ジャックダニエルの記事に対するコメントでヒートアップしている話題として、ジャックダニエルはバーボンか否か、という議論があります。
ジャックダニエルはテネシー州リンチバーグで作られていて、テネシーウイスキーとして知られており、メーカーもそれをメインに推しています。
しかしながら、アメリカの法律では、バーボンを、スパークリングワインにおけるシャンパンや、ブランデーにおけるコニャック、アルマニャックのように産地を限定しておらず、ジャックダニエルがバーボンの一種とされるというややこしい事態が存在しています。
バーボンとは、厳密に言えば、ケンタッキー州バーボン郡で作られるウイスキーとされています。
一方でアメリカの法律上では、ケンタッキー州バーボン郡でなくても、下記の基準を満たすとバーボンと名乗れます。
ジャックダニエルもこの条件を満たしているので、「法律上、ジャックダニエルはバーボンだ」という結論が出るわけです。
しかし、本当にこれでいいのでしょうか?
本場のバーボンを買ったと思ったのに、実際には全く違う州で作られていると知ったらがっかりするでしょうし、バーボンの名に傷が付くことでしょう。
法的にそうなんだ、という人たちは、職人たちの思い入れやロマンなど全く理解できないナンセンスな連中だと思います。
その点で言えば、バーボンを作るケンタッキー州バーボン郡の蒸溜所、メーカーにとっても、テネシーウィスキーとして売るジャックダニエルにも幸せとは言えません。
やはりシャンパンやコニャックのように、バーボン郡のウイスキーと地域を限定した方が同じ基準でわかりやすく、ブランドイメージも高まると思います。
近年になって、ジムビームを売るビーム社をサントリーが買収しましたが、これを機に、バーボンというブランドをバーボン郡のウイスキーだと確固たるものにすべく、政治活動をしてもらいたいと思うのは私だけでしょうか。
ジャックダニエルはテネシー州リンチバーグで作られていて、テネシーウイスキーとして知られており、メーカーもそれをメインに推しています。
しかしながら、アメリカの法律では、バーボンを、スパークリングワインにおけるシャンパンや、ブランデーにおけるコニャック、アルマニャックのように産地を限定しておらず、ジャックダニエルがバーボンの一種とされるというややこしい事態が存在しています。
バーボンとは、厳密に言えば、ケンタッキー州バーボン郡で作られるウイスキーとされています。
一方でアメリカの法律上では、ケンタッキー州バーボン郡でなくても、下記の基準を満たすとバーボンと名乗れます。
- アメリカ合衆国内で作られること
- 原料にトウモロコシを51%以上使うこと
- 蒸溜時のアルコール度数は80度以下にすること
- 内部を焦がした(チャー)新品のオーク樽に2年以上貯蔵すること
- 樽に貯蔵する際のアルコール度数は62.5度以下にすること
- ボトリングの際のアルコール度数は40度以上にすること
ジャックダニエルもこの条件を満たしているので、「法律上、ジャックダニエルはバーボンだ」という結論が出るわけです。
しかし、本当にこれでいいのでしょうか?
本場のバーボンを買ったと思ったのに、実際には全く違う州で作られていると知ったらがっかりするでしょうし、バーボンの名に傷が付くことでしょう。
法的にそうなんだ、という人たちは、職人たちの思い入れやロマンなど全く理解できないナンセンスな連中だと思います。
その点で言えば、バーボンを作るケンタッキー州バーボン郡の蒸溜所、メーカーにとっても、テネシーウィスキーとして売るジャックダニエルにも幸せとは言えません。
やはりシャンパンやコニャックのように、バーボン郡のウイスキーと地域を限定した方が同じ基準でわかりやすく、ブランドイメージも高まると思います。
近年になって、ジムビームを売るビーム社をサントリーが買収しましたが、これを機に、バーボンというブランドをバーボン郡のウイスキーだと確固たるものにすべく、政治活動をしてもらいたいと思うのは私だけでしょうか。
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<2017/10/3 追記>
多数のご意見を頂戴し、誠にありがとうございます。
こうした議論を起こさないと、ジャックダニエルはテネシー・ウィスキーなのか、バーボンなのか、うやむやで終わってしまいかねません。
ご意見をいただき、興味深かったのが、現状のアメリカンウイスキーの9割がケンタッキーストレートバーボンで、間違いが起きることがほとんどない状況では、法改正は難しい、というものでした。
そうなると、バーボン郡以外のウイスキーが高いシェアを築き、アメリカ国外で正真正銘のケンタッキーストレートバーボンだ、と名乗るような自体にもならない限り、すっきりした法改正は成り立たないかもしれません。
