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前田建設ら/山岳トンネル用鋼製支保工建込ロボ開発/オペレーター1人で施工可能に  [2017年10月10日3面]

左右2本のエレクターで支保工を把持しながらコンクリートを吹き付けて固定する

 前田建設は6日、古河ロックドリル(東京都中央区、三村清仁社長)とマック(千葉県市川市、宮原宏史社長)と共同で、山岳トンネル建設向けに鋼製支保工を設置するロボットを開発したと発表した。支保工の位置を誘導するシステムなどを搭載し、危険な切羽直下に人が立ち入ることなく、オペレーター1人で支保工の建て込みが可能となる。現場に配置済みで、本年度中の本格稼働を目指す。
 開発したロボットは、一台でコンクリートの吹き付けから支保工の建て込みまで行うことができるエレクター一体型吹き付け機がベース。左右2本のエレクターで支保工を把持しながらコンクリートを吹き付けて支保工を固定する。
 支保工位置測定用プリズムや自動追尾型トータルステーションなどで構成する「支保工位置ナビゲーションシステム」、支保工位置の微調整が可能な「高性能エレクターマシン」により、測量や支保工の位置合わせなど、従来は人が切羽で行っていた作業を機械化し、運転席からの操作のみで高精度な支保工の建て込みを実現する。
 標準的な施工では、オペレーター1人と切羽に入る作業員4人が必要だった。ロボットの導入により、切羽で岩石などが落下する「肌落ち」による事故の防止と同時に、大幅な省人化や施工サイクルの短縮にもつながり、生産性が高まる。
 切羽での肌落ち災害は、山岳トンネル工事に特有の労働災害で、鋼製支保工の建て込み作業中の被災事例が最も多いとされる。16年12月に厚生労働省が通達した「山岳トンネル工事の切羽における肌落ち災害防止対策に係るガイドライン」でも、機械化による事故防止対策が求められている。

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