株価が下落する「危険なサイン」が出てきた

これから日本株を買っても儲かるのか?

「21年ぶりの高値」などという話を聞いて株式セミナーに足を運ぶ投資家が増えている。今から株を買っても大丈夫だろうか。「乗り遅れた」と感じている人はどうすればいいのか( 写真:xiangtao / PIXTA)

「米国発の市場波乱シナリオ」はどこが間違っていたのか

当コラムでは、8月半ばから、日本国内の株価は短期的なリバウンドはありうるが、流れとしては年末にかけて下落すると予想し、株価下落が懸念されると述べ続けてきた。これは、当初9月以降と見込んでいた、米国での経済政策に対する失望(あるいは、その根本要因である、トランプ政権に対する失望)が、想定よりも早く表れたと考えたためだ。

しかし実際の日経平均株価は、足元も含め大きく上昇し、2万1000円の大台を強く上抜けている。見通しを誤り、読者の方にはご迷惑をおかけしているが、当初のシナリオとどこが間違ったのかを、点検してみたい。

当初シナリオでも、現在でも、特に日本国内に、株価が大きく下落する要因は見出しにくい。企業業績は回復基調をたどっているし、収益レベルと比べた株価水準(予想PER=株価収益率)は、先週末においても、安倍政権発足後のレンジの中央辺りに位置し、とりわけ割安ではないが、割高でも全くない。

特にこれまでは、企業収益の上方修正は、輸出企業がリードする形だった。それは、円相場の動向によるものではなく、世界経済が回復し、海外における日本製品に対する需要が増加することで、輸出数量が伸びることによるものであった。ただし、そうした、輸出企業の収益の好調さは、いったん株式市場で織り込まれた感もあった。ところが、これまで今一つ力強さを欠いていた、内需について、足元の6~8月の決算発表をみると、小売や外食などの内需関連企業で、収益が改善しているものが目立ち始めている。

以上のように、日本国内の情勢については、見込み違いをさほど感じない。だが、大きく誤ったのは、米国の財政政策の動向であった。減税案についてはかなり難航し、大幅な減税を盛り込むことは難しいと予想していたが、9月27日(水)に公表された、大統領と議会共和党指導部による税制改革案には、20%への連邦法人税率引き下げ(現行は35%)をはじめとして、個人所得減税、いわゆるリパトリ減税などが揃い踏みで、筆者の予想を上回る「大盤振る舞い」だった。また予算の大枠を定める予算決議については、10月5日(木)に、下院で可決された。

次ページ米国の財政問題や経済政策への懸念がいったん遠のいた
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  • NO NAME1932a265fb09
    選挙期間中に政策期待で株価が上がるなんてよくあるし
    選挙の結果が出るといったん覚めて調整もよくあること

    そんなことより予想が当たってないですね
    up37
    down3
    2017/10/16 07:00
  • NO NAMEc529ecd2b3da
    だからさぁ、アナリストは株価予想なんて出来ないんだって。
    『暴落がくる』というのは、いつか大地震が来るのと同じで、いつかは来ることだから常に言っていればいつかは当たる。
    まして、『ひと休み』なんて当たり前のこと。
    up30
    down1
    2017/10/16 08:40
  • NO NAME16d1a8026f03
    反省文としては、あまりできがよくないですね。前回の筆者の見通しは、わずか1日で上抜けた事を忘れてるのですか?「いつかは、下がる」そりゃそうでしょう。

    米国株が下落しないのは、減税策によって売りが出せないからでしょう。今年利益確定させるより来年の方が税金安くなるかもしれないなら、今年に利益確定させないのでは?含み益減少のリスクも日本で米国経済が悪化すると言われてる程、現地の投資家は米国経済は、好調であると感じているのでしょう。

    危険のサインがセミナーの配布資料が足らなくなるくらい活況だったからって、本気で言ってるの。海外投資家は先週は、現物で6千億以上の買越しで、個人投資家は毎度の売越しですよ。安倍政権になって個人投資家は一度も買越した年はなく、今年も既に3兆円以上売越してるんですよ。

    相場は、いつかは下落します。しかし、上昇相場を見逃した逸失利益を考えてごらんなさい。
    up33
    down4
    2017/10/16 06:49
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