤を購入

これで先ほどよりも少しだけ育毛剤までの道がつながりました。でも、これでもまだまだ薄毛から育毛剤までは遠いです。育毛剤を買ってもらうには「自分には育毛剤が最適」とユーザーに納得してもらう必要があります。その方法はたくさんありますが、他の育毛方法のデメリットや育毛剤のメリットを説明するのも一つのアイデアです。

こんな感じでキーワードから成約までの道をこちらで用意してあげます。で、今考えたサイト構成はこんな感じ。


「薄毛」で検索したユーザーがサイト訪問

育毛剤を購入


サイト構成のポイントを解説

最初に薄毛の原因を短めに書きます。薄毛の問題を解決するためには育毛剤が最適と最終的にはつなげられるように布石を打っておきます。次に、髪の毛を増やす方法をいくつか書きます。あまり多くても離脱の原因になるので代表的なものを3〜5つくらい、それぞれのメリット・デメリットも書いてあげると育毛剤に落としやすいと思います。ここが本題ではないので、ここも長く書かずに短めまとめましょう。ここではデメリットを強調するといいと思います。そして、ここでは育毛剤の話はしません。

この後で満を持して「これらの悩みを解決する方法は育毛剤」と紹介させる方がインパクトありますね。そして、育毛剤を使うメリットを3つくらい書きましょう。なんとなく育毛剤を嫌がってるというユーザーもいるので、ここではそういったユーザーにも「やっぱり育毛剤がいいのか」と納得してもらいたいです

「育毛剤が最適だ」と納得してもらえたら、次は育毛剤を選ぶポイントを教えてあげます。世の中には育毛剤はたくさんありますからね。ここで重要なことは選ぶポイントの通りに育毛剤を選んだら、育毛剤ランキング1位にたどり着くということです。たまにあるんですが「xxの選び方」ってコンテンツ書いておいて、ランキング1位が全然違う商品になっているサイトです。もちろんダメなので、サイト内で矛盾しないように気を付けましょう。

当たり前ですが、売りたい商品のために、ユーザーの役に立たないような無茶なことを書いたらダメです。あくまでターゲットユーザーにメリットのある提案を書くことが重要です。例えば、お金があまりない若いユーザーを狙うなら、低価格な育毛剤がいいでしょうし、比較的お金があって悩みが深いユーザーを狙うなら、高価格で有効成分が豊富な育毛剤がいいと思います。

気づいたかもしれませんが、ユーザーが育毛剤の選び方まで読んでくれれば、ほぼ勝ちですここまで読んだら「育毛剤を買うかどうか」ということではなく「どの育毛剤を買えばいいか」ということに思考が切り替わっているためです。あとは、選ぶポイントを満たしているかどうかを明確にしてランキングを見せてあげるだけです。

これで成約率が最大化するかどうかは分かりませんが、おそらく最低限の成約率は出せる構成にはなっているはずです。

何度も言いますが、私は育毛剤ジャンルはやってませんし、リサーチとかしてませんよ。5分くらいで考えたものなので「そんなんじゃ成約しないわ!」とかって超現実的な話はまたの機会にしてください。ここで大事なことは、このサイト構成で本当に売れるかどうかではなく、ユーザーの検索意図を考えて、売りたい商品までつなげる必要性です。

ユーザーの検索意図を意識したサイト構成が作れるかどうかでサイトアフィリで稼げるかどうかが決まると言ってもいいです。サイト構成が上手でサイトアフィリで結果が出てない人っていません。結果が出てない人は、ほぼ全員がサイト構成が下手です。上位表示されているサイトの内容を真似したつぎはぎだらけのサイト構成になってます。共起語、網羅性、長文だけを意識して、ユーザーのことが全く考えられてません。

「育毛剤」ユーザーの検索意図とサイト構成

ここまでは「薄毛」というキーワードでサイトを作った場合の話です。これが「育毛剤」ならどうなるか。「薄毛」と違って「育毛剤」なら、もっとストレートなサイト構成でいいです。そもそも「育毛剤」で検索するユーザーは髪の毛を増やしたいユーザーがほとんどです。そして、自分の髪の毛を増やす方法として「育毛剤」という方法にたどり着いたユーザーだからです

だから「薄毛」の時のように「育毛剤が最適」ということを順序立てて説明していく必要はありません。実際には、育毛剤
のメリットも少しは書きますが、背中を押すくらいでいいです。


