富士山頂で売っている自動販売機の水は500円だそうです。
なぜコンビニの水は100円なのに、富士山頂の水は500円なのでしょうか?
全く同じ商品だから同じ値段でもいいはずです。
この値段のカラクリをちゃんと説明しようと思うと、意外と難しいですよね。
説明するためには、商品の値段の決まり方を知る必要があります。
商品の値段の決まり方には、2パターンあります。
経済における商品の値段の決まり方
世の中の商品の値段は、どのように決まっているのでしょうか?
「何言ってんだ。会社で一番えらい社長が決めてるに決まってるだろうが。」
と思われた方、残念ながらまったく違います。
世の中の商品の値段は、需要と共有のバランスによって決まります。
みなさんも需要と供給という言葉を聞いたことはあるでしょう。
需要は「買いたい人の数」、供給は「売りたい人の数」のことです。
買いたい人が多く、売りたい人が少ない場合、値段が多少高くても買いたい人が多くなります。
結果、値段は市場価格よりも高めに設定されます。
逆に買いたい人が少なく、売りたい人が多い場合、値段が多少低くても売りたい人が多くなります。
結果、値段は市場価格よりも低めに設定されます。
買いたい人と売りたい人の数が同数の場合、値段は市場価格と呼ばれる値になります。
商品の値段は、需要と供給によって変化するのです。
資本論における商品の値段の決まり方
需要と供給のバランス以外にも、商品の値段の決まり方があります。
『資本論』に書かれている考え方で、価値の大きさによる商品の値段の決まり方です。
価値の大きさとは、その商品にかかった労力の大きさのことを言います。
家の近くのコンビニに水を運ぶ労力と、富士山頂に水を運ぶ労力のどちらが大きいと思いますか?
もちろん誰もが富士山頂に水を運ぶ労力の方が大きいと言います。
そして、より労力がかかった商品、つまり、より価値の大きい商品の方が値段が高い、という法則があります。
つまり、家の近くにあるコンビニの水よりも富士山頂にある水の方がより労力がかかっているため、値段が高くなります。
価値の大きさ、つまり、かかった労力の大きさによっても、商品の値段は変化するのです。
富士山頂の水はなぜ500円なのか?
ここで最初の問いに戻ります。
わざわざ富士山頂まで水を運んで売りたい人はとても少ないです。
一方で、富士山頂には、喉が乾いた登山家で、水を買いたい人がいます。
つまり、富士山頂では、水を買いたい人の方が売りたい人よりも多いため、市場価格よりも高い500円という値段となっています。
また、家の近くにあるコンビニの水と富士山頂にある水では、同じ水でも運ぶ労力の大きさが異なります。
富士山頂にある水の方が運ぶ労力が大きいので、コンビニの100円の水よりも高い500円という値段になっています。
商品の値段の決まり方には、2パターンあることを覚えておいてください。
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実は、価値の大きさによってサラリーマンの給料も決まっています。
それは、"労働力"という商品をサラリーマンは売っているからです。