スマートニュースが2017年10月10日に世界で2500万を超えたと発表しました。10月13日には既に上場しているGunosyが2018年度の第1四半期決算を発表したので、ビジネスモデルが極めて近い2社を比較しながら、主にGunosyの決算を振り返りたいと思います。
ニュースアプリのビジネスモデルとGunosyの直近決算
ニュースアプリのビジネスモデル
ニュースアプリのビジネスモデルは基本的に非常にシンプルです。売上はアプリ上での広告売上と構築したアドネットワークで自社のアプリ以外の他媒体に広告を掲載してあげる売上の2つになります。
アプリ上での広告売上は下記のようにアプリ内に広告を表示して、それに対して広告費用をもらうモデルです。
アドネットワークでは、下記のように提携先の外部パートナーメディアに広告掲載を行い、レベニューシェアを行うモデルです。
出典:https://gunosy.co.jp/files/gunosy_salessheet.pdf
Gunosyの2018年度第1四半期の売上高は24.1億円、内15億円がアプリ上の広告、内8億円がアドネットワークの売上となっています。アドネットワークは外部媒体とのレベニューシェアモデルのため、売上から原価となるレベニューを引く必要があり、gunosyの決算書によると8億円のアドネットワークの売上の内、5.74億円がアドネットワーク原価として計上されています。計算するとGunosyではアドネットワークの売上の内、70%を外部媒体にレベニューシェアとして払っていることがわかります。
Gunosyの2018年度1Q決算状況
Gunosyの2018年度1Qの状況は下記の通りです。新規ユーザーを獲得するための広告宣伝費の比率が22%とそれなりに投資を行っていることが伺える一方で、売上高に占める人件費比率が13%とかなり低いことがわかります。人力ではなく、テクノロジーの力で収益をあげていることが決算データからも読み取れます。
※Gunosy2018年度第1四半期決算説明資料より独自に作成
Gunosy、スマートニュースのアプリDL数などの各種指標の比較
公表された資料によると、スマートニュースのダウンロード数が世界で2500万に対して、Gunosyは国内累計2509万(ニュースパス含む)とほぼ互角となっています。一方でGunosyの直近の決算説明資料によるとグノシーとニュースパスのユーザー重複率が6%あるとのことなので、厳密にはGunosyのユニークのダウンロード数は2509万の94%の2358万程度と考えられます。
年間DL数はスマートニュースが600万に対してGunosyは891万
年間のダウンロード数は公表された資料から読み取ると、スマートニュースが2016年10月〜2017年10月で600万DL、Gunosyは2017年1Qから2018年1Qで891万DLとなっており、ニュースパスの発表など打ち手を増やしているGunosyの方に勢いがある結果となっています。
アクティブユーザー数はスマートニュースが月間600万に対して、Gunosyは非公表
冒頭で紹介したスマートニュースのリリースにて、アクティブユーザー数が月間600万人を超えていることが発表されています。Gunosyについてはアクティブユーザー数は増加率の発表はあるものの、具体的な数値は非公表となっています。
Gunosyの直近CPAは200円、広告宣伝費は1Qで5.47億円
先述のダウンロード数の推移のグラフにある通り、GunosyはCPAを公表しており、前年までは400円〜500円で推移していましたが、KDDIと共同で提供しているニュースパスを導入してからCPAが一気に下がり、直近では200円前後で推移しています。
GunosyのCPAの推移については、少し古いですが下記の記事に詳しく書いてあります。Gunosyの最初のテレビCMは失敗したと有名なのですが、その辺りの話も生々しく書かれています。facebook広告のコストパフォーマンスが高かった頃はCPA50円程度で獲得できていたようですが、記事執筆当時の2014年には400円程度で落ち着いたとのことです。
20万から50万ダウンロードまでの間は資金調達の1回目を終えたため、月間500万円くらいで「Facebook Ads」を中心に出稿した。当時はまだ広告主の数が少なかったため、とても効率良く出稿できたそうだ。
「CPA(顧客獲得単価)で安い時50円とかだった。いまだと普通に出して400円とかになる。適当に作ったバナーで数字が取れたので非常にいい時期でした。もっとやっておけばよかったと率直に思いますね」(竹谷氏)。
まとめ
起業したいと思っていなくても、スタートアップに転職したいと考えるのであればその企業のビジネスモデルについて思いを馳せることは自分が何を頑張ればいいのか理解する上で非常に重要なことだと思います。スタートアップのビジネスモデルは紐解くとシンプルであり、決算数値を見てもわかりやすい部分が多いかと思います。今後も上場するスタートアップが増えていくと思いますので、未上場のスタートアップと比べながら数値を紐解いていきたいと思います。