今週は牝馬クラシック最終戦である秋華賞が行われます。
近年の秋華賞馬は強い馬が多く、ジェンティルドンナ、ショウナンパンドラ、ミッキークイーン、ヴィブロスなど、古馬になってからも活躍する馬ばかりです。
そのせいか、最近の秋華賞で大荒れになることは殆どありません。
そんな中、”荒れた秋華賞”といえば2008年。3連複は186万、3連単は1098万馬券と、とんでもない配当を記録。
そんな大荒れの秋華賞、僕らは東京競馬場で観戦したのですが、その一緒に府中に行った連れが、なんと3連複を的中させたのです。
186万の万馬券。そんな馬券を当てたら、人はどうなってしまうのか?
そんな話です。
186万馬券的中男の転落劇
適当サイン馬券で3連複大万馬券を的中!
その万馬券を当てた男は、競馬仲間であった中学時代の友人の後輩の男N。当時某有名インテリ私大K大学の生徒であった。
競馬は始めて1年らしいが、中々センスが良く、午前中の未勝利から的中を連発。僕らは彼のことを「先生」と呼んでいた。
僕は裏開催である府中牝馬Sのブルーメンブラットの単複を取ったので、「秋華賞なんかどうでもいいや」と思いながら観戦。
ゴール直後、あまりの大荒れに静まり返る東京競馬場。
「やっぱり荒れたな。ブラックエンブレムもプロヴィナージュも買えるわけないやん」と思っていたら、横でそのNが雄叫びを上げている。
当たったらしいのだ。3連複が。
なぜそんな馬券を買えたのか聞いてみたら、失念してしまったが何かのサインだったらしい。つまり半ば適当といえる馬券だ。
そんな馬券が当たってしまったのだ。フリーターの年収くらいの額の配当が。大まぐれで。
200万近い馬券なので、当然機械に的中馬券を突っ込んでも出てこない。
NはJRA職員に奥の部屋に通され、札束を直接受け取った。
当然その後は彼のおごりで打ち上げ。
でも学生らしく、普通のお店で1人5000円くらいの飲食。まあそれくらいはいいでしょ。
しかし、その万馬券がNの運命を狂わせることとなったのだ。
大万馬券的中から半年後のN
それから約半年後。
それ以後Nとは会っていなかったが、Nの先輩である中学時代の友人を含め府中に行った際、Nの近況を聞いた。
「ああ、大学辞めたよ。借金まみれらしい」
「まさか!」と思った。
社会人ならともかく、186万というお金は学生にとっては凄まじい大金。そう簡単に消える額ではない。
しかし、それは普通の学生の話。
そう、彼は完全なるギャンブル依存に陥っていたのだ。
転落の始まりだったウオッカvsダイワスカーレット
秋華賞の大万馬券的中から2週間後。
彼は天皇賞秋に単勝20万円を突っ込んでいた。
その買った馬というのはダイワスカーレット。
結果は……競馬知ってる方はご存知の通り。
ハナ2cm差でウオッカの勝利(僕は今でもあのレースはダイワスカーレットが勝ったと思っているけど)。Nはひどく悶絶したらしい。
その天皇賞秋が熱いレースだったのがまずかったのか、Nの闘志に悪い意味で火が付いてしまった。
そう、「絶対取り返す」という感覚で今まで以上に競馬にのめり込んだのだ。
競馬・パチスロに依存。そして…
Nは大学の課題も放り出し、競馬に熱中した。
しかし、当たらない。今まで当たっていたのが全く当たらなくなったのだ。
そう、競馬やってる人はわかると思うが、競馬は熱くなったら本当に当たらないのだ。かのウォーレンバフェットもそんな話をしていた気がする。
Nのギャンブル熱はそれでも覚めない。
その焼けるほど熱くなったギャンブル熱をパチスロにまで突っ込んでしまい、秋華賞の大万馬券的中から半年後、Nが手にした186万円はあっさり無くなったのである。
挙句の果てには、その中学の友人からも借金をする始末。サラ金・闇金に手を出したかは知らないが、他にも借金があったという。
結局、K大学まで中退。
そのまま卒業していたら有名企業に潜り込んで、その万馬券以上のリターンを得られたかもしれないにも関わらず、ギャンブル熱に全てを壊された。
Nが現在どうしているかは誰も知らない状態である。
186万馬券を手にしたNの顛末
Nがどうなったかのまとめです。
・ギャンブル依存に陥った
・お金が無くなった
・借金をしまくった
・友達も去った
・高学歴の権利を失った
ロクなもんじゃないですね。
Nという男は、186万という臨時収入が入ったおかげで、後々得られたかもしれないリターン(学歴・就職・年収など)を全て失ってしまったのです。
これは悲劇です。
何かのきっかけでギャンブルに全てを狂わされてしまった人間は実際存在するのです。
ギャンブルは身を滅ぼす
Nは私大最高学歴であるK大学。つまり、完全なバカなはずがないんですよ。
そんな人間でも身を滅ぼす可能性を秘めているのがギャンブルです。
大王製紙の元社長もそうでしたね。
84億円もの会社の金を横領し、カジノとFXで全て溶かした。
子供の頃から帝王学を学んできたであろう人間が、犯罪に手を染めてまでギャンブルにのめり込んでしまうのです
ギャンブルやるなら少額で
僕も競馬をやっていますが、週に1レース5000円前後の投入です(1万以上の投入は年に1~2回あるかないか)。
一応社会人なので、週5000円程度なら負けても痛くも痒くもない。
熱くなると勝てないのは分かっているので、「取り返してやる!」という気持ちにもなりません。「次のチャンスを待つかー」くらいのノリです。
我ながら上手く競馬と付き合っていけていると思います。
ギャンブル依存を避けるギャンブルとの付き合い方
個人的にパチンコ・パチスロは嫌いですが(時間の浪費感が耐えられない)、ギャンブルは楽しいと思います。
でもギャンブル依存になってしまっては元も子もないので、ギャンブル依存にならないギャンブルとの付き合い方を挙げると…
・基本少額
・負けても熱くなってその日に取り返そうとしない
・そもそもギャンブルで本気で儲けようと思わない
・ダメな期間が続いたら、思い切って休んでみる
・大きな収入が転がりこんだら悪い予兆だと思う
まあ、上に挙げたことを常に念頭に置いていれば、そうそうギャンブル依存にはならないと思いますよ。
仕事してた方がお金を稼ぐ効率はずっと良いです。
ま、それが上手くできない所がギャンブルの難しい所なんですけどね…。
せめて、今回の記事が誰かのギャンブル依存を抑える役割になれたなら幸いに思います。