様々な株式投資の書籍や手法がある中で、個人投資家なら誰もが一度は目にするBNF氏について今更ですがキチンと調べてみました。やはり、海外の有名な投資家の本を熟読するよりも生き字引とも言えるBNF氏のその投資手法を目の当たりにしたほうがよっぽど刺激的でした。
株の絶対勝てる手法を無意識に探す日々から逸脱し、冷静に相場を眺めるべきですよね!BNF氏の手法が通用した時代と現在はハッキリ言って違います。でも、その考え方と方法からは学べることだらけでした。
資産を164万円から200億にしたBNF氏の投資法の解析をしてみたいと思います!
目次 [非表示]
BNF氏の資産推移
年度 | BNF資産 | BNF経歴 |
---|---|---|
2000年(開始) | 164万円 | 21歳 株式投資開始 |
2000年(年末) | 280万円 | 同上 スイングトレード開始 |
2001年 | 6,100万円 | 22歳 投資手法「逆張りスイングトレード」の完成 |
2002年 | 9,600万円 | 23歳 |
2003年 | 2億7,000万円 | 24歳 投資手法「順張りスイングトレード」の完成 |
2004年 | 11億5,000万円 | 25歳 2ちゃんねるに「B・N・F」として登場 |
2005年 | 80億円 | 26歳 ジェイコム大量誤発注事件で16分で20億円の利益 |
2006年 | 157億円 | 27歳 |
2007年 | 185億円 | 28歳 |
2008年 | 218億円 | 29歳 90億円で「チョムチョム秋葉原」購入 |
2011年 | 不明 | 32歳 170億円で「AKIBAカルチャーズZONE」購入 |
やはりBNF氏の164万円から株を始めたという事実に夢を見た人も多いと思います。資産が増えると、増加スピードも加速するのが株の醍醐味ですね。
この資産推移で注目したいのはウン千万から億に行ったタイミングよりも、280万から6100万になったタイミングではないでしょうか?
その一年でBNFスタイルを確立し、徹底的に冷静に株式投資と向き合ったことでしょう。
BNF氏の資産推移と日経平均チャート
BNF氏が株を始めた2000年から、資産を200億にした2008年までの日経平均チャートです。
BNF氏が株を始めた2000年当時の日経平均は20,000円台ですが、資産が200億を超えた2008年当時では6,994円という波乱万丈な期間にも関わらず資産を増やし続けた事になります。
つまり、トレンドが上昇している時だけでなく下降トレンドの時にでもBNF氏の投資手法が有効だという事の証明になっていますよね。
BNF氏の投資手法
BNF氏の行った手法は実はそんなに難しくないんですよね。手法は簡単でも経験で得た相場観はやはりすごい。その手法は「順張りスイングトレード」と「逆張りスイングトレード」の2つの手法を利用していた事を明かしています。
早速それぞれの投資手法について更に詳しく分析してみましょう。
順張りスイングトレード
BNF氏の資産構築に大きく貢献した順張り手法です。これは、それぞれのセクターごとに乖離率の特徴と目安の設けて、買いで入る手法ですね。言葉にしてしまうと簡単そうですが、常に地合を見極める必要があったり、流動的に行える判断力が求められるかなり高度な投資手法になっています。
BNF氏本人が順張りスイングトレードの手法を語っています。
株価は不思議なもので、会社の価値は何も変わってないのに、その日のニューヨーク市場や先物の動向など、相場全体の雰囲気で上下するんですよね。
仮に鉄鋼株を例にとると……たとえば相場の雰囲気がいい日などは、住友金属、新日本製鐵、神戸製鋼所、JFE ホールディングスなど、その分野の主力株が軒並み騰げるんです。
連れ高にはパターンがあるんです。
たとえば鉄鋼なら、前兆として上の 4 社のどれかが、日経平均とともに騰げ始める。
しかしこの前兆段階だと、他の 3 社のどれかが、まだ騰がってなかったりするんです。
そんなときすぐ買いを入れるんですよ。
騰げるときには相場全体が一気に騰がるから、連れ高を利用した方が儲かるんです。
それ(連れ高が予測される瞬間を具体的にどう見極めるのか)ばかりは様々な企業の値動きを 1 日中見て“体得する”ほかないですね。
毎日これ(登録銘柄リスト)を見続けると“一気に下がっていたハイテクが値を戻し始め、すると日経平均が上がり、相場が強くなってきたのを受け鉄鋼も騰げ始める”というイメージが湧くんです。
儲かったのは僕の実力じゃなくて、単に時代のおかげ。
