『ピアノを習うと頭が良くなる』
というのはよく言われる事ですが、
『実際のところどうなの?』と思ってる方も多いかと思います。
脳科学者の本を複数読み、自分の経験と照らし合わせた時、
ピアノはワーキングメモリを鍛えるのに最適って事なんだと自分の中で結論が出たので、今回はその話をしたいと思います。
ワーキングメモリとは
まずはワーキングメモリについて簡単に解説したいと思います。
ワーキングメモリとは『作業記憶』とも呼ばれ、
情報を一時的に保ち、それらを同時に処理する機能のことです。
短期記憶と混同しがちですが、ちょっとニュアンスが違います。
短期記憶は一時的に維持される記憶となり、大体の場合は数秒後から数分後には失われてしまいます。
このワーキングメモリの機能が優れている人は、
学校の勉強で成果が出やすく、
仕事が出来る人になりやすく、
いわゆる『頭が良い人』と言われます。
ピアノを習うとワーキングメモリが鍛えられる
脳科学者の澤口氏は著書の中でワーキングメモリの重要性を繰り返し言っており、
そして習い事をするならピアノが一番良いと言っています。
ピアノの『譜読み』がワーキングメモリを鍛える
なぜピアノがワーキングメモリを鍛えるかと言えば、もうこれは完全に『譜読み』による所が大きいと思います。
楽譜を見ながらピアノを弾く場合、今弾いている部分ではなく、実際は楽譜の少し先を見て弾いています。
しかも楽譜上の指示記号(音符)は最大で指10本分あり、それが次から次に表示されているのです。
この譜読みをしながら弾く動作は、ワーキングメモリをフル活用しており、難しい曲になればなるほどワーキングメモリを鍛えられます。
ピアノは音楽ですので、中には天性の才能などで譜読みが出来なくても『感覚』や『耳コピ』で弾けてしまう人がいるのですが、これはワーキングメモリを鍛える事にはなっていません。
ピアノが上手くて勉強も出来るタイプは、『譜読み』が出来るタイプであると言えます。
ワーキングメモリが足りていなかった
私は小学6年の頃に学校で行われた知能検査でIQ130、
受験勉強期間9カ月で偏差値65の中学に合格しました。
が、小学1年生の頃は、計算速度がビリ。
母親と夏休みに猛特訓して何とか巻き返しました。
上記の記事でも書いていますが、小学1年の時点では
『頭の中に数字をとどめておく事が出来なかった』
『りんごが何個のりんごを思い浮かべておけなかった』
のです。
要はこれってワーキングメモリが足りてない典型的な症状です。
ピアノを習い始めてから学校成績の芽が出始めた
そんな私ですが、学校の成績で芽が出始めたのは小学3年生です。
それまでは『そこそこ』成績が良い方でしたが、小学3年からは『すごく』成績が良い方になりました。
担任との相性が良かったなど、他の要因もいくつか思い浮かぶのですが、
小学2年の後半からピアノを習い始めたというのもひとつ大きな要因だと思っています。
また、中学進学後、引っ越しを機にピアノをやめた後は成績が伸び悩んだ事も付け加えたいと思います。
同じような人がいないか調べたらyahoo知恵袋で見つけました。
私は中2までピアノを10年やっていました。
自分で言うのも変ですが、成績は常にトップでした。
高校からは親の転勤の関係でピアノが置けない家で、全くピアノを辞めてしまいました。
成績も低迷でした。
1浪して大学に入りピアノを再開したところ、衰えていた記憶力が著しく元に戻り、高校時代より明らかに頭の回転が速くなりました。
今になって思えば、高校時代の成績低迷も、ピアノ続けていたら・・・って思います。
出典:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10789180
因果関係なのか相関関係なのか
ピアノがすごく上手くて、勉強の成績も優秀っていう子、割とよくいますよね。
そういう子達を前にした時、誰しも思うのが
- 『ピアノを習うと頭が良くなるのか?』
- 『元の出来が良いから、ピアノも勉強も優秀なのか?』
と言う事。
『因果関係』なのか『相関関係』なのかという議論です。