そもそも、法律自体、民衆同士での争い、トラブルに対して、解決する基準になるものであることが前提です。
しかしこうやってテネシー・ウィスキーがバーボンと一括りにされて、こうした議論を巻き起こしていること自体、その法律は欠陥だと言えるのではないでしょう。
是正されることを切に願います。
なお、送られたコメントの中で、罵詈雑言しか殴り書きしないものや、この記事以外にコメントを立てて、勝ったの負けたのとレベルの低い的外れなもの、単に嫉妬レベルの情けないものについては、公開に値しないとして独断で削除しました。
まぁ、ここは私が道楽で評論家のまねごとをして書いているだけのサイトです。
これをウイスキー選びのツールにしていただければ幸いです。
しかし、こんな素人にかみつく連中はもっと低レベルだとさらしているのにも気づかないのでしょう。
別に、このブログで生活費を稼ぐわけでもなく、クレームを叫ぶ相手にもペコペコ謝る必要がないので、嫌なら見なければいい話です。
こんなブログでも好き好んでみてくださる方だけで結構です。
かみつくなら、土屋守先生にでも挑んでください。
<2017/10/3 追記>
多数のご意見を頂戴し、誠にありがとうございます。
こうした議論を起こさないと、ジャックダニエルはテネシー・ウィスキーなのか、バーボンなのか、うやむやで終わってしまいかねません。
ご意見をいただき、興味深かったのが、現状のアメリカンウイスキーの9割がケンタッキーストレートバーボンで、間違いが起きることがほとんどない状況では、法改正は難しい、というものでした。
そうなると、バーボン郡以外のウイスキーが高いシェアを築き、アメリカ国外で正真正銘のケンタッキーストレートバーボンだ、と名乗るような自体にもならない限り、すっきりした法改正は成り立たないかもしれません。
そもそも、法律自体、民衆同士での争い、トラブルに対して、解決する基準になるものであることが前提です。
しかしこうやってテネシー・ウィスキーがバーボンと一括りにされて、こうした議論を巻き起こしていること自体、その法律は欠陥だと言えるのではないでしょう。
是正されることを切に願います。
なお、送られたコメントの中で、罵詈雑言しか殴り書きしないものや、この記事以外にコメントを立てて、勝ったの負けたのとレベルの低い的外れなもの、単に嫉妬レベルの情けないものについては、公開に値しないとして独断で削除しました。
まぁ、ここは私が道楽で評論家のまねごとをして書いているだけのサイトです。
これをウイスキー選びのツールにしていただければ幸いです。
しかし、こんな素人にかみつく連中はもっと低レベルだとさらしているのにも気づかないのでしょう。
別に、このブログで生活費を稼ぐわけでもなく、クレームを叫ぶ相手にもペコペコ謝る必要がないので、嫌なら見なければいい話です。
こんなブログでも好き好んでみてくださる方だけで結構です。
かみつくなら、土屋守先生にでも挑んでください。
コメント
コメント一覧
頭が悪いんですか?
…例えば日本酒を海外でで同じ製法で作ったとして、それが日本酒じゃないと言われれば微妙ですし。
バーボンにしても製法が同じで味わいも同じくくりの物をバーボンと呼んでもいいような気がします。バーボン群でうまれた製法という事でかわりないですし。
私自身、この記事を見るまでバーボンはブランデーと同等ぐらいの広義の意味として捉えてました。勉強不足ですね。
法律でそうなっているから従え、というのがあなたの主張ですか?
あなたの方が頭が悪いですよ。
もし18歳になったら自衛隊に必ず入るという法律があったらあなたは従うんですか?あなたの主張からすれば、大人しく従うべきと言っているのと同じです。
法律がおかしいなら改正するのが当然で、私はその法律がおかしいと主張しているのです。
法律を変えることを認めないというなら、法律の制定や改正を行う国会などの立法府の存在を全否定するのと同じですよ。
民主主義の政治にあらず、絶対君主の政治をお望みなのか?
日本酒は、海外では「SAKE」という呼称になっていて、日本である定義が名称からないんですよね。
日本酒自体も、洋酒に対する対義語として日本人が区別のために呼んでいるだけで、酒、清酒というのが本来です。
バーボンとは別にアメリカンウイスキーという呼称もあり、法的に言われる
バーボンの範疇に含まれないものも呼ばれます。
そうなると、アメリカンとバーボンの違いって何よ、と聞かれたとき、詳しい
知識がないと説明が出来ないですね。
もし味が典型的なバーボンであれば有名な酒ですから、詳しくない人にはバーボン(厳密にはちょっと違うけど)と言っても差し支えないですかね?
