【図解】どれにする?棚板を固定する方法
棚板を固定するには?
基本構造の図解では、側板と棚板の固定方法について深く解説しませんでしたが、3DCGのように空中に棚板が浮く訳ではなく、何かしらの方法で、側板に固定しないといけません。固定方法も沢山のバリエーションがありますので、レベルに合わせて選択しましょう。
今回は棚板を固定する方法について。
ー目次ー
棚板を固定する方法を選択する、その前に!
棚板の固定方法を選択する前に、棚に何を載せるのか?によって、求められる強度が異なってくることに注意しましょう。
固定の方法もですが、棚板自体の厚さ、構造なども検討が必要となってきます。
スタンダードな釘、ビスでの固定
スキルレベル1【☆】
まず、最初は釘やビスによる固定方法です。簡単ですが、棚板の木口に釘やビスを打つことになるので、強度は思ったよりも低いです。釘の場合はとくに引っ張りに弱いので、長さも十分に確保しないといけません。また、棚板自体が薄いと、少しでも斜めにビスが入ると板を突き出る可能性があります。ある程度の厚みのある棚板の場合に利用出来ます。
ビスでの固定は手軽に出来るので、初心者のうちは、この固定方法が本命ですね。
ビス頭も座堀してダボで埋めれば、見た目も悪くありません。
ビスや釘での固定方法の詳細はついてはこちら。
可動棚を手軽に実現。棚板レール
スキルレベル1【☆】
可動棚を手軽に作成する方法として、棚板レールというものがあります。側板にレールをビスで固定して、棚を支えるフックを取り付けます。レールには無数の取り付け穴がありますので、好きな位置にフックを取り付けることが出来ます。
実用性もあり、手軽に施工出来るので、初心者向きです。作品のデザインとマッチするのであれば、利用を検討してみてはどうでしょうか。
便利棚(べんりだな)棚柱(棚受けレール)ハシゴタイプ・ステンレス製・全長1820mm
金物を使って強度アップ!
スキルレベル2【☆☆】
金物を使って棚板を支える方法もあります。金物単体というよりは、釘などで側板と棚板を接合した後に補強として入れるとよいです。耐荷重に優れた構造ですね。見た目が気になる場合は、金具の厚み分、座堀をするとキレイに収まります。
下の画像は「金折」という名前の金物になります。
L字金物、T字金物を使った固定方法です。金物のデザインによっては、そのまま装飾として見せてもよいですね。
但し、沢山使うとコストが掛かります…。
こちらの場合も、これ単体で固定という訳ではなく、釘、ビスの接合を補強するモノと考えて下さい。
工夫次第で使える、すのこ方式
スキルレベル3【☆☆☆】
DIYでもよく利用される「すのこ」。すのこを使ったレシピも沢山公開されていますね。「すのこ」と言えば、細い板を角材でつないだ構造となっていますが、その構造で棚板を固定する方法です。
側板側に細い角材を固定し、その上から棚板をのせます。さらに棚板を角材に固定すると強度もアップ。
すのこのように細い板を並べて側板とする場合には、板を繋ぐ役目と棚板を支える役目の一石二鳥を狙えます。
棚板が薄い場合は、この方法を選択します。
デメリットとしては角材の木口が見えてしまうこと。見た目を気にしないのであれば、強度と組み立てやすさを兼ね備えた方法になります。
角材を沢山つけると、可動式の棚としても利用出来ます。沢山ビス留めが必要なので、少し手間が掛かりますが…。
木口を隠しつつ、強度アップを図る方法もあります。
前面に幕板を取り付ける方法です。
幕板を取り付ける方法は木口を隠す手法として覚えておきたいテクニックの一つ。
見た目も重厚感があって、作品によっては取り入れたい手法ですね。
難易度は高いが、手持ちの工具でチャレンジできるダボ方式
スキルレベル4【☆☆☆☆】
ダボによる接合方法です。側板と棚板の同じ位置に正確に穴あけをする必要があるため、難易度は高いのですが、専門的な道具が必要なく、手持ちの電動ドライバーなどが利用出来るので手軽と言えば手軽。
見た目もスッキリと出来る点がメリットです。
棚ダボと呼ばれる金属製のダボによる可動棚もよく見られる方式。
溝のほり方は、棚板に捨て板をクランプなどで固定して、ダボと同じ太さの木工用ビットを使って、板と板の間を狙って穴をあければ、丸い溝が出来ます。
強度、見た目も最強。組み手を使った接合
スキルレベル5【☆☆☆☆☆】
トリマー、ルーターといった電動工具が利用出来る場合は、大入れ組み手という方法で接合することが出来ます。
側板の内側に棚板受ける溝を掘る方法です。棚板とピッタリサイズの溝を掘る必要があるため、上級者向けの接合方法です。
ピッタリと収まった場合は、強度、見た目の美しさも最強です。棚板の反りなども防いでくれます。
自分のスキルに合わせて方法を選ぼう。【まとめ】
今回は具体的な棚の固定方法について紹介しました。棚を固定するというだけで、いろいろな方法があることがわかると思います。手持ちの工具、自分のスキルと相談しながら、最適な固定方法を選びましょう。
棚作りはDIYの基本。いろんな固定方法をマスターして、適材適所に活用していきましょう。
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コメント ご意見、ご感想などお待ちしております。
はじめまして。
大変分かりやすく、勉強させて頂きました。
質問なのですが、スキル3の幕板の取り付けはどのようにしているのでしょうか?
ビス穴がなかったので、気になりました。御回答頂けると幸いです。
松岡さん、こんにちは。
私がよくやるやり方は幕板は側面からビスで固定してしまいます。前面からビスでの固定でも良いですね。
棚板が薄くてビスを打てない場合は、桟の部分にビスで固定すると良いです。
幕板の取り付け例(ちょっと構造が違いますが)の写真をアップします。
最終的には、こんな構造の作品になります。
側面、棚板ともに普通の合板なので、見栄えを良くするために幕板を使いまくっています。
ビス穴はダボで埋めると良いですね。
御回答ありがとうございます。
ビスの打ち方についてイメージ湧きました、ありがとうございます。
ビス穴のダボ隠しについては、ダボ錐を使って予め穴を空けておく方法でしょうか?
2枚目の画像では穴が消えていますが、ダボを入れてカットされているのでしょうか?
合わせて御教示頂けると幸いでございます。
宜しく御願い申し上げます。
写真の作例だと棚の幕板はビスで留めていますが、框状に組んだ外側の幕板は、ボンドと釘で取り付けてます。
ダボ埋めする場合は、最初から「皿取り錐」という下穴とダボ穴を一発で開けることが出来るビットを愛用しています。つまり、ダボ埋め前提であらかじめ穴を開けておくということになります。
テレビの趣味番組などの部屋の背景にある、棚受けの見えない棚が見えます。どのように作っているのか教えてください。
福原さん、こんにちは。
棚受けが見えない棚の取り付け方法はいろいろあると思いますが、DIYっぽいやり方としては画像の様に角材を壁に取り付けてそれにかぶせる様に棚を取り付ける方法だと思います。専用の金具などもあるようですので、「棚受け無しの棚」などで検索すると実例が出てくると思います。