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【社会】

9条俳句掲載拒否は違法 表現の自由侵害は認めず さいたま地裁判決

9条俳句掲載拒否訴訟の判決を受け、自身が詠んだ俳句を手に記者会見する原告女性=13日午後、さいたま市浦和区で

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 「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」と詠んだ俳句を、さいたま市の三橋公民館が月報への掲載を拒否したのは表現の自由の侵害だなどとして、作者の女性(77)が市を相手に俳句の掲載と慰謝料二百万円を求めた訴訟の判決で、さいたま地裁は十三日、「思想や信条を理由にした不公正な取り扱いで、女性の利益を侵害した」などとして、市に五万円の賠償を命じた。月報への掲載請求は棄却した。 

 大野和明裁判長は判決理由で、公民館職員らが掲載を巡り十分に検討しないまま、女性が集団的自衛権の行使容認に反対する思想、信条があると認識して拒否したと指摘した。

 公民館の月報に、女性の所属する俳句会が選出した句が三年八カ月にわたり掲載されてきたことから「女性の俳句も掲載されるという期待は、法的保護に値する人格的利益であり、不公正な取り扱いで掲載しなかったことは違法だ」と述べた。

 原告側が主張した表現の自由の侵害については「月報での表現を制限されたにすぎず、同人誌やインターネットなどによる表現が制限されたわけではない」として退けた。

<清水勇人市長のコメント> 市の主張がおおむね認められたが、一部認めていただけない部分もあった。今後は判決内容を精査し、適切に対処する。

 ◇ 

 「九条俳句」の掲載拒否問題については二〇一四年八月、本紙紙面で行われた俳人の金子兜太さん(98)と作家のいとうせいこうさん(56)の対談で取り上げられ、本紙の「平和の俳句」が一五年から始まるきっかけとなった。二人は当初から選者を務めた(金子さんは今年八月末に退任)。

 

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