サトウカエデの炭で濾過を行っているので、バーボンとは異なった印象です。
サイトを見るとバーボンではなく、テネシーウイスキーだとプライドとともに記載があります。
それが伝わらないのは切ないですね。
まぁ、ジャンルはさておき、美味い酒ではあり、ジャックダニエルは結構好きです。
そもそも私好みはスコッチで典型的なバーボンだとメイカーズマークがギリギリなので、やっぱりジャックはバーボンではないと思いますけどね。
RERAさんに賛成です!
https://www.jackdaniels.com/faqs
IS JACK DANIEL'S A BOURBON?
Jack Daniel's is not a bourbon - it's a Tennessee Whiskey. Jack Daniel's is dripped slowly - drop-by-drop - through ten feet of firmly packed charcoal (made from hard sugar maple) before going into new charred oak barrels for maturing. This special process gives Jack Daniel's Tennessee Whiskey its rare smoothness. It's this extra step - charcoal mellowing – that makes Jack Daniel's a Tennessee Whiskey. Take a look at our Process section for more information about how Jack Daniel’s is made.
作り手はバーボンではない、テネシーウイスキーなんだと言っています。
一方で法改正まで主張されておられる真意が私にはわかりません。私個人としては、ジャックダニエルはバーボンだよ、という捉え方に作り手のポリシーを紹介し続けるのが作り手への敬意になるのではないかと考えます。作り手が既に法改正の主張・行動をとられておられることをご存知の上で共感・行動を共にしていこう、という趣旨であればご容赦下さい。
飲んだ感じも、テネシーウィスキーの方がしっくり来ます
ボジョレー・ヌーボーとかってクソ不味い液体をワインって言ってる人達には解ってもらえないかも知れませんが(笑)
ジャックダニエルのこの話になると必ずヒートアップする人が出てきちゃいますが、ジャックダニエルはバーボン(としての定義を満たしている)であると同時にテネシーウイスキーでもあり、その上でメーカー自身がテネシーウイスキーであると謳っているのですからテネシーウイスキーという事でいいのではないかと考えます。
確かにそう言われると法律がおかしいと言っていくのは大事だと気付かされました。大変失礼致しました。
いつもたのしく拝見させていただいております
ケンタッキー州で作られたバーボンはケンタッキーストレートバーボンというくくりになります
バーボンの中にテネシーウイスキーがあり、ケンタッキーストレートバーボンがある・・・ということになります
だから、バーボンをバーボン群で生産したものに限定すべきという論調は成立しない。
寧ろ、バーボンの製造方法を他州に持ち出し、その文化を継続させることに貢献した蒸留所にバーボンを名乗る資格を与えたアメリカの法律は正しいと思える。
と考えると、バーボンの製造方法を踏襲した上で、バーボンを否定するJDは傲慢なんだよね。
バーボンを開発した先人に対する敬意が感じられない。
禁酒法によって、多くの蒸溜所が廃業に追い込まれたことは確かで、
バーボンを復活させるために州外での製造を認められる法律にしたという
あなたの意見もわからなくはないです。
しかしながら、バーボンと名乗る論理的な理由はあるでしょうか。
名乗るのであれば、アメリカンウイスキーというのが妥当ではないでしょうか。
現実的にはバーボンおよびテネシーウイスキーはアメリカの一大輸出産業となっており(数年前に合計の年間輸出額が10億ドル突破)、「バーボン」ブランドは国内のみならず世界に波及しています。
そこで今さらバーボンの定義を狭めたり、モルトやらライやらコーンやらが含まれる「アメリカン」という大ざっぱな分類に他地域のバーボンを降格させることは、ことに通商政策としては考えにくいのが実情です。
(ウイスキーの定義をしている連邦規則集の該当条項は貿易を念頭にしていますからね。話は逸れますが、条文のなかにスコッチ、アイリッシュ、カナディアンの定義はあるのに、ジャパニーズだけ無いというのは「五大ウイスキー」の虚しさを感じます・・・)
バーボンのほとんどがバーボン群で作られ(バーボンの95%がケンタッキー州産)、彼らが誇りに思っていることは間違いないですが、それ以上に、国レベルで「バーボンは“アメリカ”の酒」という自負があるのも事実です(連邦議会でそのように決議されたことも何度かあります)。
もし何か差別化をするとしたら、バーボン群内で製造されたものだけに追加で特別のラベル提示を許可するといった方策は考えられますけどね。
これについては正にRERAさんが代表格に挙げているジャックダニエルが主導して様々な政治運動を展開していますね。
