守るべきルールは「3つ」あると言われる場合と、「20個」あると言われる場合を考えると、「20個」の方は、おそらく7個目あたりからうんざりしてくるだろう。そして、20個目に到達するころには、最初の方のルールをすっかり忘れているはずだ。どれほど複雑な取り決めが必要そうに見える現場でも、シンプルで分かりやすいルールに勝るものはない。何十項目にもわたる複雑なルールを、とっさのとき、あるいは毎日守ろうとするのは無理なことなのだ。
本書では、「シンプルなルール」こそ成果を出せることを、さまざまな事例を通して証明していく。それが、戦場の軍医の例だったり、成功している有名企業の例だったり、はたまた、個人の仕事に対する姿勢だったりと、規模感がまちまちな点は多少気になるが、すべての事例は「ルールはシンプルであるほど成功する」という結論に集約されていく。一見、自分の身の回りに起こることとはかけ離れているように見えることでも、その根本的なルール作りのステップにおいては、自分ごととなんら変わらないことが分かってくる。
仕事での生かし方や人生設計への生かし方など、自分に直結する問題への応用のしかたも解説されているので、毎日の複雑なことに振り回されてしまっている人にはお勧めだ。
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