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【社会】

被爆者からバトン受け継ぐ ノーベル平和賞 ICANの川崎哲さんに聞く

核兵器廃絶国際キャンペーンの活動について語る川崎哲さん=東京都新宿区で(隈崎稔樹撮影)

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 ノーベル平和賞受賞が決まった国際非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN(アイキャン))」国際運営委員の川崎哲さん(48)が本紙の単独インタビューに応じた。七月に国連で採択された核兵器禁止条約の発効に向け、「今後も広島、長崎の被爆者の体験を世界につなげる活動を続けるだけでなく、被爆者からのバトンを受け継ぎたい」と話し、核被害の実相を伝え続ける決意を示した。 (聞き手・川上義則)

 川崎さんが共同代表の国際NGO「ピースボート」(東京都新宿区)は二〇〇八年の創立二十五周年を機に、日本のNGOとして世界に貢献しようと被爆者と世界を回り、核兵器のもたらす悲惨さを伝えている。「一〇年に被爆者とシドニーを訪れた時、ICANの創始者から参加を勧められ、当初は副代表に就いた」と振り返る。

 ピースボートは各国の外交官らが被爆者の体験談に触れられるように、各地でイベントを企画。条約制定過程で各国政府や国連、NGO関係者らが被爆者の体験談を聞いて心を動かされたという。「外国の人は原爆の被害を知らない。被爆者の話は核兵器が非人道的な兵器であることを人々が認識する土台になった」と位置づけた。

 条約の成り立ちに大きな役割を果たし、条約の前文には「ヒバクシャ」という言葉が用いられた。「なぜ被爆者ではなく、ICANが平和賞を受賞するのかと思う人もいる。だが、ICANの中心メンバーは三十歳代。恐らく、ノーベル委員会は(ICANを)被爆者が次にバトンを託す集団とみているのではないか」と指摘した。

<かわさき・あきら> 1968年、東京都生まれ。93年に東京大学法学部卒業後、平和活動を進めるNPO法人ピースデポ事務局長などを経て、2003年からピースボート共同代表。10年から核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の運営に携わる。

<核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)> 2007年にオーストラリアで設立された国際NGO。日本のピースボートなど101カ国に468のパートナー団体を持つ。スイスのジュネーブに事務所を置く。各国政府と協力し、核兵器禁止条約の実現を求める広報キャンペーンを展開する。

 

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