『サイコブレイク2』海外レビュー
『サイコブレイク2』の海外レビューです。
- ジャンル:サバイバル・ホラー
- 機種:PS4/Xbox One/PC
- 開発:Tango Gameworks
- 販売:Bethesda Softworks
操作性 3.9: 『Biohazard』っぽさはあるが、操作性は上出来だ
音楽/効果音/ボイスアクト 3.5: サウンドトラックは最低限で効果音はベタだが、声優の演技は素晴らしい
バリュー 4.5: 続編にしてはかなりお得だ
『サイコブレイク2』の購入を考えているなら、若干ぎこちない動作やどこか単調なウォーキング・シミュレーター・セクションに耐える覚悟をしておこう。そこを許容できるなら、当たりよりも外れの多かった前作への素晴らしい続編となっている。娘を探そうとするSebastianに感情移入できるだろうし、最後には元は取れたと感じるはずだ。『サイコブレイク2』は買う価値があるし、前作を楽しんだ人なら尚更である。
・美しいキャラクター、環境、ゴア
・オープンワールド構造と強力なクエスト・システムが自由と筋道を同時に実現
悪い点:
・SFマシンとバーチャル世界は必ずしもモンスターや恐怖と相性が良いとは言えない
・分かりにくい物語
『サイコブレイク2』は怖いゲームだが、の序盤のように漏らしてしまうほどの恐怖ではないかもしれない。ゲーム自体は、最高のオープンワールド構造や面白いミッションの数々など、前作を巧みに改善している。人間と非人間の怪物に満ちた世界を舞台にしたSebastianの贖罪の旅路は、極めて魅力がある。このハロウィーンにプレーするボリューム満点で恐怖に満ちたアドベンチャーを探しているなら、『サイコブレイク2』で間違いない。
グラフィック 9.0: 美しいゲームで、前作からの大幅な改善だ。キャラクター・モデルは完璧ではないが、環境は驚異的
ナラティブ 8.0: 前作から大幅に改善されている。物語自体は典型的なビデオゲームのそれだが、驚くほどの巧妙さで高尚な題材を掘り下げている
雰囲気 9.0: 優れたホラー・ゲームにあるべき恐ろしい雰囲気がある。環境と敵は概ね不快なほど独創的
『サイコブレイク2』は前作をあらゆる面で改善しつつ、前作の独自性を維持。より優れたゲームプレーや物語、増えたオプションなど、全般的に素晴らしいサバイバル・ホラー体験となっている。
・主人公の苦闘に感情移入させる恐ろしい雰囲気
・大きく変化を付ける多彩で独創的なレベル・デザイン
・カスタマイズ性を増した改善されたアップグレードと武器システム
・複雑で感動的な物語を語る優れたストーリーテリングと改善されたナラティブ
悪い点:
・奇妙なペース配分とムラのあるチャプター
・冗長な行ったり来たり
技術的な不具合のせいでストレスが溜まることもあるし、ペース配分は奇妙だが、この続編ホラーは緊迫感と重みのあるサバイバル・ホラー体験を新鮮かつエキサイティングにまとめ上げている。脳を刺激する子のホラー体験は、斬新さこそないものの、予定調和に感じることは滅多になく、盛り沢山のサプライズを提供してくれる。驚くほど中身の詰まった15時間のキャンペーンを収録するこの続編は、必要に応じて見事に恐怖と緊張感を盛り上げつつ、探索や進行の自由を与えてくれる。調整が難しいバランスだが、『サイコブレイク2』は見事にやってのけており、感動的な結末を迎えた後にも力強く持続する印象を残してくれる。
・最高の不気味な雰囲気
・より焦点の絞られた物語
・幅広い難易度
悪い点:
・相変わらず雑な戦闘
・抽象的な魅力が少し失われている
『サイコブレイク2』は、一年で一番不気味なホリデーにタイミングよく登場した。敷居を下げるためか難易度は大きく下がっているものの、手応えを求める向きには、高難易度が期待に応えてくれるはずだ。このシリーズの看板はやはり不気味な環境であり、ドッキリ演出もそれなりに盛り込まれている。より焦点を絞った物語は次のチャプターが気になる出来だし、豊富なサイド・ミッションがプレーヤーを飽きさせない。一方で、普通のマップやウェイポイント・システム、長めのカットシーンといった、オープンワールド・ゲームのお約束要素を盛り込むことで、前作にはあった抽象的な魅力が多少失われてしまっている。しかし、ホラー・ファンがこのハロウィーンにプレーするのに最高のゲームであることに変わりはない。
・ペースを乱すことなく探索に報いるセミ・オープンワールド環境
・少ないが物語の一部として意味のあるサイド・オブジェクティブ
・大きく改善され、リソース管理に緊張感を加える作成システム
・プレーヤーを弄ぶライティングと恐ろしい映像
悪い点:
・印象に残らない物語
・笑えてイライラするAI
『サイコブレイク2』は、印象に残らない物語と、最高難易度でプレーすると特に深刻な問題になるであろう鬱陶しいAIの不具合が足を引っ張っている。それでも、ホラー・ゲームのお手本のような出来であることに変わりはない。欠点こそあれ、『サイコブレイク2』は練られたホラー・ジェットコースターであり、反撃するパワーをプレーヤーに提供しつつ、理解できない恐怖には銃や装備など歯が立たないこともあると思い知らせてくれる、繊細なバランスを実現している。
グラフィック: 演技は少々鼻に付くものの、キャラクター・モデルは最高で表情に富んでいる。より広大になった環境は、遠景と複雑でディテールに凝った屋内が上手く織り交ぜられている
サウンド: 必要に応じてオーケストラが場面を盛り上げてくれるが、乾いたヘッドショット音や付近の敵の唸り声は特徴的で印象に残る
プレー性: 操作レイアウトには癖があるが、機能する。エイムを強化しない限り、敵に銃弾を命中させるだけでイライラするだろう
エンターテイメント性: 楽しい恐怖を提供してくれるが、元ネタを超えることも逸脱することもない
リプレー性: 控えめ
『サイコブレイク2』は良く出来たホラー・ゲームで、借用したアイデアに依存することもあるとはいえ、ホラーというジャンルの巨人の影から鵺出そうとシリーズを拡張している。進行や難易度曲線はプレーヤーの順応力や戦略性に報いてくれる充実した流れを生み出しているが、見せ場や構造には借用したアイデアを活かしきれておらず、斬新さや面白さが欠如している。楽しいスリルを堪能できる瞬間もあるとはいえ、悪夢にうなされるようなことはまずないだろう。
・無理強いされる戦闘がサバイバルを盛り上げる
・最高の恐怖を演出するぞくぞくするような不気味さ
・良い意味でアホっぽい台詞
悪い点:
・前作のビジュアル・スタイル
・物語を感動的というよりも感傷的に感じる人もいるかも
・最小限の敵のバラエティ
前作を超えてはいないものの、『サイコブレイク2』は手応えのある、緊迫した楽しいホラー・トリップを提供し、前作のファンを喜ばせている。