うことで、校長、学校のほうに出向して、校長先生を務めていきます。
その学校の生徒たちと先生方とどう向き合っていくのか、大人のための学園ドラマなんていわれてますけれども、ぜひご覧いただきたいと思います。
このあとすぐ始まります。
副校長兼事務長の柏木文夫でございます。
(鳴海涼介)柏木さん。
はい。
(柏木)あ…。
以前は信用金庫に勤めておりましてこちらの学校に…。
信用金庫ですか。
副校長兼任といいましても実質事務長。
裏方ですハハハハ…!柏木さんが私のパートナーということですね。
よろしくお願いします。
あっ…!こちらこそよろしくお願いします!及川です。
(柏木)及川先生には数学の授業を担当していただいておりまして。
2年1組の担任でいらっしゃいます。
及川さんは…。
(及川)はい。
え?は?え?
(柏木)いや…。
学校では及川「先生」と!あぁ…失礼いたしました。
及川先生はこの学校について何か思うところはおありですか?「思うところ」とは?ここは改善したほうがいいとか。
いえ特には。
ない?
(島津)はじめまして。
英語の島津智一先生です。
2年2組の担任です。
島津さんは…じゃなくて島津「先生」は…。
そうそう!この学校のどういう点を変えるべきだと思われますか?ど…どういう点?例えば…無駄だと思うところとか。
無駄…?矢部日菜子です。
音楽を担当している矢部日菜子先生。
1年1組の担任をされています。
音楽にはバイオリンの授業もあるんですね。
はい!音楽室に40台!毎年メンテナンスに結構かかってますが…。
え?お金です。
そりゃ弦が切れたりして買い替えなきゃいけないとか。
あっ…あぁ…。
何でバイオリンなんですか?リコーダーとかにすれば?リコーダーって…。
(柏木)縦笛ですか!?いやいや…!バイオリンは女子校時代からの伝統ですから!矢部先生に聞いてるんです。
私…。
まだ1年目なんで何にも分かんないんですぅ…。
ウフフ…。
はんずめますて!KMスステムサービスの鳴海と申すます!
(長谷川)はぁ?フフ…!すいません下手くそな津軽弁で。
いやいやすったら若ぇのに支店長さんですか!いやぁ荷が重いです。
どうぞどうぞ。
失礼します。
いやいやいや…。
樫松物産さんが親会社なんですか!うちは母体が総合商社です。
(沖)どうぞ。
グローバル対応のITシステムを導入したオフィス設備やインターネット環境を安価に提供できますさらには!原材料の確保や流通面でのサポートも。
(長谷川)あぁ…。
よいしょ!あぁ…。
これはどこに?ここさ置いてけろ!分っかりました!
(長谷川)すいませんねぇこったらことまで手伝ってもらって!
(沖)すいませんこれは…?そこの上さ!私達はお客様のためなら何でもお手伝いさせていただきます。
御社のような会社を応援させていただくのが仕事ですから。
いやいや押すが強えぇなぁ支店長さんは!え?社長様のような方とお付き合いさせていただいて勉強勉強の毎日ですよ。
津軽弁も!よっ!
(長谷川)フフフ…。
よっ…!いやホント勉強になります支店長の営業は。
コミュニケーション能力だよ営業は。
とにかく相手の懐に飛び込む。
いやでも…支店長見た目の好感度高いからなぁ。
絶対得してますもん!逆だよ逆!さっきの社長だって最初は「何だこの若造は」みたいな顔してたじゃないかよ!
(振動音)そっから始まって信頼得るのは大変…。
はい酒井さんお疲れさまです。
(酒井)支店長!島平工業契約取れました!さすがベテラン!酒井さんじゃなきゃできない仕事ですよ!何も何も!ありがとうございます!ありがとうございます!よっしゃ…!よ〜し…!よし!
(柳沢)・頑張ったなぁ鳴海君・
(柳沢)弘前支店は今年度決算黒字確実だそうじゃないか。
ありがとうございます次長。
最年少の支店長が赤字の弘前を2年で立て直したかぁ。
君を出向させて正解だったって八木専務も満足されてたよ。
八木専務も?明日弘前に戻ったら支店長代理に仕事引き継いですぐ東京に戻っておいで。
えっ…!もう本社戻れるんですか?
(柏木)物理の郷原達輝先生です。
3年2組の担任をしてらっしゃいます。
郷原先生…。
八木専務が社長レースから脱落した。
脱落?シンガポールから撤退する責任を取らされたんだ。
あれ専務が進めたプロジェクトだったろ。
だから俺達も主流から外される。
あの人にかわいがってもらってた連中はことごとく飛ばされるんだよ!私は経理部の課長代理だってさ。
次長から課長代理だぞ?
(郷原)お話というのは?授業に使うお金が少し高過ぎると思うんです。
高過ぎる…?実験道具の買い増しとか!教育に金をケチるんですか?事務長。
いや…!節約です。
私はどうなるんですか?うちのグループに教育事業部門があることは知ってるよな?はぁ…。
(柳沢)京明館高校だよ。
京明館…。
創立は昭和36年もともとは女子校だったが10年前にうちの傘下に入って共学になった。
鳴海君は京明館高校に出向することになったよ。
肩書は…校長だ。
え?