すべては相場環境しだいなんですよ。
「CIRCUS (サーカス) 2006年04月号」
BNF氏の順張り手法について要点をまとめてみましょう。
- セクターの主力株を把握し監視する
- 出遅れ銘柄を発見したらすぐに買いを入れる
- 連れ高の予測は体得するしかない
- 毎日銘柄リストを見続けると相場の動きがイメージできる
BNF氏の順張りスイングトレードの肝は、連れ高銘柄を狙うという事ですね。セクターごとに関連銘柄を把握して、上げ相場でまだ上がっていない銘柄があればそれが購入対象ということですね。この時指標となるのは日経平均です。
・・・とここまではありふれた手法ですよね?重要なのは「関連銘柄を把握して」の部分です。圧倒的情報量なのです。BNF氏の手法の肝だと断言できます。今あなたの監視銘柄はどの程度ありますか?BNF氏は常時700銘柄を追っています。
そして、今度は日経平均に連れ高する銘柄があったとします。その波を掴むには、楽天証券のマーケットスピードを利用し日経225先物を常に監視しているとの事。この先物相場は日経平均を先導する動きをするので、急騰したら日経連れ高銘柄への買いサインだというわけです。下げを見せたら売りとなります。実際に眺めているだけでもその動きの性質は理解できますね。
そして気付かされるはずです、反応が遅れると命取りになってしまうことを。
逆張りスイングトレード
BNF氏の最大の武器だったとも言える乖離率逆張り手法です。これは25日移動平均乖離率を見て、大きく下げている銘柄を買っていくという作業のようなテクニックですね。下げすぎた株は結局元に戻ります。これは自然なことです。だったら下げすぎを拾っていこうという考えですね。探し方としては、投資サイトにある乖離率ランキングなどで眺めてみてください。そして、乖離率0%へ戻る中で売っていきます。
当時の2chにBNF氏が残したとても参考になる書き込みを見てみましょう。
36 :B・N・F◆mKx8G6UMYQ :04/03/06 02:49 ID:kyul+4/n
>>33
別に嫉妬とかやっかみだなんて思わないですよ。
証拠を見せたわけではないので疑うのは当然だと思います。
私が180万から1億にする過程ではすごい下げ相場でしたが現物のみの短期の逆張りで簡単に儲かりました。
というのは私は逆張りが好きで株は逆張りが有利だと思っているからです。その理由は例えば短期筋が順張りする場合(この話の短期は一泊二日長くて二泊三日の短期です)その株が動意づく前に買ってた人を1とすると、その株を常に監視して上がり出す雰囲気を感じてまだ大して上がってない時に、勇気出して買う人を2としてその後、完全に上がり出したのを確認してその株が次の日も、上がると思って買う人を3その日の高値で買う人を4とすると、大体そういう動意づいた株のその日の出来高の推移を見ると3~4の間での出来高が多い気がします。
そして次の日買い気配で始まればその寄りで買う人を5、寄った後に更にそれより高値で買う人を6とすると短期のつもりで3~4の間で買った人は良くて6の人に売って利益を出すって感じですがこれでは1で買った人の膨大な利益には到底及びません。
しかし、1の段階で買ってる人は長期の人でしょうから、資金効率的なリスクを負っているので短期のつもりで3~4の間で買う人の投資方法も、1の人と比べて悪いわけではないでしょう。
一泊二日の短期での順張りでは到底1の段階で、買うことは難しくコツコツ細かい利益を積み重ねる感じになる気がします。
細かい利益と言っても1%~6%ぐらいはいける気がしますが。一方、一泊二日の短期の逆張りに目をやると過去の25日移動平均線から何パーセント乖離したところで株は反発するのか?相場の雰囲気がいいから乖離が浅めでも反発するんじゃないか?相場の雰囲気が悪いから今回の乖離は相当きついところまでいくんじゃないか?出来高はどうか?ボリンジャーバンド的にはどうか?などを考慮して底を見極め買うことができれば一泊二日の短期なのに短期売買での順張りでは買うことの難しい動意づく前の水準である1の段階と同等の水準で買うことができるのです。
底打ったかな~?ぐらいで買う人は、短期の順張りで言えば2の人ぐらいで完全に底打ってから買う人は短期の順張りでは3~4の人に相当すると思います。
私は一泊二日の短期なのに短期の順張りでの1の水準で買えるおいしい相場が下げ相場だと思っているので下げ相場でも上げ相場でも現物だけでもいいかなぁって感じです。落ちてるナイフは危険じゃんという意見もあるでしょうが、前の日までのマイナス乖離のきつい株が当日もそれなりのマイナスである場面で、自分のテクニカルの判断で反発すると思ってる株を買ってもその日、そこから更に下落するのは余地は少なくなり、上がりそうもなければさっさと損切ればいいわけです。
