ピエンローを一言で説明すると白菜鍋です。 白菜が主役の、白菜を食べる鍋なのです。
舞台美術家の妹尾河童さんが著書「河童のスケッチブック」で紹介し、 一躍有名になった鍋です。
近頃色々な料理名でこのピェンローが各メディアに紹介されているのを見かけますが、 火付け役はやっぱり河童さんになります。
作り方だけ聞いてみても、実際に作って食べてみるまでは「うーんなんだかピンとこない・・・。」 という人が大半ではありますが、 一度作って食べてみて、それ以来ずーっと病み付きになり、 我が家の定番鍋になったという人物を何人も知っています。
できれば白菜がグッと美味しくなる冬に作ってみてください。
まずは下準備を。 鍋に水を張り、干ししいたけを戻します。 できれば一昼夜ぐらい時間をかけて戻したほうが、 おいしいダシがでるわけですが、時間が無い場合は、カットされてる干しシイタケを使うとよいです。
土鍋で作るときは、土鍋よりも大きい別鍋でかなり多めにダシをとっておいたほうが身のためです。 なぜならば、具の春雨がダシを吸っちゃうし、シメで雑炊を作る際にスープが足りなければ、ヒサンな話になりますからね。
独断で投入させていただいております。 河童さんの本にはありませんでしたが、好きなんです昆布が。 干しシイタケの戻し汁に一枚加えておきます。 グルタミン酸にもがんばってもらうわけです。
ピェンローの要です。 我が家の場合、6人分で白菜一個という分量です。
話だけ聞くと、多すぎるような気がしますが、なんと、すんなり食べきってしまうことができるのですよピェンローにすると。
初めてピェンローを口にしたら「まさか自分がこんなに白菜を食べれるなんて・・・」と、驚くハズです。 ですから白菜は多めに用意しておきましょう。 無いとなれば欲しくなるのが人間ですから。
白菜を縦半分に切り、根に近い白い部分は、細く千切りにします。 この部分はスープに溶けこみ甘味をアップさせるための大事な役割を担っています。
青い葉の部分は、ザク切りにしておきます。 グツグツ煮てからしんなりさせて、食べます。
※白菜の芯だって、細かく刻めば美味しく食べれます。 どうせ溶けてしまいますし。
土鍋に干しシイタケの戻し汁を注ぎ、まずはせん切りにした白菜の白い部分を加えます。 そして弱火にかけましょう。 グツグツ煮るうちに、白い部分が次第にすき通ってきますよ。
20分ばかし煮ている間に次の準備へまいりましょう!
鶏のモモ肉を食べやすい大きさに切ります。 部位的に基本は、やはりモモ肉です。 ウチではたまに、手羽先を使ったりもしますが、どちらにしろ美味しく作れます。
※鶏のムネ肉は、良いダシが出ますけど、食感がポサポサしちゃいます。
煮こむうちにとても美味しくなりますから、やはり多めに用意します。 ウチでは白菜一個に対し最低600gは使います。 部位はバラが人気ですが、何コマ切れだって構いません。
さて、そろそろ白菜がトロけてきたでしょうか。 そうしましたら、鍋へ鶏肉を加えて引き続き煮ていきます。 弱火で気長に煮る事が、美しいピェンローを作るコツです。
鶏が白んだところで胡麻油をお玉一杯流し入れ、20分くらい煮込みます。
すでにキッチンは、食欲をソソる胡麻油の香気に包まれている事でしょう。 そこですかさずバラ肉を加えまして、ダマにならぬよう、箸で広げながら所々散りばめます。
すかさずバラの上から白菜の葉の部分をかぶせこみます。 もう、山に積んじゃいます。 このまま20分間弱火で煮れば、
ごらんの通り、葉はスッカリ鍋中に収まるでしょう。
ここですかざずお玉一杯の胡麻油を流し入れ、10分間煮込むんです。 時折アクをすくいながら、完成を待ちましょう。
もはや家中に、白菜と胡麻油の合わさった甘い香りが充満しているかと思いますが、ここで土鍋からお玉へ一杯のスープをすくってみてください。
どうですか? きらめく黄金色のスープが現れたハズです。
ピェンローの第二の主役、春雨を用意します。 春雨を入れるとスープが急激に減りますから、あらかじめ別途茹でておいた春雨を加える、のもひとつのテです。
白菜がクタクタし、春雨が煮えたら仕上げに胡麻油を「の」の字に細く回し入れ、これでピェンローの完成です!
※ 胡麻油の量は食べながらでも適宜調整できるので、お好みで増減します。
「え、これでもうピェンロー完成? 味付けっちゅー味付けは、してないじゃないカ! ズズッ、味薄っ!」
なんて言う風にあわてないで下さい。 ピェンローの最終的な味付けは、塩と一味(七味)で各々行います。
鍋から自分の器にピェンローを取り分けて、自分好みの量の塩と一味を加えます。 味見をして薄ければ塩を足し、塩辛くなりすぎたら鍋からスープを注ぎ足す、みたいな感じで楽しみます。
「鍋の中に最初から塩と一味を入れてさ、味を整えておけば手間がはぶけるんじゃない?」
と言う方もおりますが、人には味の好みというものがありまして。 各自で最終的な味付けをし、時には同席者のピェンローがどのくらいの味なのかを確認し合いつつ、 「お、キミのは結構辛口ね、オレのをちょっと食ってみてよ。 ね、ウマいでしょハハ」とかやりながら食べるものなのです。
シメはピェンロー雑炊略してピェンゾーでどうぞ! 作り方は簡単です。 ご飯を鍋に入れ、残った塩と七味を調整しながら入れ、燗冷ましの酒等も入れたりしながら味をみます。 火を止めて、好みで生卵でも割り落とし、かき混ぜるとできあがり!
※最近ではピェン麺を作ります。 雑炊に飽きたら作ってみてください。 ピェン麺 ピェンゾーの仕上げに水溶き片栗粉を入れてトロミをつけるのが我が家で最近流行っています。
扁炉(ピェンロー)が載っている『河童のスケッチブック』を読んだのは、かれこれ15年ぐらい前のことでした。 何気なく、半信半疑で作って以来、 旨すぎて我が家ではすっかり定番の鍋になり、今では寒くなると月に二度、ピェンロー会を開く程になりました。
作り慣れるうちに、どうにかして「もっと美味しい鍋に改良してみよう」という欲が何度も出てきたりしましたが、 河童さんの言う通り、ピェンローには何も足さない、何も引かない。そのほうが良いという結論に至りました(昆布は入れますが)。 美味しくて安上がりなピェンローが、もっと広く知れ渡るといいな、思っています。
「河童の対談 おしゃべりを食べる」の扁炉についての記述をメモしておきます。
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05/07/19