(文恵)杉山と申します。
(柏木)杉山文恵先生は古文の担当。
担任は3年3組。
言葉には気を付けてくださいこの先生は!え?何ですか?事務長。
(柏木)何でもございません。
経費節減の意識はおありなんですか?先生方は。
だから…!「経費節減」?例えば裏紙を無駄にしないとか。
裏紙って?何かを印刷したプリントの裏は真っ白ですよね?えっ!?それをテスト用紙に使うんですか!?ハハハ…!テストはダメでしょう!テストじゃなくても!じゃあ保護者への連絡プリントに?フッ…冗談はおやめになってください!ハッ!どうして私が学校に…!京明館は毎年赤字で…今や完全に不採算部門なんだよ。
グローバル人材の育成とかいう立派な理念を掲げて教育事業に手ぇ出したわけだがやっぱりグループ内では異業種過ぎて現場の認識が追い付いて来なかったんだろう。
現場の…?今までの校長は全員教員からの持ち上がりだったから経営に疎かったんだ。
その代わり学校のレベルが高いかっていうと…。
10年かけてもこんなもんだよ。
(河原崎)おぉ…フカフカ〜。
ハハ…河原崎です。
3年1組担任河原崎孝太郎先生。
生物を教えていらっしゃいます。
あの…おいくつなんすか?鳴海校長は。
35ですが。
35!?マジか…!私がこの学校の経営を立て直すということですか?そういうことだ。
弘前支店立て直したから?うん…。
いやビジネスの現場と学校いくら何でも違うんじゃ…。
鳴海君は柔軟だし。
若手からベテランまでうまく使いこなせる。
会社は君の能力を認めてんだよ。
左遷されて校長ならラッキーじゃないか。
ラッキー?1年3組担任の市村薫先生です。
市村先生。
(薫)はい。
この学校の経営状態が思わしくないのはご存じですよね?
(薫)はぁ…。
赤字を黒字に変えるにはまずは無駄な支出を減らすことですそういう意識はお持ちですか?あぁお給料下がるんですか?困るっ!
(真柴ちひろ)真柴です。
社会科現代社会の授業を受け持っておられる真柴ちひろ先生です。
2年3組の担任です。
2年3組…。
特進クラス?
(柏木)特別進学クラスです。
優秀な生徒もいることになってんなぁ…。
どういう意味ですか?でも平均偏差値は44。
誰がどう見てもいい学校とは言えないですよね。
いい学校?その定義がよく分かりませんが。
真柴先生鳴海校長は少々お疲れで…。
どうして皆さんには問題意識がないんです?京明館高校は赤字なんですよ?経費節減とか企業の人間なら普通考えられることをなぜやらないんです?校長!いきなりそんなこと言われても。
そういうことは事務長と相談なさってください。
失礼します。
(柏木)お疲れさまでした。
ちょっと気の強い先生で。
ハハハハ…!真面目なんですよ真柴先生は!真面目なのに危機感ゼロ。
いやいや学校の先生ですから皆さん!先生だから…。
しかしさすがビジネスの最前線からいらっしゃった方ですね鳴海校長は。
最初は随分お若い方だと驚きましたけどやっぱりしっかりしてらっしゃる!ところでいかがですか?校長の椅子の座り心地は?いかがですかと言われても…。
35歳!?
(河原崎)…って言ってましたよ。
俺らの1個下じゃんマジかよ。
樫松物産の本社営業部にいて弘前支店に行って今回京明館高校に配属されましたそんなのが校長?あり得ませんよね〜。
1個下のくせに…!
(河原崎)おっ?矢部先生!スカートかわいいじゃない!あっありがとうございます〜!始業式にそんなぶりっこみたいな格好しない!すいません!ですよね〜。
今どき「ぶりっこ」って…。
でも…ホントなのかな?うちの経営が厳しいって。
(文恵)そんなの私達の考えることじゃないわ郷原ちゃん。
いざとなったら樫松物産が助けてくれんじゃないの〜?あの校長何言ってんだかワケ分かんない。
私にもいきなりお金の話だよ。
要するにサラリーマンなわけでしょ?うわ…。
教育経験がゼロの人が校長なんて先が思いやられる。
まぁ政治経験ゼロの人がアメリカの大統領になっちゃう時代だからね。
・おはよう!・・イェ〜イ!・
(生徒達の騒ぎ声)・えっヤバ!何それ!・・お前これネットに流したらマジ終わるぞ?・おはよう。
・は〜い!・・おはようございます!・おはよう。
・おはようございます!・おはよう。
(生徒達の騒ぎ声)みんな座って〜!早く座る〜!
(由衣)亜美これ髪染めたでしょ。
(亜美)だから地毛!
(朱里)眠〜い!
(愛)先生〜森君がタトゥーしてま〜す。
(森)は?してねえよ!はい静かに座って!・座れってお前らもう〜!・・おはよう〜・
(チャイム)え〜…13時から後期の始業式が始まりますのでこれから皆さん体育館に移動してください。
新しい校長先生がお話されますからみんなちゃ〜んと聞いてね。
(生徒達)は〜い。
(大和田)前の校長先生は何で辞めちゃったんですか?大和田君スマホ。
・スマホしまえよ!・
(美咲)いきなりだもんね。
(門倉)死んじゃったとか!?
