CEATEC JAPAN 2017に出展したKDDIブースを紹介!

千葉県・幕張メッセにて2017年10月3日から6日までの3日間に渡って開催されたエレクトロニクスとITテクノロジーの展示会「CEATEC JAPAN 2017」にKDDIが出展し、遠隔モーショントレース技術「テレイグジスタンス」の実演やIoT機器を映像情報と関連させ直感的な情報利用を可能とする「コネクティッドAR」など、KDDIが推し進める5G技術を活用した複数の新技術の展示が行われました。

KDDIをはじめ、NTTドコモやソフトバンクなどの大手移動体通信事業者(MNO)は、次世代の通信規格となる「5G」の技術的確立とその実用化を最大の焦点として研究開発を行っていますが、その中でもKDDIは5Gの活用技術に積極的に投資している印象があります。

今回の展示でもアンテナ技術や5Gそのものの応用例ではなくデバイスを中心とした展示となっており、5Gは飽くまでも「高速応答性」や「大容量通信」のための1つの手段といった内容でした。

KDDIがめざす5Gの世界とはどういったものなのでしょうか。展示ブースの模様をテレイグジスタンスやコネクティッドARの解説を中心に写真と動画にて紹介します。

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KDDIが描く5Gの未来を垣間見る


■人間を感覚的に遠隔地へテレポートさせる「テレイグジスタンス」技術
KDDIブース正面に大きく展示されていたのは遠隔モーショントレース技術「テレイグジスタンス(Telexistence=遠隔存在感)」の実演です。取材当日は実演が行われませんでしたが、そのトレーサーロボットとトレースデバイスが展示されていました。

テレイグジスタンスはまだまだ日本での認知度も低く、知らない人も多いかと思われます。簡単に言えば「人間の動きをそのまま遠隔のロボットに伝え、まったく同じ動きをさせる」というものです。またテレイグジスタンスではロボット側からのフィードバックもあるため、ロボットが人間と握手をすると遠隔操作している人間にはその「手を握って上下に振った感覚」がフィードバックされます。

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現在は実証試験段階にあるテレイグジスタンスロボット「TELESAR V」


今回展示されていたテレイグジスタンスロボット「TELESAR V」では触感や温感などもフィードバックする仕組みがあり、ロボットが触れたものを遠隔の人間があたかも触れているような感覚を得られます。

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操作する側の人間が装着するデバイス


ceatec2017-au-005モーショントレースには操作台に設置されたカメラの情報も利用される


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人間の動きがそのままロボットにコピーされる


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ロボットが握手をすれば人間側にもその触感や動きがフィードバックされる


テレイグジスタンス技術で期待される分野は危険な場所での作業や医療現場です。人間が入り込めない危険な場所でも、あたかもその場にいるような感覚で作業が行えたり、高度で繊細な技術を必要とする外科手術を高いスキルを持つ医師が遠隔操作で行えるなどの活用が考えられます。

一般来場者も体験できるテレイグジスタンスの展示としてモーショントレースカメラが設置されていました。加速度センサーなどが組み込まれたVRディスプレイを被ると隣に置いてあるカメラが人間の首の動きに同期して動くというものです。

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VRディスプレイの動きをそのままロボットカメラと接続することで遠隔地を眺めている疑似体験ができる


筆者も実際に体験してみましたが、カメラの追従性も高くカメラの視界がそのまま自分の視点となるため、慣れるとそのロボットカメラがある場所に実際にいるような感覚に陥りました。この高い追従性能を実現するために、理論値で2ミリ秒、実用応答速度でも10ミリ秒程度と言われる5G通信が持つ高速応答性が必要不可欠だと説明員は解説しています。

モーショントレースカメラの実演は以下の動画からもご覧いただけます。


S-MAX:CEATEC JAPAN 2017・KDDIブース「テレイグジスタンス」技術実演

動画リンク:https://youtu.be/svYnuRCSfA0

■IoT機器による直感的なUIを実現させる「コネクティッドAR」技術
エレクトロニクス分野で5G技術とともに現在大きな盛り上がりを見せているのがIoT技術です。IoTとは「Internet of Things(モノのインターネット)」の略語であり、その名の通りあらゆる機器に通信性能を持たせ、情報を共有したり連携を取り合うことで人々の生活支援を行ったり作業の効率化を図ろうというものです。

KDDIブースではこのIoT技術を活用する方法として、IoT機器によって得られた情報を手元のスマートフォン(スマホ)などに伝送し、そのスマホのカメラなどで対象物を映すと瞬時に情報を得られる「コネクティッドAR」を展示しました。

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汎用性の高さが売りとなるコネクティッドAR技術


コネクティッドARの実用例として実演されていたのはカーシェアリングの場面です。クルマに搭載されたIoT機器がクルマの情報を共有し、ユーザーがそのクルマにスマホのカメラをかざすと瞬時にスマホが車の種類や状況を判断して貸出情報を表示するというものです。

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BRZと86のように外観が酷似したクルマでもIoT情報とAI技術によって正しく判断できる


この場合のメリットはカーシェアリングの貸出手続きに面倒な入力を一切必要としない点です。スマホの専用アプリを起動しカメラをかざすだけで映像上にカーシェアリングの画面がオーバーレイされ、そのまま貸出手続きが完了します。劇的に便利になるというものではありませんが、手続きをスムーズに行えるという点で大きなメリットがあります。

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クルマにカメラをかざすだけで瞬時に車種が判別され予約開始ダイアログが表示される


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そしてそのまま予約画面へ


カーシェアリング以外にも、ショップの展示品などにカメラをかざすことで商品の詳細を表示したり、ショーウィンドウの商品であってもその場で購入手続きを行えるなど、活用の幅は非常に広いと考えられます。これらの技術を支えるのも高応答性と大容量通信を実現する5G通信であり、KDDIが5Gを推進する先にあるビジネスチャンスがコネクティッドARなどにあると言っても過言ではないでしょう。

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KDDIが真に普及させたいものは5Gではなく、その先にあるビジネスモデルだ


■VR音響技術やドローンの遠隔操作など5Gを活かした技術展示をまとめて紹介
この他、KDDIブースではVR音響技術やドローンの遠隔運搬技術、AIアシスタントキャラ「レナ」を用いたAR技術などを展示・実演し、それらの通信システムとしての5G技術の有用性をアピールしていました。

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少ない数のマイクからの音声入力を合成処理し、VR映像などと組み合わせて観ている映像の方向の音を強調するVR音響技術


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通常であれば数十台のマイクを用いる立体音響を数台のマイクで構築できる低コストさが売りの1つだ


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通常の映像の何倍もの通信容量を必要とする360度映像やその立体音声データも5Gであればストリーミング配信することも可能となる


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巨大なアームを備えた遠隔運搬用ドローン


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頑丈なアームで輸送物を掴み運搬する


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5Gの低遅延による精密な作業や大容量通信を活かした鮮明な映像送信によって作業精度が格段に向上する


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au向けAndroid用アプリ「おはなしアシスタント」で人気のキャラクター「レナ」とARでお話ができる


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デモにはGoogleのARソリューション「Tango」に対応した端末が用いられていた。現在のところ一般的なAndroid端末では実現できないとのこと


レナとのAIコミュニケーション体験の様子は以下の動画からもご覧いただけます。


S-MAX:CEATEC JAPAN 2017・KDDIブース「おはなしアシスタント・レナ」AR体験

動画リンク:https://youtu.be/utEbxTtWKyE

記事執筆:あるかでぃあ


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CEATEC JAPAN 2017 ( シーテック ジャパン 公式サイト )
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