たぱぞうの米国株投資

米国株投資で人生の選択肢を増やすという提案です。某投資顧問のアドバイザーをしています。

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アメリカンステイツウォーター【AWR 】は連続増配60年超の水道事業者

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アメリカンステイツウォーター【AWR 】は水道事業中心の企業

 アメリカンステイツウォーター(American States Water)という、地味に60年超連続増配している企業があります。事業内容は公益で水道事業を中心に電気関係も扱っています。主な事業内容はカリフォルニア州と米軍関係の水道事業ということになります。

 

 S&P600に含まれる企業であり、大企業というわけではありません。顧客数は水道事業でおよそ26万、電気事業で2万5千です。

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 さて、今回はこのアメリカンステイツウォーター【AWR】に関してご質問をいただいています。

アメリカンステイツウォーター【AWR】の魅力は連続増配

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1通目

たぱぞう様
 お世話になります、チョコと申します。

 

 先日は1557の件で大変ご丁寧な回答をいただき、まことにありがとうございました。
とても参考になりました。

 

 大変恐縮ではございますが、【AWR】 American States Water について、たぱぞう様の見解をいただけないでしょうか?

 

 AWRは米国株において62年増配、増配歴No.1の記録を保持しております。また、配当利回りも2%と悪くなく、事業内容も水道というインフラで寡占事業を展開しており、大変魅力的な銘柄だと個人的には捉えております。


 しかしながら、米国株に投資をしている方々のポートフォリオには、私が調べた限り本銘柄を保有する方は見受けられません。このことから、何かAWRが魅力に欠ける要素があるのではないかと、少々不安視もしております。

 

 お手数ではございますが、ご意見いただけますと幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 2通目

たぱぞう様。
 いつも大変お世話になっております。

 先日、ご相談させていただきましたAWRの件ですが、Grow Richブログ運営のHiro様とお話ししている中で、理解したことがございました。

 

1.なぜ米国株投資家の所有者が少ないか?


 それは「公益事業セクターは債券に近い性質があるから」という理由が強いのだと思います。また、Hiro様によると「20世紀後半の公益事業セクターのリターンは年率9.5%でS&P500平均の10.9%を1%以上アンダーパフォームしている」とのことで、公益事業セクターは好んで投資する先には捉えられていないのではないかと。


 であれば、消費財等の銘柄であるほうがリターンを多く見込めるとのことから、ポートフォリオには公益事業セクターは組み込まれることが少ないのだ、と理解しました。

 

2.AWRの場合


 AWRは水道・電気を営む、まさしく公益事業を代表する銘柄です。ただし、AWRは米国株における増配率62年でブッチギリのNo.1。株価も堅調過ぎて、過去最高値を更新し続けています。

 

 増配を断念する一般企業も多い中、堅実な公益事業で且つ株主還元も積極的、株価もうなぎのぼり。時間を味方に出来る長期投資家にとってみれば、安定したインカム且つ株価上昇も見込めるので、まさに米国株投資家こそ買っておくべき銘柄なのではないか?とも考えてしまいました。

 

 最終的には自己判断にはなりますが、AWRは米国株で最も魅力ある銘柄な気がしました。ご報告までで大変恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

アメリカンステイツウォーター【AWR】の配当と配当性向

 今回は一風変わって、ご質問をベースにした個別株紹介です。公益株はキャピタルゲインがあまり見込めない代わりに、インカムゲインがしっかりしている株が多いです。ただ、AWRの場合は、値上がり益もそれなりにあり、手堅い印象です。

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 配当性向は50%を超えない基準でコントロールされており、持続可能な配当であることを窺わせます。増配率は公益にしてはまずまずというところでしょう。

アメリカンステイツウォーター【AWR】の売り上げと利益

 AWRの売り上げと利益です。水道事業という公益性の高い業務内容であり、また設備投資もそれなりにかかりますが、意外に高い営業利益率を示しています。

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 売り上げは2013年をピークとして漸減しています。ただし、純利益は地味ながらもこの10年で2倍になっており、事業の効率化が進められていることを示しています。

アメリカンステイツウォーター【AWR】の株価

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 2012年までは17ドル、18ドル近辺の株でした。それが2012年中ごろから上昇を始め、2017年には50ドルに達しています。値動きの乏しい傾向にある公益株にあっては珍しいほどの伸び率となっています。

 

 そのため、配当は2%を切っています。また、株価の上昇ほどに売り上げを中心とした業績は上昇していないことに注意が必要です。むしろ株価が上昇する前のほうが売り上げが伸びており、いささか皮肉な結果になっています。

 

 しかし、インカムゲインを中心とした投資家にとっては事業の安定性も含めて魅力ある株であることは間違いないでしょう。

 

 チョコさん、ご質問ありがとうございました。

 

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  米国株投資において、セクター投資という考えを持っておくと分かりやすいです。多様化する経済活動にあっては以前ほど絶対的な見方ではなくなっていますが、依然として使える考え方であることには違いありません。

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 公益株、電力セクターでトップレベルの高配当を誇るサザンカンパニーです。東芝と原子力発電建設の契約を結んでおり、工事の進捗のみならず、原発事業の継続も含めて注目が集まっています。

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  公益株、送電中心のナショナルグリッドです。イギリスの電力公社をルーツに持ちますが、発電は米国内でわずかに行っている程度です。高配当で、配当利回りが4%を切ることはめったにありません。

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