(明日香)ウソぉ。
何てこと言うの〜!
(三鷹)メンタルやられちゃったらしいぜ。
(ほのか)メンタル?
(菜月)何?メンタルって。
そんなのいいからはい!移動!
(加瀬)前の校長の名前覚えてないんだけど!はい移動してくださ〜い!
(生徒達の騒ぎ声)森君寝ない!
(郷原)おい自分の席に着け!
(生徒達の騒ぎ声)加藤!
(生徒達の騒ぎ声)
(生徒達の騒ぎ声)戸沢!青柳!着けよ!
(生徒達の騒ぎ声)
(生徒達の騒ぎ声)・え?・・え…?・
(森)ハハハ!あれが新しい校長?ウソ〜!あんな若い校長いねえよ。
(明日香)てかカッコ良くない?
(生徒達のざわめき)おい静かにしろ〜!
(生徒達の笑い)おいケータイの電源を切れ!何…!
(薫)食い付いてる食い付いてる。
そりゃ驚いちゃうよ生徒だって見た目だけはいいんだから。
あれ?ちひろちゃん好み?違〜う。
(生徒達のざわめき)え〜はい…え〜みんな静かに。
それではこれから後期の始業式を始めたいと思います。
まずはこのたび京明館高校に赴任されました鳴海涼介校長先生から訓話をいただきます。
どうぞ校長!はい。
(生徒達の歓声)やっぱり。
マジか。
(生徒達のざわめき)なぁ静かにしろよ!
(生徒達のざわめき)
(生徒達のざわめき)
(せき払い)あ…。
え〜京明館高校の皆さん新しく校長になりました鳴海涼介です。
まぁ爽やか。
僕はこれまで…。
僕?ここの経営母体であります樫松物産で働いていました。
学校で働くのは初めてです。
そして恐らく日本で一番若い校長かもしれません。
それが売りかよ。
僕は高校生の頃こう思っていました。
校長の話は長過ぎる。
(生徒達)あ〜!だからこれでおしまい。
(生徒達)えっ!?これからもよろしくね!
(生徒達の歓声)終わり!?え〜!?
(拍手と歓声)
(女子生徒)最高じゃん!
(男子生徒)すげぇ早いじゃん!
(女子生徒)ほれる!
(男子生徒)さすが!
(男子生徒)ヤベェ!
(男子生徒)めっちゃカッケェじゃん!
(生徒達の笑い)
(歓声)何なの?あれ「これからよろしくね!」。
中身のない訓話でしたね。
ていうかただの挨拶でしょあれ。
でもそう来ましたか〜って感じ。
完全に生徒の心つかんじゃいましたよね!
(文恵)は?あっすみません。
あれは何喋っていいか分かんなかっただけだって。
(薫)そうなんですか?今までただのサラリーマンだったんだから高校生なんか相手にしたことなかったでしょ。
そうですよね。
目の前にダ〜って高校生並んでんだぞ。
異様な光景だよあれは。
(松原聡子)だから「よろしく」で終わっちゃったの?喋ることなんか何もないもん。
あぁ…。
もっと青森いたかったな…。
ちょっと何それ。
こっちは2年も待ってたんですけど。
いやそういう意味じゃなくて。
また会えるようになってうれしいとか思わないの?思うよ。
今のは冗談だってサト。
職場が変わってリョウ君が大変なのはよ〜く分かるよ。
愚痴は私が聞いてあげるから。
でも今は…。
う〜ん分かってる。
俺だって遠距離つらかったんだから。
ホントに〜?ホントに!フッ…フフ…!
(谷)いらっしゃいませ。
いらっしゃいませ。
(和田倉)本社からの出向…。
営業部の方が校長先生になられたわけですか。
ビジネスの現場で培ったスキルは学校経営に十分生かせると思います。
むしろ教育現場を知らないことが強みになって大胆な改革ができるはずです。
京明館高校さんは独立採算でやってらっしゃるわけですね。
本社からの資金援助はない。
ですからわかば銀行さんにご融資いただきたいと。
お願いします。
主な学校の収入源は受験料入学金授業料都からの補助金。
京明館さんはそもそも入学志願者が少ないですよね。
まぁ現状では。
できるだけ早く経営改善して黒字にします。
具体的にはどういう対策を?はいまずは無駄な支出を抑えることを社員…。
教職員に徹底指導します。
学校の教師というのは非常にコスト意識が低くて裏紙を使うという発想すらないんですから。
(和田倉)ハハハ…。
お恥ずかしい限りで。
裏紙を使うぐらいじゃ経営改善は無理ですよね。
ウハハハ…!
(和田倉:谷)ハハハ…!あ〜…もちろん他にも。
まずは授業料の値上げを検討します。
校長!それは…。
(和田倉)授業料を上げたら志願者がますます減るんじゃ…?そうです!来年から新入生はとらないという選択肢はないんですか?え〜!
(和田倉)もう教育事業から手を引いたほうがいいんじゃありませんか?樫松物産さんは。
いやいや…!それじゃ私が来た意味がない…。
おぉ…!