その成果といえば、NAFTAやテネシー州法においてテネシーウイスキーをバーボンとは別個に定義させたことですが、NAFTAなど貿易関係をみると「テネシーで製造されたストレートバーボン」という、バーボンの一種である旨が定義されるのみです。
一方、テネシー州法ではバーボンの製造上の定義(コーン51%以上とかチャーしたオークの新樽使用など)と「テネシー州で製造すること」にプラスして「サトウカエデの炭で濾過(メイプル・チャコール・メローイング)すること」も定義に含まれました。
しかし、これはおかしい。なぜなら、チャコール・メローイングはテネシーの特徴ですが、炭にサトウカエデ(メイプル)を使用するのはあくまでもジャックダニエルの伝統製法です(それどころか伝統的にメローイング製法を行っていない蒸留所もあります)。
はたしてジャックダニエルの政治運動はテネシーウイスキー業界全体のことを考えてのものだったのか?市場独占、抜け駆けを画策したのではないか?ただでさえ禁酒法によってバーボン以上に苦境を強いられたテネシーなのに、こういうやり方はどうなんだろうと思わされます。
この法律は他のメーカーから改正の議論があるものの、今のところ有効なままです。
一概には良いとか悪いとか言えないのが商売の難しいところではありますが、世界的視野をもって業界全体を盛り上げてほしいものですね。
詳しいご意見、ありがとうございます。
そうなると、バーボン郡以外で作られたウイスキーがバーボンを名乗り、トップシェアを得て、海外でももっとも売れているバーボンにでもならない限り、物議を醸すことは叶わないのでしょうか。
それはそれで寂しいですね。
私も、RERAさんのようにバーボンという概念の定義によりけりだと思います
言葉の意味が朝令暮改的に変わり過ぎることは望ましくないと思いますが、学術用語や純粋に法的な用語などはさておき、こと文学的なというかロマン的なというか、感性に働きかける用語ないしその文脈において限定的にそういった意味で特定の言葉が使われる場合に関してはやはり定義に含みがある方が良いのではないでしょうか?
今回の「バーボン」は後者の意味で使われているため、>>1さんのコメントは的はずれなのではないでしょうか?
なるほど、バーボンという名称をそこまで重く考え、尊重していらっしゃったんですね。
個人的に法律が間違っているなら正すべきという意見にも賛成です。
ただすでにバーボンという名称が「普通名称化した商標」状態になっているのではないかと思います。この現状を変えるにはcomeyさんが書かれたジャックダニエルの例のように相当な政治運動が必要なんじゃないでしょうか。
礼儀から学びなおした方がよかとです
「バーボン」という単語が現状法で定義されているようなウイスキーを指している以上、定義に当てはまるウイスキーにはバーボンを名乗る権利があります(その是非は置いておく)。 そしてそのバーボンという名前はある意味で宣伝文句になるんです。このウイスキーはバーボンの一種だよっていう感じです。バーボンの規格に当てはまるなら、消費者には一定の信用を受けられるのですから。
ですがヒットして商品の名前だけで売れるようなところまで成長すれば、バーボンの名は必要なくなる、というのは過言ですが、その区別の中にいる必要性は薄まります。そうなると他のバーボンと一線を画することを種別で示した方が販売戦略として良いのは明瞭でしょう。なんせジャックダニエルという前例もありますしね。
勿論一社だけがそんな主張をしたところで簡単には受け入れられません。しかし世の中二匹目のドジョウ狙いの人間はいますし、そうでなくても旨いウイスキーを作れる場所がバーボンやテネシー以外にもあると知ればそこに新しい蒸留所が多く造られる可能性はあります。そうなればその地のウイスキーを名乗る正当性はグンと上がります。
こういうことが沢山起きればバーボンの再定義をされる可能性も出てくるでしょうが、そうなると前述の「名前を借りる」という市場参入におけるアドバンテージを得にくくなりますし、現状でバーボンの再定義をしようとしても意味無いだろとばかりに却下されてしまうでしょう。まあつまるところそう簡単に再定義出来るものではないのかもしれません。
その話については「ジャックダニエルはバーボン?」の追記分で私の見解を書いていますので、そちらをご覧ください。
もっとも危惧しているのは「パクリ」です。
あなたの書いているように、バーボン郡以外のウイスキーがトップシェアを獲得して、海外でもバーボンとしてあたかもバーボン郡で作られているもののように認識された場合、「ケンタッキーストレートバーボン」を作るメーカーのブランド価値を損なう危惧をしています。
そうなった状況で法改正するかもしれませんが、そんな泥縄的ではなく、予防的措置で今のうちから再定義するのが賢明だ、というのが私の持論です。
シャンパンやコニャックにしても、そうしたパクリに対する保護の目的で法律で規定化されています。それに倣って日本で作られたワインとして日本ワインという規定も来年には施行されます。
個人的に、
シャンパンはシャンパーニュ地方のスパークリングワイン。
コニャックはコニャック地方のブランデー。
なのにバーボンはバーボン郡のウイスキーではないのか?