私の感覚ではただでも乖離のきつい株がダウやナスの下げなどで朝から結構売られてれば、そこで買っても損切り早ければそんなにリスクを感じません。
むしろ短期の順張りでの1の水準で買えるかもとわくわくします。こんな感じで180万から1億までは逆張りで儲けた比率がかなり高いですそこからは去年の上げ相場でアホになって順張りして儲けた感じですね。
ってもそれまで逆張りで儲けてきたのでかなりビビリ捲くりの順張りでしたから利益率はそれほどよくないです。
BNF氏の逆張り手法についての書き込みの要点をまとめてみましょう。
- 下げ相場でも現物のみの短期逆張りは有効
- 底を見極め買うことができれば一泊二日の短期でも利幅が取れる
- 損切りが早ければリスクはそんなにない
BNF氏が逆張り手法で注目するポイントをまとめると以下です。
- 過去の25日移動平均線からの乖離率
- 相場の雰囲気
- 出来高
- ボリンジャーバンド(移動平均線と値動きの幅を表す線)
乖離率は何%を目安に?と思ってしまう気持ちもわかりますが、完全に状況次第ですね。
当時では最低20% 安心して買えるのは35%以上とBNF氏は語っていましたが、もちろんそれではダメな時期もあれば、セクター(業種)ごとの乖離率のクセもあります。
現在で目安になるとは限りません。現在の相場を見極めて反発を狙うことです。
また、株人口が増えた影響で思ったようなリバウンドにならないと後に語っています。
BNF氏の損切りタイミング
BNF氏にとっても損切りの早さは最も重要だと言い切るほどの、そのタイミングを一言で言うと「想定より下がった場合」とのこと。絶対に上がるまで待つことはせずに、早めの損失を確定していることが特徴です。
BNF氏が損切りタイミングについて語ったのは以下です。
大事なのは損切りを早くすることでしょうか。僕自身は、想定より下がった場合には、上がるまで待つことはせず、早めに損失を確定させています。
「週刊ポスト2006年1月号」
特別すごいことを言っているようには聞こえませんが、実はこれちょっと勉強になります。
通常、想定より下がるという部分をどう考えますか?「何%下がったら損切り」「前日の最安値を割ったら損切り」というように具体的な値段を決めてしまいがちですよね。
BNF氏の損切りラインはその時々で変わるのです。もちろんパターン化できる物はしていて数種類の損切り方法があるようですが。
さらに、損切りの失敗パターンについても詳細を例に、損切りや手仕舞いの心理を披露しています。
よく損切りを失敗するパターンとして自分が買った銘柄やセクターだけ下げるというときがあります。
今回のリバではうまく金融セクターを初動で持ち越せたなら問題はありませんが金融セクターの初動時点ではディフェンシブ・資源・内需関連などはまだ下げ続けていました。
そんな場合でも迷わず損切りします。
結果的に出遅れで上昇することもあるのですがそれは今回のような強い上昇のときだけで下げ相場では特定のテーマ株だけ一時的に買われてもそれ以外の銘柄には資金が回って来ずにダラダラ下げ続けるということもよくあります。
自分の資金が少ないならばそういった銘柄をいつまでも持って資金拘束されるよりも上昇していく銘柄に乗り換えた方が資金効率がイイと思います。
もちろん初動は逃すことになりますから持ち越しには十分注意し出来高が直近最高値をつけたような日にはもう相場が過熟していることが多く含み損益にかかわらず、手仕舞いする方がリスクが小さいように思います。
私はその株が上がると思って買っているのではなく移動平均線の乖離からその相場や銘柄に応じて買いが入る可能性が高い乖離位置で買い。
強いならば持ち続けるだけであって(ここが買いで勝てるかどうかにおける最大の運の要素だと思います。)
どのような相場においてもそこからどちらに動くのかは正直わかりません。
しかし徹底的に損切りできれば下落のリスクもさほど感じません新興市場のような値動きの速い銘柄は別ですが・・・。
とにかく下げ相場ではコツコツ負けてドカンと勝つという感じで私は資産を増やしました。
そうそう、BNF氏だって損切り予想を外して反発してしまうことが多々あると言っています。それでも資産が増えるのは、損切りの早さに他ならないでしょう。
損切りと同じぐらい重要視しているのは「いつか上がるという希望的観測は絶対にダメ」という教訓です。