(柏木:鳴海)あ〜!ちょっと…。
あ〜…。
要するに銀行は京明館高校に受験生を増やせって言ってるわけですよね。
そうでしょうな。
そうすれば受験料収入は増えるし定員割れも起こさない安定した経営基盤をつくれって。
うまいなここ!どうすれば受験生増やせるんですか?大盛りにすればよかった。
事務長!はい。
入学志願者増やすにはどうしたらいいんですか?それが分かれば苦労はないですよ。
ハハハ…!営業!?生徒達にうちを受験するよう勧めてくださいと中学校学習塾にお願いしに行くんです。
校長そういうのは営業とは…。
じゃあ何と言ったらいいんです?どうして私が一緒に行かなきゃいけないんですか。
真柴先生は特進クラスの担任でしょう。
入試担当は及川先生です。
あの先生は無理です。
(及川)いや…そんなの俺の仕事じゃないじゃん。
(日菜子)すみません!やめてくれる?ねっ。
(柏木)今さら学校を変えようとか及川先生がそういうあれの先頭に立つなんてことあり得ない。
だからって私が営業なんて。
これは仕事だと思ってください。
いつ行くんですか?もちろん授業の後に。
放課後は部活があります!部活?真柴先生は弓道部の顧問なんです。
えっ先生が教えてらっしゃるんですか?私は顧問であってコーチではありません。
うちは生徒が自主的に練習しています。
(柏木)3年生にすごいコがいるんですよ。
子供の頃からやっててもう二段の腕前。
じゃあ先生行かなくていいじゃないですか。
はいっ!?・進路指導担当の古手川と申します・頂戴します。
このたび京明館高校の校長に就任しました鳴海です。
(古手川)あっ校長先生ですか。
民間企業グループの大胆な人事異動ということで。
(古手川)あぁ。
お願いというのはですね御校の生徒さん達にうちへの受験を勧めていただけないでしょうか。
よろしくお願いします。
あぁこれはどうも。
お互いウィンウィンの関係を築いて行きましょう。
ウィンウィン?ハハハ…。
いやいやいや京明館さんは上に大学のない高校だけの私学ですよね。
はい。
(古手川)進学先が保証されてるというメリットはないということはライバルは公立高校です。
はぁ…。
(古手川)普通は皆さん学費のかからない公立目指しますよ。
正直申し上げて京明館さんは公立を落ちたコの受け皿です。
えっ…。
(友加里)志願者を増やしたければまずは御校のレベルを上げるべきではないでしょうか。
レベルを上げるって…。
今の京明館さんの偏差値は44です。
受験生が一番集まっているボリュームゾーンの偏差値は50ですからせめてそこまではないと。
50…。
でも最初から優秀な生徒さんがうちに入ってくれれば偏差値はアップするってことですよね。
校長!それは…。
(友加里)優秀なコが京明館さんを選ぶ理由がありません。
まずはそちら側のレベルを上げていただかないと。
そりゃ卵が先か鶏が先かみたいな話じゃ…。
違います!すみません。
(関)京明館高校さんですか。
最近人気落ちてますよね?昔はひと学年5クラスあったのに今は3クラス。
教室空いてるんでしょ。
そうなんですか?
(関)率直に言って個性がないんですよね。
「グローバル人材の育成」でしたっけ?理念は立派ですが実情が伴ってると思えませんし特進クラスがあるといっても大した大学には…。
どうなれば…うちを受験していただけますか?そりゃ京明館さんが人気校になることでしょう。
そちらの生徒さんがたくさんいい大学に入るようになれば自然と人気が出ますよ。
それはそうでしょうが…。
うちの生徒は公立を落ちて来たコが多いので入学時点ですでに挫折感といいますか…。
どこか諦めているところが…。
志願者を増やしたければ今の在校生を伸ばすしかないじゃありませんか。
でもそれって1年や2年じゃ…。
ホホホ…!そりゃ3年はかかりますね。
3年って…。
それまで本社に戻れないってこと?それまでコイツが校長?真柴先生!特進クラスのコを全員一流大学に入れてください!は!?京明館高校を人気校にするんです。
そんなことができるならとっくにやってます!現場のこと何にも知らないで簡単に言わないでください!じゃどうしろってんだよ…!ここも空いてんだ…。
(日菜子)スリーで吸ってフォーで弾く。
ワンツースリー!
(音が合っていない)
(日菜子)いい音出てる!うん!
(音が合っていない)
(日菜子)すごいいいよ!いい感じ!ありをりはべりいまそがりはい一緒に!
(生徒達)ありをりはべりいまそがり。
(文恵)「あり」は「ある」「をり」は「いる」。
「はべり」は「仕える」「お仕えする」ということね?「いまそがり」…。
(及川)繰り返しになるけども…。
(生徒達の話し声)y’=0の時…。
(生徒達の話し声)あ…?
(生徒達の話し声)
(及川)x=0になります。
(生徒達の話し声)ここに記入してあります。
(生徒達の話し声)マイナス1の…。
(生徒達の話し声)ここは下がる上がるという…。
(生徒達の話し声)はいじゃあ自習〜。
(生徒達の話し声)ハァ…。
(沙織の声)新しい校長先生ですね?
(沙織)養護教諭の綾野です。
胃薬下さい。
ダメ。
えっ?保健室で薬を出してはいけない?
