先日えとみほ氏のツイートを引用した発言から、様々な言及をいただいた。残念なことに、つぶやきを間違って解釈している人が多かったように思う。
ツイッターでは主張を正確に伝えることは難しい。従って、記事にしてまとめることにした。
この記事では
▶ 例のツイートを引用した経緯
▶ 間違って解釈された「デザインは意味がない」「物を売るのにデザインは重要だ」
について説明するとともに
▶ キナリノが儲かっている本当の理由
についても詳しく述べていきたいと思う。
目次
例のツイートを引用した経緯
引用元のツイートは下記のようなものである。
「アフィサイトに足りないのはデザインの力」
こういった発言を引用し反論したくなるのは、大してわかってもいない外の業界の人がアフィリエイトやアフィリエイターを良く語るからである。元々アフィリエイターは他の業界からよく思われていない。
特に、キュレーションサイト関係者はアフィリエイターをバカにしていたり、敵対視している人が多い。村田マリ氏のアフィリエイターをバカにするような発言だったり、メリーの元SEO担当者の発言がそうである。
「ノーフォローを付けたのはアフィリエイターに荒らされたから」
アフィリエイトサイトのコンテンツが面白くないとでも言いたいような「面白くないコンテンツつくるのが嫌でアフィリエイトやめた」発言もある。
また、プロブロガーの永江氏も下記のような記事を書いて、「アフィリエイターと名乗るのはやめろ」と慣習にケチを付けて来た。
こういった経緯がある。
元の発言をした「えみとほ氏」も外の業界の人だろう。こういう人から「アフィサイトに足りないのはデザインの力」と明らかに業界をわかっていない発言をされると、他のアフィリエイターに言われるよりも、ツッコミたくなるのである。
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間違って解釈された「デザインは意味がない」「物を売るのにデザインは重要だ」
自分は「アフィリエイトサイトにデザインの点でコストをかけるのは費用対効果が悪い。」と一貫して主張している。デザインとコンテンツにしても、要は優先順位、コスパの問題である。
ただ、発言から「デザインは意味がない」と解釈されたり、「物を売るのにデザインは重要だ」といった反応をいただいた。従って、この点について説明したいと思う。
デザインは意味がない?
まず、デザインを意味がないとは言ってないし、思っていない。ツイッターでも発言したように、個人であればテンプレート、つまり、「型」を買ったり取り入れるだけで十分と述べただけである。WordPressで言うところのテーマである。デザイナーに制作を依頼したり、お金を出してもらう必要性はコスパの面では低いという話である。
下記ツイートでも言っているように、ナビゲーション(誘導)の点でデザインが役立つことは多々ある。
特にトップページのデザインだったり、個別記事でも内外部リンクへの誘導ではアフィリエイトにおける成約率の他に、SEO(集客)的にも重要である。ナビゲーションのためのデザインが役立つことは否定していない。
ただ、こうしたナビゲーションの実装もそこまでコストはかからない。テンプレートで購入することで7、8割は満足のいくものにすることが可能だ。
デザインにも様々な定義はあるが、広義の意味でもデザインは型を取り入れるだけで十分であり、時間的、金銭的なコストをかける必要性はそこまで高くないと個人的には思う。
コンテンツは0から1、1から10、10から100にする原動力だ。デザインでこれを実現するのはまず不可能である。デザインは68から70といった、細かな収益改善で使われることが多い。
もちろん、全ての環境ではこの事は当てはまらない。あくまでも稼ぐという明確な目的を持って進んでいるブロガー、アフィリエイター個人にとってはコストパフォーマンスの点で優先順位が低いという話である。
組織で運営していたり、サイトのブランディングを進めている大手サイトならデザインも無視出来ないだろう。事業を大きくすれば運営サイトで会社のイメージも決まる。求人を含む対外的に印象を良くしたいならオリジナリティがあり、洗練されたデザインでなくてはならず、常勤のデザイナーを雇用するのは当然とも言える。
飲食店など、実店舗のウェブサイトもそうだ。こうしたアフィリエイトサイト以外では、デザインの重要性が高くなることはいくらでもある。
物を売るのにデザインは重要
会社やお店のイメージを作る以外にも、物を売る際にデザインが重要なのはその通りだと思っている。勘違いしている人もいるが、この点は全く否定していない。
商品やサービスのコンセプトを伝えたり、アーティストの世界観を目に見える表現する手段として、商品やサービスのサイトにおけるデザインは極めて重要だ。
しかし、アフィリエイトサイトはあくまで商品やサービス売る「橋渡し役」に過ぎない。コンテンツ以上に大事なものはなく、それ以上にデザインにコストを掛ける必要性はそこまで高くないだろう。
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「キナリノ」が儲かっている理由
商品やサービスなら、インフルエンサーが(アフィリエイトサイトを通さずに)直接紹介するのも効果的である。
しかし、アフィリエイトサイトがインフルエンサーにお金を出して露出を高めてもコストパフォーマンスは良くない。確かに、「バーグ砲」と呼ばれるように、はてなブックマークなどでバズらせるコンテンツを受注してるアフィリエイターはいるが、これも直接的に商品を売るのが目的ではない。将来的に検索エンジンから流入してくる人に向けて外部評価を高めているだけである。
えとみほ氏は最初のツイートで「キナリノ」という価格コムが運営しているキュレーションサイトを例にあげ、「アフィサイトに足りないのはデザインの力。」と断言した。しかし、キナリノのデザインはキュレーションサイトの典型的なテンプレで、洗練されたオシャレとは程遠いものである。
キナリノが儲かっているのは、デザインが理由ではない。明らかに圧倒的なコンテンツ量がもたらしている圧倒的なトラフィックである。外部からトラフィック量を予想する限り、キナリノについて月1億PVはあってもおかしくはない。
キュレーションサイトはコンテンツを増やすという点において最もコストパフォーマンスが良いサイト形態である。キュレーションサイトのコンテンツで多くを占める画像や文章にオリジナリティはなく、外部から引っ張ってきたものだ。特集ページなどでファンにアピールし、オリジナリティを出すことで、こうした点を薄めてはいる。しかし、個性のない大量のコンテンツに収益の殆どを依存している点は隠す事ができない。こうした1つのコンテンツ作成にかけるコストは平均すると、ブロガーよりも圧倒的に少ないだろう。
キュレーションサイトを例にあげ、アフィリエイトサイトに本当に役に立つアドバイスをするなら「アフィサイトに足りないのはデザインの力。」は全くと言って良いほど説得力がない。アフィサイトに足りないのはコンテンツやデザインの「リライト(パクリ)力」とアドバイスすべきだった。
ただ、こうした考えは広まりつつある。悪名高いアフィリエイター以上にキュレーションサイトのイメージが悪くなっているのは気づいた方が良いだろう。
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