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拉致被害者帰国15年 蓮池薫さん「もう時間がない」
北朝鮮情勢が緊迫化していることについては「キム・ジョンウン(金正恩)委員長は今、核とミサイル、アメリカとの関係のことで頭がいっぱいで、日朝関係や拉致問題にほとんど関心がないはずだ。しかし今後、追い込まれてくれば、突破口を開こうと対話に乗り出す可能性がある」と分析しました。
そのうえで、「来年ごろから動きが始まるのではないか。政府は、その時に拉致問題を一挙に解決する交渉ができるよう、今、北朝鮮への見返りの準備や、生存者の情報の入手に全力を挙げるべきだ」と指摘しました。
また、交渉にあたっては「『被害者は死亡した』という北朝鮮の説明を精査し覆している時間はない。政府が『生存している』と判断しているなら、その点で妥協はせず、北朝鮮が望んでいることも聞いて、交渉の段階を上げないといつまでも同じことの繰り返しになる」と強調しました。
そして、帰国を待つ家族が高齢化していることに触れ、「もう時間がない。家族が一緒に、今までの傷痕を癒やしながら奪われてきたものを取り戻すには、1日や2日の再会では話にならない。5年、10年という歳月が必要だ。その意味でも切迫した状況にあり、政府は言葉だけを繕うのではなく、心臓で受け止めてもらいたい」と求めました。
北朝鮮に拉致された海岸で
蓮池さんは帰国後、大学に復学して法律などを学び、現在は地元の新潟産業大学で准教授をしています。先月、60歳の還暦を迎えました。
また、妻の祐木子さん(61)は、柏崎市の非常勤職員として保育園で調理補助の仕事をしています。
柏崎市によりますと、両親から遅れること1年7か月後の平成16年に帰国した長女の重代さん(35)は大学院に進学。
長男の克也さん(32)は、大学を出て就職し、いずれも自立の道を歩んでいるということです。
帰国から15年を前に、当時、拉致された柏崎市の海岸を訪れた蓮池さん。
遠く海の向こう、北朝鮮に残された被害者のことが、今も頭から離れることはないと言います。
「まだ帰って来ていない人たちも、その帰りを待つ家族の皆さんも、北朝鮮と日本どっちの海にしろ、つらい思いでしか見ることができない。せっかくのきれいな海を、楽しい思いで見ることができる日が来てほしい」。
取材の最後に蓮池さんが語った言葉です。
拉致被害者帰国15年 蓮池薫さん「もう時間がない」
北朝鮮に拉致された被害者のうち5人が帰国して、15日で15年がたちました。その1人、蓮池薫さんがNHKのインタビューに応じ、「もう時間がない」として、残された被害者の早期帰国への思いを語りました。
この中で蓮池さんは、15年がたったことについて「これをやろうあれをやろうと、自分で考えて努力するという新たな人生を踏み出すことができた。非常に有意義な15年だった。その一方で、拉致問題に進展はなく、残された被害者の家族のつらい気持ちはさらに強まっている。15年にはこの2つの側面がある」と話しました。
北朝鮮情勢が緊迫化していることについては「キム・ジョンウン(金正恩)委員長は今、核とミサイル、アメリカとの関係のことで頭がいっぱいで、日朝関係や拉致問題にほとんど関心がないはずだ。しかし今後、追い込まれてくれば、突破口を開こうと対話に乗り出す可能性がある」と分析しました。
そのうえで、「来年ごろから動きが始まるのではないか。政府は、その時に拉致問題を一挙に解決する交渉ができるよう、今、北朝鮮への見返りの準備や、生存者の情報の入手に全力を挙げるべきだ」と指摘しました。
また、交渉にあたっては「『被害者は死亡した』という北朝鮮の説明を精査し覆している時間はない。政府が『生存している』と判断しているなら、その点で妥協はせず、北朝鮮が望んでいることも聞いて、交渉の段階を上げないといつまでも同じことの繰り返しになる」と強調しました。
そして、帰国を待つ家族が高齢化していることに触れ、「もう時間がない。家族が一緒に、今までの傷痕を癒やしながら奪われてきたものを取り戻すには、1日や2日の再会では話にならない。5年、10年という歳月が必要だ。その意味でも切迫した状況にあり、政府は言葉だけを繕うのではなく、心臓で受け止めてもらいたい」と求めました。
北朝鮮に拉致された海岸で
蓮池さんは帰国後、大学に復学して法律などを学び、現在は地元の新潟産業大学で准教授をしています。先月、60歳の還暦を迎えました。
また、妻の祐木子さん(61)は、柏崎市の非常勤職員として保育園で調理補助の仕事をしています。
柏崎市によりますと、両親から遅れること1年7か月後の平成16年に帰国した長女の重代さん(35)は大学院に進学。
長男の克也さん(32)は、大学を出て就職し、いずれも自立の道を歩んでいるということです。
帰国から15年を前に、当時、拉致された柏崎市の海岸を訪れた蓮池さん。
遠く海の向こう、北朝鮮に残された被害者のことが、今も頭から離れることはないと言います。
「まだ帰って来ていない人たちも、その帰りを待つ家族の皆さんも、北朝鮮と日本どっちの海にしろ、つらい思いでしか見ることができない。せっかくのきれいな海を、楽しい思いで見ることができる日が来てほしい」。
取材の最後に蓮池さんが語った言葉です。