(沙織)学校保健安全法というのがあって養護教諭は医療行為ができないんです。
知らなかった…。
知らないことばかりだ!はいペパーミントティー。
ペパーミント?胃腸の働きを整える効果があるんですよ。
ありがとうございます。
ペパーミントだ。
フフフ…。
「胃が痛い」ってストレスですか?校長先生。
いや…。
前の校長は全校集会の時に倒れられたんですよ。
え?
(沙織の声)生徒の前で喋りながらバタン!って。
(沙織)メンタル。
メンタル?我慢は禁物ですよ校長先生。
ため込むのが一番良くありませんから。
綾野先生…。
今まで身に付けたスキルをどうやって使えばいいのか…。
全然分かんないんです。
まぁ畑違いの所からいらしたんですもんね。
もうすでに胃に穴が開きそうです僕…。
大変でしょうけど頑張ってください。
応援してますから。
応援?はい!フフ…ちょこちょこ来ていいですか?ダメよ!え?校長先生が保健室通いなんて…ダメダメ!
(振動音)はい鳴海です。
え?
(友梨子)日野ケミカルから先日の報告書が届いています。
(友梨子)19時からの会食は銀座ですから18時半に車を回せばよろしいでしょうか?
(加賀谷)そうしてくれ。
(友梨子)かしこまりました。
ご無沙汰しています。
加賀谷専務鳴海でございます。
残念だったなぁ鳴海。
八木じゃなくて俺に付いときゃこんなことにならなかったのに…。
お前を京明館高校に送るって決めたのは俺だよ。
もちろん理由はお前が弘前支店を立て直したからだ。
敵方の人間でも仕事は認めてやったんだぞ?ありがとうございます。
心にもないこと言ってんじゃねえよ!上にも下にも受ける!支店に回されてもうまく立ち回って結果出してまぁ会社にとっちゃ使えるよなお前みたいな奴は。
でも俺はなみんなにいい顔してのし上がろうとしてる奴を見るとむしずが走るんだよ。
大嫌いなんだよ。
本当は教育事業部なんて切り捨ててもいいと思ってんだ俺は。
でも社長の鶴の一声で買収した学校だからつぶすわけにもいかねえ。
とにかくあそこを黒字にしろ。
それがお前の仕事だ。
はい。
柳沢みたいに簡単につぶれるなよ?え?柳沢次長がどうかされたんですか?「課長代理」だあいつは入院してるよ。
駅のホームから落ちたんだとさ。
ハハハハ…!柳沢次長…課長代理はどちらの病院にいらっしゃるんですか?知るか!生きてんだからいいじゃねえか。
失礼します。
(加賀谷)あぁ〜そうだ〜。
学校の評判は会社のイメージにかかわる。
不祥事は絶対起こすなよ!イジメだ万引だ暴力沙汰だ!問題起こしたら責任取るのはお前だぞ?お分かりですね?校長先生〜。
(後藤田)鳴海!
(南)鳴海さん?あら?おう…。
(後藤田)どうしてここにいるんだよ。
どうしてって…一応ここの社員だぞ?
(南)残念ですよ!弘前から戻られたらまた鳴海さんと一緒に働けると思ったのに。
あでも校長先生ですよね?ある意味出世なんじゃないんですか?そんなわけないだろ。
(後藤田)仕方ないさ。
お前は八木専務のお気に入りなんだから。
(後藤田)会議遅れるぞ南。
はい。
いつか学校の話聞かせてくださいね。
せっかくだから晩ごはんでも食べる?私7時には仕事終わるけど。
いいけどサト柳沢次長がどこに入院してるか知ってる?次長!
(女性)鳴海さん!あぁ鳴海君…。
わざわざ来てくれなくても…。
ホームから落ちたって…!ぼんやりしてて足踏み外したんだ。
腰の骨折ってこのザマだよ…。
ハハ…。
自殺するつもりなら電車が来た時に飛び込んでる。
うぅ…。
うん…そうですよね…。
座れよ。
いやよかった…。
いや「よかった」とか言っちゃいけないんだろうけど…。
君はどうだ?学校は大変だろう。
慣れないことばかりで…。
精神的にちょっと…。
鳴海君なら何とかするさ。
弘前支店を立て直したことだけが理由じゃありませんでした。
京明館に飛ばされたのは…。
加賀谷専務に嫌われていたからです。
理由は他にもあると思うよ。
大学で教職課程取って数学の教員免許持ってんだろ?君は。
え?あぁ…。
いやそれは就職活動に失敗した時の保険というか…。
本当に教師になろうと思っていたわけじゃ…。
おとうさんは中学生の時に亡くなったそうだね。
高校の教師だったんだって?どうしてそれを…。
君が自分で言ったって聞いたぞ。
入社試験の面接で。
だから鳴海君が適任だと思ったんじゃないか?加賀谷専務は。
教員免許って…。
うおっ!す…すいません。
うちの制服?・おい!ふざけんなよ!・・バカにしてんのかよ!・・はい!・・森君!・・ほいっ!・ちょっと何!?もう!コマ数を増やす?ん〜!授業時間を増やすんです!今いる生徒の学力を引き上げるにはまずそうするしかないでしょう?いや。
あと課外授業っていうんでしたっけ?放課後に授業について来れない生徒の補習をして…。
無理ですよ校長。
どうして?先生方が嫌がります時間外の補習なんて…。
真面目に仕事する気はないんですか!教師っていう人種は!あのね校長!先生方は忙しいんです!京明館高校は校長をトップに副校長事務長。
これを私が兼ねておりましてえ〜教務部生徒指導部総務部!その下には学習指導進路指導情報管理と!とにかくねさまざまな役割に分かれてるわけですよ!はぁ…。
そしてねっ見てください。
例えば教務の仕事年度時間割成績証明書点検…!分かりました!日直割り当て!いいです事務長!もうよく分かりました。
ビジネスの最前線にいたからって学校をバカにしちゃいけません!でも事務長は信用金庫にいらしたわけですよね?そうです。
つぶれてった会社たくさん見て来たんじゃないんですか?見ましたよ〜!では今京明館高校はどんな状態だと思いますか?良くないです。
ではどうすべきでしょう。
何でそこで黙るんですか!