と、一般人の見地からしてスッキリしない、わかりにくい現状に対して素朴に疑問を呈したわけです。
法律で決まっているからそう覚えろ、とか、それはウイスキーを知らない一般人に対する傲慢な意見に思えます。
その発想で言ったら、シャンパーニュ地方でない場所で同じ製法で作っているからシャンパンじゃん、というのと同じです。
シャンパンでそういうと法的にはアウトですが、バーボンはOKだということです。
仮にカリフォルニアでバーボンの定義で作られたウイスキーがバーボンと名乗ることに違和感はないのでしょうか?
ないのでしたら、これ以上は何も書きません。
ですから、即効的にバーボンの再定義をするのは難しいという話です。
地域の名を冠した物は正しくその地域だけで作られた物だけが名乗って良い、その考えには概ね賛同します。もっとも同じケンタッキー州で造られていても、バーボン郡とは限りませんので一定の妥協は必要でしょう。
しかし同時に、「バーボン」というウイスキーが半ば一般名詞化し、法においても、概ね「アメリカで製造される、コーン51%以上を原料とし、チャーした新オーク樽で貯蔵されるウイスキー」となっている以上再定義自体が難しい。
現在アメリカにおいてケンタッキー州以外でのウイスキー製造は一般的に盛んではなく、そして新たなヒット商品がケンタッキー州以外から出た場合には、製造者自ら差別化すべく「その地の名前を冠した」ウイスキーとしようとするだろうと私は考えています。つまり、ヒットするまではバーボンの名を借りて、商品の名前だけで売れるまでになったらバーボンを名乗ることは止めてしまうのではないか、ということです。
そうなると、起こるのはバーボンの再定義より先に「新たに生まれたアメリカンウイスキーの一種」がどんな定義を持つのかという議論なのでしょう。新たな定義を作る方が、それまでバーボンを作っていた人々の反発もありませんし(勿論これが切っ掛けになってバーボンの再定義がされるという可能性はあります)。
RERAさんの見解としては今のうちに再定義をすべきとのことですが、やはり切っ掛け無しに現状を変えることは難しい。テネシーウイスキーの一件だけでは力不足です。あれも現状の定義では「バーボンの一種」を脱していません。
確かに場所は違うでしょう。ですがきちんと現在のバーボンの定義に則って造られているならそれはれっきとしたバーボンなのです。そして新参であろうと、場所が異なろうと職人の志は変わらないと思います。また、その地の名前を冠したウイスキーであると主張したくても、名と力がなければそれは出来ない。そうなれば必然バーボンという土俵に立たざるを得ないのです。
やはりRERAさん自身の意見は持ちつつも、現行法の定義には従うべきなのでは。
お互いに考えが違うのはお分かりのはずです。
それでも私に意見を変えろと求めるのでしょうか?
それは議論の方法としては間違っています。
現行の法律を遵守することは当然のことですが、だからといって永遠に従え、というのは話が違います。
時代や環境の違いによって法が合わなくなれば、改めていくこともまた当然のことです。そのために立法府が存在するわけです。
法律に従うことと、法律を改めるよう訴えることは、どちらも認められていることです。
もし私がその法を無視しているというのであれば、それはあなたの勘違いです。
従わざるを得ないのは致し方ないことです。
しかし、改めることを止める権利はあなたにもありませんよ。
私があなたの議論に屈することを求めるのであれば、水掛け論で終わりになりますので、無駄なことですのでおやめください。
議論はしつくしたのでもう終わりです。