コーヒー消費量が減少

今、日本のコーヒー業界は仁義なき戦いの時代に突入しようとしている。

「NPD Japan, エヌピーディー・ジャパン調べ」によると、日本のコーヒー消費量は、2013年に広まった「コンビニカウンターコーヒー」によって押し上げられたが、最近は横ばい状態が続いていた。さらに、2016年7月～2017年6月計の外食・中食市場はコーヒー全体の食機会数が-0.3％減少し、コーヒーの消費量もマイナスになっていることが分かった。特に減少が目立つのは「缶・ペットボトル等の市販品以外の手淹れコーヒー」。成長のきっかけとなった「コンビニカウンターコーヒー」は-0.02％とほぼ横ばいだが、減少傾向にある「パイ」を奪い合う競争が激化しているという。

コンビニコーヒーの今後は穏やかではなさそうだが、つい最近こんなキャンペーンにハマる人が続出しているのをご存じだろうか。

コーヒー割引券の無限ループ？

セブンカフェを買うとLサイズ全品30円引券プレゼント！
今、セブン-レブンのカウンターコーヒー「セブンカフェ」を買うと、レシートに「セブンカフェ各種Lサイズ30円引券」が印刷される。
さらに、この割引券を使って「セブンカフェLサイズ」を買うと、またレシートに「割引券」がついてくるのだ。

つまり、このキャンペーンの仕掛けを1行にまとめるとこう（↓）なる。

【1、割引券でセブンカフェ買う】→【2、レシートに割引券がついてくる】→【1に戻る】

こんな無限ループに陥った人々からは、「無限に飲んでしまう」「コーヒー沼にはまってしまった」「セブンこわい」「現代の錬金術だ」など、さまざまな嬉しい悲鳴があがっている。
いったいどんな目的で こんな巧妙な仕組みを仕掛けたのか、セブン-イレブンに聞いてみた。

話題になっているとは知らなかった

ホウドウキョク：
割引券が繰り返しもらえる「無限ループ」のようなキャンペーンは、過去にもやったことはある？

セブン-イレブン：
一部のエリア限定でテスト実施をしたことはありますが、全国規模で展開したのは初めてです。

ホウドウキョク：
そもそも、なぜこのキャンペーンを始めたのか？

セブン-イレブン：
アイスコーヒーがよく売れる季節から、ホットコーヒーの季節に移り変わる時期なので、改めてセブンカフェのホットコーヒーのおいしさを知ってもらおうと実施しました。（もちろんアイスコーヒーにも適用されます）
Lサイズを割引対象にしているのは、美味しいコーヒーをたっぷり味わっていただきたいからです。

ホウドウキョク：
「錬金術」や「無限ループ」などと話題になったのは実は「狙い通り」ではないのか？

セブン-イレブン：
SNSで話題になっていることや、まとめ記事ができていたことなどは、取材を受けるまで存じ上げませんでした。
割引クーポンは、あくまで便利に使っていただきたい思いからプレゼントさせていただいております。

ホウドウキョク：
このキャンペーンはSNSユーザーをターゲットにしたのではないか？

セブン-イレブン：
まず、いつもご利用いただいているお客様が便利に割引クーポンを使っていただきたい。
さらに、このキャンペーンをきっかけに、新しいお客様にもセブンカフェのおいしさを知っていただきたいと思っています。

ホウドウキョク：
話題になってシメシメとか思ってない？

セブン-イレブン：
このように話題になったことで、さらに多くのお客様がキャンペーンを知っていただくきっかけになれば嬉しいです。

いろいろ話を聞いてみたが、本当にバズらせようという腹づもりは全くなかったようだ。
だが今回の話題で味を占めたら、これからさらに強力なキャンペーンをやってくれるかもしれない。
おでん？ 肉まん？ あなたは何の無限ループに落ちてみたいだろうか？