(三鷹)わっ…!ざけんな!何なんだよ!お前がくだんねえこと言うからだろ!
(悲鳴)
(ガラスが割れる音)何だ!
(悲鳴)おい!
(加瀬)あぁ…!
(悲鳴)
(ほのか)やめなよ!ねぇ!
(加瀬)おい!
(ほのか)ねぇやめなよ三鷹君!・やめろよ!・
(ほのか)ねぇ!ねぇ…!何やってるのもう!やめなさい…!三鷹君やめて…!
(悲鳴)ちょっとやめろお前!ほら!
(加瀬)許さねえ!
(島津)大丈夫?大丈夫ですか?
(郷原)やめろ!ほら落ち着け!あぁ〜!キャ〜!
(悲鳴)・ヤバいじゃん…!・もぉ〜!どいてどいてどいて…!
(郷原)おい!何やってんだ!何やってんだ!やめなさい!
(噴射音)
(郷原)うわぁ…!あいつがいきなり突き飛ばして来たんですよ!ワケ分かんねえ!ほら…もう動かない!でも三鷹君が何か言ったから加瀬君が怒ったんでしょ?「大丈夫かお前の親父」って聞いただけです!どういう意味?
(三鷹)だから!俺の親父が見掛けたんですよ!人間ドックで行った病院で龍之介の…。
おとうさんを?車椅子で頭に包帯巻いてて入院してるみたいだった…っていうから心配してやったのに!何なんだよ!これ問題になりますかね?ねぇ!それはダメですよ!問題はマズい!こういう時は両方の言い分をちゃんと聞いて対応するんです。
あぁもう…。
え?高校生といってもまだ子供です。
自分の感情を言葉にできないこともありますから。
はい。
校長先生はいらっしゃらなくて大丈夫です!いやそういうわけには…!じゃあ私に任せて余計な口出ししないでください。
はい。
ケガは大丈夫?加瀬君まだ痛む?大丈夫です。
あなたが最初に三鷹君を突き飛ばしたんだって?どうしてそんなことしたの。
うおっ!すいません三鷹君はあなたのお父さんのことを心配しただけだって言ってたよ?おとうさんおケガか何かされたの?それを知られたくなかったの?くも膜下出血です。
え?くも膜下…。
お前がくだんねえこと言うからだろ!キャ〜!くも膜下出血です。
くも膜下…。
先月倒れて命は助かったんですけど仕事に復帰できるまで1年かかるって医者が…。
1年…。
でも助かってよかったじゃない。
ねぇ校長先生。
うん…。
俺諦めなきゃいけないんですよね?大学。
いやだって…親が1年も働けなかったらもう進学なんてあり得ないでしょ。
会社クビになるかもしんないし。
おとうさんは何ておっしゃってるの?そんな話まだできませんよ。
おかあさんは?気にしないで大学行けって言ってくれてるけどどう考えても無理だし金入って来ないんだから。
誰にも言えないことに触れられたからカッとなっちゃったんだ。
諦めることないよ加瀬君。
ご家庭が経済的に苦しければ高校の授業料は都から助成金が出るし大学は奨学金もらって行けばいいんだから。
奨学金…。
加瀬君は特進クラスの中でも勉強できるコなんです。
頑張れば絶対いい大学入れます。
校長先生だって1人でもたくさん大学に行ってもらいたいのよ。
加瀬君も進学したいんだよね?じゃあ簡単に諦めちゃダメ!
(相原麻帆)珍しいねお兄ちゃんから電話して来るなんて。
ええ大人がちょくちょく実家に電話するほうがおかしいじゃろ。
母さんは?いるよ春と遊んどる。
(相原春)春ちゃんの勝ちじゃ!
(鳴海とし江)負けてしもうた。
アッハハ…。
お前らが一緒におってくれるけぇ助かるわ。
何の問題もないんじゃろ?そっちは。
(麻帆)全然旦那は相変わらず帰りは遅いけどね。
お兄ちゃんも早う結婚したら?くぅ〜。
ちぃと母さんに代わって。
お母さん!
