衆議院総選挙が来週に迫ってきました。
直前の複数の新党が立ち上がり混沌としている選挙情勢ですが、皆さんはどのように見ていますでしょうか。
突然ですが、若い方たちにお聞きします。あなたは選挙へ行きますか?
「行くに決まってるじゃないか」という方は、この記事を読む必要はありません。そのまま、しっかりじっくり、選挙について考えてください。
「行くかわからない」あるいは「行かない」と答えた方、それはなぜですか?
もしかして、「自分が投票したってなにも変わらない」と思っていませんか?
この記事は、そんなふうに思っている方に是非読んでもらいたいです。あなたの一票が、どんな効果を持っているのか。
憲法改正だとか、外交だとか、難しいことは言いません。数字で語るだけです。気楽に読んでください。
前回の衆議院選挙の投票データ
まずは、前回の衆議院選挙の投票データを見てください。各世代別の投票数と投票率はこんな感じになっています。*1
第46回衆議院選挙における年齢別投票率
年齢 | 有権者数 | 投票者数 | 投票率 |
---|---|---|---|
20~24歳 | 24881 | 8782 | 35.3% |
25~29歳 | 27388 | 11024 | 40.3% |
30~34歳 | 30317 | 14271 | 47.1% |
35~39歳 | 36097 | 19000 | 52.6% |
40~44歳 | 35962 | 20388 | 56.7% |
45~49歳 | 31311 | 19559 | 62.5% |
50~54歳 | 30610 | 20411 | 66.7% |
55~59歳 | 32747 | 22683 | 69.3% |
60~64歳 | 40829 | 29874 | 73.2% |
65~69歳 | 32500 | 25075 | 77.2% |
70~74歳 | 28460 | 21762 | 76.5% |
75~79歳 | 24963 | 17730 | 71.0% |
80歳以上 | 37303 | 17935 | 48.1% |
計 | 413368 | 248493 | 60.1% |
(引用:公共財団法人明るい選挙推進協会)
投票率でいうと、34歳以下は50%未満。50歳以上が65%以上となっています*2。
平成に入ってから、若者の投票率はずっと低いまま推移しています。特に20代の選挙離れは深刻なものになっています。
これは、データで見なくても、ニュースなどで報道されているので、多くの人が印象として持っていると思います。
投票率だけでなく、総数で見ると?
そして、投票率だけでなく、もうひとつ着目してほしいデータがあります。それは、投票数です。
若者はそもそも人口数が少ないので、投票率が同じでも、投票総数は絶対的に少なくなります。
有権者数が少ないにも関わらず、投票率が低いとどのようなことが起こるか?
有権者数 | 投票者数 | 割合 |
---|---|---|
34歳以下 | 34077 | 13.7% |
35歳~44歳 | 39388 | 15.9% |
45歳以上 | 175029 | 70.4% |
このように、45歳以上の投票割合が70%を占めてしまうのです。
投票率が低いと、どんなことが起こるか?
このようなデータが算出された場合に、政治家がどのようなことを考えるでしょう。
「若者にいろいろ優遇しても、票持ってないしなぁ…」
すごくぶっきらぼうに言えば、こんな感じです。
政治家は、落選すればただの人です。当選してなんぼの職業です。
票を持っている世代へ向けて、いろいろとメリットのある制度を掲げて、票を集めるということは、非常に合理的なやり方です。
今後の日本を考えると憂慮する事態ではありますが、このこと自体を私は批判するつもりはありません。
日本は小選挙区制ですから、その地区の半分を票を集めれば、当選は確実です。70%以上持っている45歳以上に向けて、政策やら制度を掲げてメッセージを届ければいいのです。
実際に今の日本は高齢者優遇?
実際、今の日本を取り巻く環境を考えてみましょう。
高齢者が優遇されている医療費を負担しているのは、誰でしょうか。
定年後に支給される年金の負担をしているのは、誰でしょうか。
給与明細を見て、「社会保険料ってなんでこんなに天引きされるの?」と思ったことはありませんか?それは、医療費や年金に充てられているものです。
別に、この制度が間違っているとか、おかしいだとか、そんなことを言いたいわけではありません。
しかし、今の日本が高齢者優遇のシステムになっていることは確かです。
多くの若者が、低所得の中で、時代とともに増大する社会保障費に苦しめられています。
まとめ
あなたの一票で、日本がひっくり返ったり、そのままあなたの思い通りになる、ということはないでしょう。
しかし、あなたの一票で日本がほんの少し変わるかもしれない、ということは、なんとなくわかっていただけましたでしょうか。
例えば、34歳以下の投票率が70%を超えて、総投票数における割合がもっと存在感を見せてくるようなことがあれば、政治家の言うことが変わってくる可能性は高いと思っています。
最後に、私は無責任に「投票率があがるから選挙に行け」とは言いたくありません。
「しっかり考えて、選挙に行って」ください。それが、よりよい日本になるための、あなたが踏み出せる一歩です。