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http://b.hatena.ne.jp/entry/s/note.mu/nanaoku/n/ned56cb453bec
私はとんねるずが好きなんだけど嫌いな人や批判してる人が何をいけないと言ってるのかすごくよくわかる
私も現行当時から保毛尾田保毛男は苦手だったし女性ゲストにセクハラするのも笑えなかった 
そもそも私には「お笑い」の素養が乏しいのでとんねるずに限らず大抵のお笑いは笑いの質目線では理解できないんですけどね
にも関わらず、そういう理由でとんねるず、というか石橋貴明を嫌い、まじめに批判する人の言葉にふれると、それじゃねーんだよわかってねーなと思ってしまう
リンク先のエントリでは「理解するのに素養が必要ないのがテレビの、とんねるずの笑い」と言ってるけども、笑いは知りませんがとんねるずを理解するにはちゃんと素養が必要で、それは「80年代の東京の空気」だ と私は思う
これを知らない、あるいはリアルでなくてもあの空気を想像して魅力を感じない人には、とんねるずの魅力の本質は伝わらないと思います
80年代はアイドルの全盛期で、とんねるずはお笑いコンビかつアイドルでファッションリーダーだった
夕焼けニャンニャンで女の子たちが着ていたSAILORSのトレーナーやPARSONSのスタジャン、とんねるずが着ていたK-FACTORY、みんなマネして学校で着てた
70年代の暗さを嫌い、マル金マルビとかお金のあるなしで人を振り分け、あるいはネクラネアカで人を選別して遊んでいた
アニメファンが「オタク」と命名され、笑われるようになったのも、宮崎以前に、差別化ゲームの一つとして言われはじめたのがきっかけだった
大学生が海外ブランドのバッグを持って外車に乗って、スキーだのサーフィンだの遊びまくってた
こうして並べていま見ると、ほんとくだらなくって中身ないよね
でもその空虚で中身がない感じがそれゆえに純粋にキラキラしてたように見えたんですよ
当時の私はマルビでネクラで、戸川純とかサブカル方面の所属でしたが、光が眩しければ影も濃いの法則で、暗さにそれなりのプライドを持って、キラキラ軽薄を好敵手のように感じてやっぱり楽しくやっていました
80年の1月1日に発売されたジュリーの「TOKIO」では、糸井重里の歌詞の中でTOKIOは星になり空を飛んでいた 海に浮かんだ光の泡だ、見つめていると死にそうだって

ただ、とんねるず、石橋貴明は、そういう流れの中心にいながら実は自分は暗くて、父親が事業に失敗して夜逃げしたような家庭で育ち、帝京野球部でもレギュラーになれず、高卒で、コンプレックスの固まりである自分を自覚していた と思う
笑いについても、本当は、自分の芸はたいしたことない、同世代のダウンタウンやウッチャンナンチャンのような磨いて極めていく芯もないって自覚していたんじゃないかなあ みずから「部室芸」と言ってたし
そんなコンプレックスを逆手にとって、虚勢をはって、ブラフで賭に出るような姿勢がかっこよかった
秋元康はそんなとんねるずをそのまま語るように、あえて中身のないパロディ歌謡を歌わせたんじゃないですかね
石橋の相方、木梨はそれを理解していて、ずっとパロディを崩さなかった
とんねるずを嫌い、芸がないと言う人も、木梨はそこそこ芸もありお笑いに向かう何かもあると見る人は多いんじゃないかと思うんですが、大ヒットした「情けねえ」でも木梨はずっと長渕のモノマネしてた
「情けねえ」は、湾岸戦争当時に発売されてヒットした曲で、あの戦争を傍目に浮かれるこの国を嘆きつつ、その嘆きすらパロディになってしまうという構造の曲
今振り上げた拳は芝居じみた正義さ、この世のすべてはパロディなのかって
でも貴明はこの曲を歌うとき、パロディになりきれずまじめに歌っちゃってたんだよねどうみても木梨より歌ヘタなのに
それを見ると、私は、本気とパロディの境目がくずれ、でもやっぱり虚構の側にしかいられない存在、虚構でしかゆるされないような存在の切実さを感じて、めっちゃ好きと思ってしまうんですよ

90年代前半かなー、つかこうへいが代表作「蒲田行進曲」の続編「銀ちゃんが、ゆく」をテレビドラマ化するにあたって「銀ちゃん」役を石橋貴明にと望んで実現させたとき、つかはやっぱりわかっている、石橋貴明の虚勢と小心さはたしかに倉岡銀四郎のそれだってめっちゃ感動したの覚えている
録画したVHSはずっと持ってた いまも押入のどこかにある
まあ石橋は演技も上手くないのでまじめにドラマ見たい人には不快なだけだったかもしれないし、石橋貴明を嫌いな人はだいたいつかこうへいも嫌いだろう(慰安婦問題で物議をかもすような発言もしていたし)から、同じ素養の繰り返しになるだけかもしれないですけども
三谷幸喜が「今夜、宇宙の片隅で」というドラマで石橋貴明に与えた役も、運だけでなんとなくニューヨークにいて口先のうまさだけで女にモテてる、そんな自分を自覚している男だったな
二人より前だけどジュリーを愛した久世光彦もとんねるずに「時間ですよふたたび」やらせてなかったっけ?
あーでもこの段書けば書くほど石橋貴明を嫌いな人にどこが嫌いか理解を深めていただく内容にしかならないな(笑)

私にとって石橋貴明の魅力は、レイプレイ騒動でずっと擁護していた凌辱エロゲの魅力と似てる
差別的、うんそのとおり、人権無視、うんそのとおりですねごめんなさい、子どもがマネしたらどうするんだ、本当にそう思います
現実にあってはいけないポルノ、石橋貴明は現実にいるけどぜったいお近づきになりたくない男
だったらゾーニングしてシールを貼って、好き者にしか見えないところでひっそりやれと言われたら、とりあえず、いまはそういう時代だから逆らわない
だけど、石橋貴明的なものを自分のなかで否定することはどうしてもできないし、嫌いな人が嫌いと言えば言うほど(保毛尾田保毛男はどうでもいいが)私は好きだと再確認するのはどうしようもない
でも
みんなほんとに、あれはただひたすらに悪で愚かで、愚かだから愚かな人間に一時期もてはやされただけだと思っているのかなー
野猿はガチで大好きだったし名曲揃いと思ってる、とんねるずのメタでパロディなところとスタッフ達のそんな余裕ない真剣さが一緒になって、他にない世界を作ってました平山さんマジで歌うまかったし!
lisagasu

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Reply tolisagasu
読み直すとようするに私にとって石橋貴明はノスタルジーでししかないんだな
過去しか見てないからいまの視点にたって擁護なんてそりゃできないよ 
いまはいまで同じ魅力を別の男に探してますが…

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