(とし江)ん?お兄ちゃん。
(とし江)えっ涼介?ウフフ…。
どうした?珍しいね。
ちゃんと食べとる?栄養取りよるん?大丈夫よ。
仕事はどがあなん?忙しいん?うんいつだって忙しいよ。
部署が変わったりしたけぇ。
あぁほうね。
会社のことはよう分からんけど無理はいけんよ。
ああ。
ねぇ僕高校の時さ…。
ん?高校ん時?自分から大学に行きたいって言うたんかね?そりゃねぇあんた成績も悪ぅなかったし先生も行けぇ言うて勧めてくれちゃったしね。
先生が…?
(とし江)ほうよおとうさんと同じように教師になりゃええが言うて言われたんじゃろ。
フフフ…ならんかったけどねハハハハ。
(とし江)涼介どうしてそがんこと聞くん?そっか。
先生が勧めてくれたんやね。
・バイバイ!・・バイバイ!・・なっちゃん!なっちゃん!・会議は4時からだって皆さん分かってらっしゃるんですよね?だから言ったでしょ先生方は忙しいんですよ。
それにしたって!民間企業じゃ考えられない。
遅れるならその理由を上司に報告します。
上司?いやいや。
皆さん我々を上司だと思っていません。
じゃ何?言ったらまた怒るから校長。
怒りませんよ何なんですか?我々は。
単なる管理職?
(郷原)・高木ってあのおとなしいコですか?・ピアスの穴開けてんのよったく色気づいちゃって。
(河原崎)僕はねそういうことねビシっと言っちゃう人だからね。
すご〜い私駅員さんにそんなこと言えな〜い。
(柏木)皆さんお好きな所へ座ってください。
それでは職員会議を始めます。
(及川)あんまり長いの無理ですよ。
私も補習のプリント作らなきゃいけないんです。
校長先生からお話ししたいことがあるそうでして。
話?話というかご相談というか。
またお金のこととか?そうです奨学金です。
奨学金?加瀬君でしたっけ?昨日真柴先生が奨学金についてお勧めになられてましたよね?経済的に問題のある家庭は奨学金をもらって大学に進学したらいいって。
それが何か?う〜ん…。
それってどうなんでしょう?アドバイスとして。
はっ?だって借金ですよ奨学金って。
大学卒業したら返済しなければならない。
そんなこと分かってます。
でも言ってなかったですよね?昨日加瀬君に。
ちょっと待ってください何の話ですか?えっと我々に関係のない話…。
関係あります!京明館高校は奨学金を申請して大学に進学する生徒が毎年いますよね。
去年が8名一昨年が5名。
それが何か?みんなちゃんと分かってて申請してるんですか?奨学金が大学卒業したらすぐに返済が始まる借金だって。
当然です。
校長今年から給付型奨学金制度が始まるんですよ。
そうです今年からです。
その推薦条件が「住民税非課税世帯であること生活保護を受給していること社会的養護を必要とする人」。
何がおっしゃりたいんですか校長。
恐らく加瀬君の家庭はこの条件を外れています。
だから何なんですか!さも自分だけが分かってるみたいに。
杉山先生。
僕らだって知ってますよそのくらい。
でも生徒は知らないかもしれません。
ちゃんと説明しないと。
奨学金がどういうものなのかというのをリアルには感じられないと思うんですまだ17〜18歳のコには。
校長先生は大学進学実績を上げたいんですよね?奨学金は借金だ将来返さなきゃいけないんだそんなこと強調してじゃあ大学進学諦めます生徒がそうなってもいいんですか?それは…。
矛盾してる。
就職組が増えるだけじゃありませんか?ですよね〜。
今よりもっとレベルが下がりますよ京明館は。
うん。
でも勉強を教えるだけが教師の仕事ではないと思うんです。
生徒達が将来社会に出る時に必要な社会の仕組みとかルールとかそういったものを教えてあげなきゃいけないと思うんです。
ケンカ?
(大和田)先生達が?怒鳴ってるの聞こえたもん奨学金がどうとかこうとか。
・奨学金…・・めっちゃ怖かった・校長先生はこう思ってらっしゃるんでしょ?教師というのは学校を卒業して学校に就職した人間だから世間のことなんか何にも知らないんだって。
そうかもしれません。
それはちょっと失礼過ぎません?私に言わせれば先生方は緩過ぎます!会議に遅刻して来た社員を平気で許す企業なんかありません。
だから学校と会社は…。
私は京明館高校を立て直すためにここにやって来ました。
京明館高校が樫松物産の傘下である以上不採算部門ではいられないんです。
教育事業だからといって特別扱いはされません。
できるだけ早く黒字にして経営状態を安定させなければならない。
それができなければ樫松物産は京明館高校を見放します。
どこかに身売りするか廃校にするかそういうことになるんです。
私は…皆さんにもっと危機感を持ってもらいたいんです。
それはおっしゃる通り。
でもこの学校の経営を改善するのは簡単ではないことが分かって来ました。
経費節減だけではどうすることもできない。
だから学校そのものを生徒を変えて行かなきゃならない。
そのためにはまず教師が変わらなければならない。
一番の問題は先生方です。
どういう意味ですか?生徒に対する意識を変えてください。
意識?先生方は生徒からの授業料で給料をもらっているんです。
そして皆さんの仕事はいい生徒を育ててつくって世の中に送り出すことです。
だからえっ何?教師にとって生徒はクライアントであり商品です。
はぁ?商品?クライアントって…。
授業料を出してんのは生徒の親だよな?生徒の親御さんは株主です。
株主?何言ってんの?ですから我々はクライアントと商品と株主に責任を持たなければならないんです。
それは一般企業と何ら変わりはありません!そんなねクライアントとか株主とか持ち込まれてもね。
そうですよ学校はビジネスなんですか?ビジネスですよ当たり前でしょ!