「育毛剤」で検索したユーザーがサイト訪問

育毛剤を購入


「育毛剤」で検索して来たユーザーなら、このくらいでも十分成約するはずです。むしろこの場合は「とりまランキング」でもいいと思います。

初心者に商標キーワードをオススメする理由

以上が「キーワードと成約までの距離の違い」についてです。私はサイトアフィリ初心者には商標キーワードをオススメしてます。それは上位表示が簡単にできるからという理由ではなく、商標はキーワードから成約までの距離が近いからです。

「チャップアップ」のような商品名では、検索しているユーザーはすでにこの商品を知っていて、興味があるユーザーです。サイトに来た時点で、すでに購入することを決めて来ているケースも多いため、あれこれ説明する必要がありません。

だから「キーワードと成約までの距離」という考え方が分からなくても簡単に売ることができます。購入ボタンが置いてあるだけでも、買う人は買いますからね。

ただし「薄毛」などの悩み系キーワードとは違って、商標は検索数が少ない傾向にあるので大きな収益は狙いにくいです。そのため、商標キーワードでサイトアフィリに慣れて、キーワードへの理解が深まったら、次のステップとして一般キーワードでも成約させられるようなサイト構成を考えられるようになりたいですね

キーワードと成約までの距離はキーワードだけでなく、売りたい商品によっても大きく変わります。成約までの距離が遠くなればなるほどページは長くなりますし、その分売るのは難しくなります違和感なく、ユーザーを商品まで導くには段階を踏んで納得してもらう必要があるためです

「葉酸」というキーワードで「ベルタ葉酸」を売るのと、「葉酸サプリ」というキーワードで「ベルタ葉酸」を売ることの難しさの違いが今なら少しは分かってもらえると思います

まとめ

今日は「キーワードと成約までの距離とサイト構成」の話をしました。今まで検索したユーザーを成約させる感覚が分からなくても、この記事を読んでもらうと少しは理解できたんじゃないかと思います。

ここで書いていることはどこかで読んだ知識ではないですし、誰かから聞いた話でもありません。これまでにアフィリエイトを通じて、いろんなことを経験した中でたどり着いた話です。だから「キーワードから成約までの距離」とか言っていますが、この言葉を他の人は別の意味で使っているかもしれません。また私が言っていることとはまったく違うことを言っているかもしれません。

しかし、それはどちらでもいいことです。正解なんてありません。だから「どんなキーワードでも関係ない。自分は一番上にランキングを載せる方が成約率が高くなる」という意見もアリだと思います。重要なことは、自分なりの考えを持ってサイトアフィリに取り組むことです。

最近では、SEOで上位表示するためだけに、とにかく共起語を盛り込んで網羅的な記事を書くしかできないという人も多いですね。長文SEOという言葉だけが一人歩きしてる気がします。検索ユーザーが全く興味ない情報がダラダラと書かれていて、本当に重要な内容が最後に少しだけ書いてあるようなサイトも多いです

そんなサイトを作っていると仮に上位表示できたとしても、必ず壁にぶつかります。

この話は成約率に影響するだけでなく、SEOにも大きく影響しています。検索意図と大きくずれたサイトを作っていれば、ユーザーの直帰率は高くなり、滞在時間は短くなります。そうなればSEOの評価はマイナスになり上位表示もできません。逆に検索意図をしっかりと理解した上でサイトを作ることができれば、それが強力なSEO対策になります。

重要なことは、画面の向こう側にはユーザーがいるということ。そして、商品購入を決めるのは、そのユーザー(人間)だということです。

今まで適当にしかサイトを作ってこなかった人は「このキーワードなら、こういう構成で書けば成約するんじゃないか」と考えること自体に意味があります。もし、そんな視点でサイトアフィリをしたことがなかったなら、この記事がキーワードやサイト構成について考えるきっかけになればと思います。

余談

今回はキーワード選びは本題ではないので、キーワード自体は適当です。実際には「薄毛」「育毛剤」なんてキーワードを選んだらとんでもないことになります。またこのキーワードを選んで解説したのは、誰にも迷惑がかからないと思ったからです。このまま実践したところで、上位表示できるようなキーワードではないので。

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コメント

  1. きょろ より:

    こんにちは
    すごい詳しい図式でわかりやすかったです
    ライティングページをつくるときの参考にさせていただきます

  2. なかじ より:

    コメントありがとうございます。
    お役にたったようでよかったです。
    今後ともよろしくお願いいたします。

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