BNF氏の監視銘柄と保有銘柄
BNF氏が語る、監視銘柄と保有銘柄についてのコメントがあります。もちろんBNF氏の現在資産やその時々で保有銘柄は変わってくるのは当たり前ですが、どの程度の比率で保有しているのかを聞くと、BNF氏のキャパの広さが浮き彫りになります。
通常はだいたい 30 銘柄から 70 銘柄を保有していますが、株価のチャートなどが頭に入っている監視銘柄だけでも 600 銘柄から 700 銘柄くらいはあります。
「KING 2007年10月号」
順張りスイングトレードの項目でも触れましたが、監視銘柄の数が700銘柄というのには驚かされます。株式投資の天才とも言われる裏では見えない努力が必ずあるのですよね。
これだけの監視銘柄のチャートが頭に入るまでチャートを眺めて分析しているという事は、それ相応の時間を使って集中している事が伺えます。
さらに、BNF氏自身の資産増加に伴って、監視銘柄と保有銘柄が変わってきた事を吐露しています。
買って逃げてまたすぐ買い直すなんて手法は、資金が少ないときしかできないんです。
だから手法は順張りに変わったし、銘柄も何十億円入れてもビクともしない大型株に変わった。
出来高の少ない銘柄はもう監視してません。
逆張り時代は 2 ~ 3 銘柄しか保有してなかったけど、いまは 20 ~ 50 銘柄に分散しています。
「マネーの王道 vol.1」
資産が大きな金額になるにつれて、保有銘柄の数も分散しているようです。また、監視銘柄も出来高の多い物に注力している事がわかりますね。
ただし、監視銘柄は直接その銘柄を分析する以外にも利用価値は大きく、セクターの把握にも役立ちますので、絞ったというのは本当に小型株や流動性の低い銘柄を切り捨てているのだと思います。
BNF氏が利用する証券口座は?
BNF氏は楽天証券を利用している事で有名です。ある取材の時にはメインツールである「マーケットスピード」を利用して実際に投資手法について語ったり、その指さばきを披露していました。では、なぜBNF氏は楽天証券を選んだのか?
マケスピは登場したときから使ってるんで、視覚的に慣れてるんですよ。どれが買いか、なんとなく見えてくる。
僕が使ってる情報はマケスピに監視銘柄を並べて、ずっと値動きを見てるだけです。ニュースもマケスピで見られますしね。
注目したいのは、トレーディングツールのマーケットスピードです。このツールは多くのプロフェッショナルの投資家から最強のツールとして支持されています。
これこそBNF氏の投資手法を行う上で欠かせない物なのではないでしょうか。
ツールを活用する能力
株取引に不可欠とも言えるツールは、自分が利用しやすい事はもちろんですが、勝率に結びつく情報でなければ豚に真珠です。
BNF氏も吐露していましたが、現代の株相場では個人がスマホで株取引ができるようになったので、思ったような値動きにならない事が増えていると言っています。
例えば平均勝率75%を叩き出すAIロボットの「日経株価AI予想ツール」には一般投資家が継続的に勝ち続ける事は不可能に近いです。経済誌によくあるプロ投資家の予想的中率も50%を上回れば名人級という状況です。
こうした時代の移り変わりにいち早く行動できる能力も億り人には必要なのだと痛感します。
まとめ
ここまでわかったBNF氏の投資手法をまとめてみましょう。
- 投資スタイルはスイングトレード
- 情報源はマケスピのニュースと2chのみ
- 日経平均先物に注目し日経平均を予測
- 状況に応じて順張りと逆張りを使い分ける
- 順張りは監視銘柄数と連れ高が重要
- 短期の逆張りは乖離率が重要
- 損切りは想定を超えたら早く行う
株が飴玉やコインで行うゲームだったら、もっと冷静で大胆に売買できると思いませんか?
私がBNF氏を見ていて一番感じたのはお金への執着のなさ。まさにゲーム感覚で上手にコインを増やしているような思考だったと思います。
もちろん現金は見ないようにしていると公言していましたから、意識的なのでしょうがスゴイですね。
そんなBNF氏にも株初心者の時代があったはずです。
そんな当時、株を学んだのは一冊の本だけで、それ以外一切書籍からは学んでいないと言うんだから驚きます。
BNF氏が読んだ本は「世紀の相場師ジェシー・リバモア」です。これだけは絶対読んだほうがいいです。間違いありません。
投資の世界は時代背景にも大きく影響しますが、本質は常に一緒です。BNFさんが自分の投資手法を徐々に確立したように、私達も自分に合った投資手法を見つけてしまいたいですね!