(机をたたく音)そもそも皆さん勘違いされてませんか?皆さん公務員じゃないんです私学の教師なんです。
リストラだってあり得るんですよ。
(柏木)校長もう。
つまりご自分には権力があるんだとそうおっしゃってるわけですね?校長先生は。
いやそんなことは…。
(郷原)言ってますよ。
(河原崎)言ってる言ってる!校長先生。
あなたは自分から手を挙げてこの学校にいらしたんですか?それとも会社の人事異動で仕方なく?あっそれだ仕方なくでしょ?ね?校長先生。
要するに校長先生の目的はこの学校を黒字にして会社での自分の評価を上げたいだから頑張る。
そういうことだ。
だから社員バッジも着けたまま。
こうしませんか?校長先生は学校経営をビジネスのことだけを考える。
私達は生徒のことを教育のことだけを考える。
いいんじゃないの?それで。
賛成ですね僕も。
あのもうよろしいでしょうか事務長。
そろそろ仕事…。
(柏木)いいですよね?校長。
はいじゃ失礼します。
行きましょ河原崎ちゃん。
(河原崎)はい終わり終わり。
お疲れさまでした。
ダメです!そうやって分けるなんておかしい。
校長もうやめましょう。
しょうがないでしょ。
私達は教師で校長はサラリーマンなんだから。
(加瀬)奨学金のことでケンカしてたんですか?俺のことで。
僕は奨学金で大学通ってたんだ。
中学の時に親父が死んでね家に金がなくてさ。
そのおかげで大学は卒業できたんだけど奨学金が借金だって実感したのは就職してからだった。
まぁそこそこの会社には入れたんだけど最初の給料なんて大したことないからさ。
そこから3万近く引かれるっていうのはかなりきつかった。
3万…。
今でも払い続けてる。
利子含めると600万近くなるからね。
全部払うのにあと10年かかるよ。
マジで?でもそんなことになるなんて聞かされた記憶がないんだよね。
もしかしたら高校の先生は言ったのかもしれないんだけど「奨学金は後で負担だぞよ〜く考えろ」。
そんな言い方は絶対してなかった。
僕は一応返せてるけどきつい思いしてる人はたくさんいると思うよ。
大学は出たけど入った会社がつぶれちゃった人。
奨学金の返済で貯金ができなくて結婚も諦めてるような人がね。
でもね加瀬君。
僕は君に大学進学を諦めてほしくないんだ。
僕は君に大学に行ってほしい。
でも奨学金は…。
大変な借金だよだから君は大学に入っても一生懸命勉強しなくちゃいけない。
必要な単位は全部取って遊びもなるべく就活に生きるような経験にしてちゃんと4年で卒業してしっかりとした仕事に就かなければならない。
それでもこの先世の中どうなるかなんて分かんないよ。
一流企業だってつぶれるかもしれないし少子高齢化はどんどん進んで行くし世界情勢は激変して行くだろうし。
うんたくさんの仕事はロボットに取って代わられるかもしれない。
そんな将来が待っているかもしれない。
だから生きて行くのに必要なスキル…。
スキルって分かるかな?「君の代わりがいない」と言われるようなひとに必要とされるような力を身に付けて行かなきゃならないんだ。
今の君にその覚悟があるなら奨学金もらって大学に行け。
校長先生。
うん。
聞きたくなかった。
え?そんな怖い話聞きたくなかったよ!今決められるわけないじゃんそんなこと。
いやでも今じゃ…。
無理だよ〜!ハァ…。
だから言ったでしょ。
高校生なんだから現実を教えりゃいいってもんじゃないんです。
えぇ?ハァ…何だそれ。
2017/10/14(土) 22:00〜23:08
読売テレビ1
[新]先に生まれただけの僕#01[解][字][デ]
未来を生きる子供たちのために教師は何を教えるべきか?サラリーマン校長の仰天学校改革!?
詳細情報
出演者
櫻井翔
蒼井優
瀬戸康史
木南晴夏
森川葵
平山浩行
池田鉄洋
木下ほうか
多部未華子
井川遥
荒川良々
秋山菜津子
高嶋政伸
風間杜夫
番組内容
嵐の櫻井翔が主演する、社会派エンターテインメントドラマ。
勤め先の商社からの出向辞令を受け、突然私立高校の校長となった35歳の若きサラリーマン。
日本の未来を支える子供たちに、大人たちは、教師たちは、今何を語り教えるべきなのか?
豪華キャストでお送りする大人のための新しい学園ドラマ。
監督・演出
【演出】
水田伸生ほか
【プロデューサー】
次屋尚
高橋史典
原作・脚本
【脚本】
福田靖
音楽
【主題歌】
「Doors 〜勇気の軌跡〜」嵐(ジェイ・ストーム)
【音楽】
平野義久
制作
【製作著作】
日本テレビ
【制作協力】
ケイファクトリー
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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