いよいよ22日が投開票日である。先週の本コラムで、10/5発売の週刊文春の「自民74減 希望101 全選挙区289完全予測」(http://shukan.bunshun.jp/articles/-/8660)との予測があまりに酷いと思ったので、自公で300人近くになるだろうとの筆者の予測を掲載した。
その後、11~13日にかけて、新聞各紙の予測が出そろった。
これらは、概ね、筆者の予想と大差ない。なお、週刊誌では、週刊現代が「自民が54議席減 希望80 立憲民主40」という見出し(https://www.fujisan.co.jp/product/1120/new/)になっており、新聞各紙や筆者の予測とは真逆のものとなっている。
各紙の予測とともに、筆者の予測を先週末のデータからさらに改訂してみると、下表の通りになる。
なお、筆者が主催する「高橋政治経済科学塾」でも詳しい解説を行っているので、よろしければ参考にしていただきたい(https://twitter.com/infoTPS)。
やはり、自公の堅調はそのままであり、希望の勢いがさらに落ちている。これは、各調査における比例先獲得議席率予測でもわかる(下図)。
これからみると、希望のピークは、先月末だったということだ。ちょうど、小池氏の「排除」発言の前後を境に変わった。筆者のツイッターでも、この「排除」発言で、リベラル勢力が「覚醒」して、希望の党が大コケする可能性を書いた(https://twitter.com/YoichiTakahashi/status/914296892812439552)。
正直にいえば、筆者は、小池氏が「寛容な保守」といった時には、政策の違いを無視してすべての勢力を丸呑みするつもりなのかと思った。小池氏はプロの政治家であり、数こそ力のすべてであることを熟知している。政策のすりあわせより、数を増やすことが第一と考えるのは、政治での鉄則である。
もちろんこれには「野合だ」という批判が伴うが、実際に数を獲ればそうした批判は当面の間たいしたことでない。そのうちに、政策のすりあわせを行ったり、一点豪華主義によって政策の違いを糊塗することは、不謹慎な話であるが、現実問題としてそう難しくない。小池氏はそうしたことに長けているので、これは大変な勢いになるだろうなと思った。
ところが、すぐに小池氏が「寛容な保守」という理念とは相反する「排除」を言い出したのは、筆者には不思議だった。もちろん、政治評論家の立場であれば、野合は批判されるので、排除するのは当然という話になるが、プロの政治家からすれば、数を放棄することになり、最善手ではない。