野田佳彦前首相、もう一回本当の仲間と民進再結集 無所属ながら全国応援演説行脚
千葉4区(船橋市)で民進党の野田佳彦前首相(60)は希望の党に加わらず、無所属で出馬し、全国を飛び回っている。希望、立憲民主、無所属へと分裂した民進党は、参院議員を中心に党存続の動きが出始めているが、野田氏は「選挙後にいったん総括し、また本当の仲間と集まりたい」と、民進党“再結集”の構想を持っていることを明らかにした。
「皆様、おはようございます」。朝6時30分、JR下総中山駅前で野田氏は頭を下げ続けていた。マイクを使えるのは朝8時から。サラリーマンに握手し、主婦との写真撮影に応じ、お年寄りの荷物を持ちながら、声を張り上げた。
自身の選挙区での活動を約2時間ほどで終えると、地方へ飛ぶ。事務所には全国の候補者から応援演説の依頼が殺到しているからだ。夜中に千葉に戻り、翌朝は駅頭…という過酷な毎日を過ごしている。「民主党代表、民進党幹事長を務めながら、常に議員たちに『泥水をすすってでもはい上がって来るんだ!』とゲキを飛ばしていた。その責任は取らないといけない。自分の選挙だけをやるわけにいかないでしょう」とタフネスに笑う。
応援に行くのは「また国会で一緒に仕事したいな、と思う人」。民進党は希望に合流した者、枝野幸男氏らとともに立憲民主党を結成した者、安住淳氏、玄葉光一郎氏らのように無所属を選ぶ者に分かれた。野田氏自身は無所属で戦うが、応援には希望も立憲民主も関係なく駆けつける。「私は無所属だからこそ誰の応援にも行ける」
その行動の根幹にあるのは「もう一度、やり直したい」との思いだ。希望との合流騒動に巻き込まれる中で「民進党は短い時間の中、議論をする間もなく、いろいろな事情も抱えながらバラバラになってしまった」という悔しさがある。
現在、民進党では参院を中心に党の存続を呼びかける声が出てきている。だがその一方で枝野氏は復帰を否定するなど混乱状態だ。野田氏は「やはり選挙が終わったら、一度総括をしないといけない」と真剣な表情。「そして本当の仲間たちともう一回やり直したい」と有志による再結集の構想を明かした。
そのためにも自身の選挙で負ける訳にはいかない。「無所属は1票差でも負ければ落選。比例復活できないですから」。通勤するサラリーマンらに支持を訴え続けた。(浦本 将樹)
千葉4区(船橋市)は野田氏のほか、深津俊郎氏(69)=共新=、木村哲也氏(48)=自新=、佐藤浩氏(52)=維新=も立候補している。【注】届け出順。