ネットなどで、因果関係0・相関関係100というスタンスの方々の意見をまとめると
- ピアノを習わせられるような家は習わせられるだけの経済的余裕があり、教育にお金をかけられる=親の収入が良い=遺伝子も良い。よって元々の出来が良い。
- 東大生の半数がピアノを習っていたというデータがあった所で、元の出来が違うんだから凡人がピアノを習わせても無駄
といった物をよく見かけます。
私の見解はと言うと、
相関関係はあります。
が、
因果関係もあります。
はっきりしないか!と言われると申し訳ないのですが
- ワーキングメモリ(同時処理能力)など、才能の上限は個々人決まっている。=相関関係
- ピアノを習う事でワーキングメモリなどを本人の才能の上限の中で伸ばす事が出来る。=因果関係
というのが私の考えです。
ワーキングメモリを鍛える以外の効果
譜読みでワーキングメモリを鍛えるのであれば
『練習用ピアノはアコースティックピアノ(生ピアノ)じゃなくて電子ピアノでも良いんじゃないの?』
と結論付けようかと思ったのですが、ピアノをする事での脳への効果はワーキングメモリだけではないようなのです。
何がどう反応しているのか、脳科学者達やピアノの先生などの意見を羅列したいと思います。
初見演奏と絶対音感の訓練でIQが永続的に10ポイント上がる
天才の思考法や最新の学習手法を紹介しているこちらの書の中で
初見で楽譜を読む訓練や絶対音感がつく訓練によって、 IQが永続的に10ポイント上げられる。
とあります。
初見演奏の訓練は分かります。
譜読みの真の実力が試されますし、ピアノ練習の中で初見演奏が一番難しい、と個人的には思っています。
が、疑問に思ったのが絶対音感です。
絶対音感の訓練でなんでIQが上昇するんだろう・・・?
その答えのヒントは自分が過去に書いた記事の中で見つけました。(読み返すまで忘れてました!)
音の脳の領域と、言語の脳の領域が、非常に近いところにある事実。
以前書いたこちらの記事
この記事の中で
音をつかさどる脳の領域と、言語をつかさどる脳の領域は、非常に近いところにある、というより、ほぼ重なっている。
楽器を演奏することで、言葉の領域にもよい刺激がいくと考えられる。
と自分でも書いていました。
元の文章はこちらの本から引用しています。
音感訓練をする事によって、脳の別の部分にも刺激がいく、という事があるのであれば、絶対音感の訓練によってIQが永続的にあがる事にも合点がいきます。
トップ校に行った子は1人を除いて幼少からアコースティックピアノ
ピアノレッスンに脳科学を取り入れたピアノ教室の先生のHPを見た所、お教室の生徒さんの学業や進学実績が良いんだそう。
こちらの先生のコラムが参考になります。
当教室の進学実績、非常に驚かれますが、 ある時に、ある事に気づきました。
それは、お一人を除いて全員が 幼い頃からアコースティックピアノに触れ、本物のピアノで育っていたという事実。
これは、単なる偶然でしょうか?
それとも必然でしょうか?
電子ピアノでも、これらの五感のうち視覚だけは鍛えられます!
音符や記号を読み取り単に指を動かすということだけは電子ピアノでも出来ますから。
ですので、生ピアノでなく電子ピアノであっても、なにもしないよりかは 頭が良くなる要素の五分の一ぐらいは効果はあるのではないでしょうか?
だそうです。
『音』も重要な要素
- 絶対音感
- 脳の領域
- アコースティックピアノ生徒の進学実績
この3つの話から、どうやら『音質・音感』も重要な要素と言えそうです。
まとめ
冒頭で、ピアノを習うとワーキングメモリが鍛えるのに最適だ!と結論付けてしまいましたが(; ・`д・´)
結論を付け足したいと思います。
- ピアノはワーキングメモリを鍛えるのに最適。
- 更に練習ピアノが、アコースティックピアノならプラスアルファの効果が期待できる!
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マシュマロテストもワーキングメモリのテストのひとつ。
脳科学者の瀧 靖之氏の本の内容をまとめた記事。