13日の東京株式相場は続伸し、主要株価指数が連日で年初来高値を更新。好決算が評価されたファーストリテイリングやセブン&アイ・ホールディングスなど小売株が高く、空・海・陸運株、食料品や電機株も上げた。日経平均株価は1996年11月以来、約21年ぶりの2万1000円乗せ。
TOPIXの終値は前日比8.49ポイント(0.5%)高の1708.62と5日続伸し、2007年7月以来の高値水準。日経平均株価は200円46銭(1%)高の2万1155円18銭と、昨年12月の記録に並ぶ9日続伸。
アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパンの寺尾和之最高投資責任者は、「北朝鮮や米国の債務上限問題など相場の頭を抑えていたリスク要因がなくなった中、もともと良好なファンダメンタルズを反映した上昇が続いている」と指摘。今後発表が本格化する国内企業の上期決算も、「好調な内容が示されると思われ、先取りしている動きもある。あと1カ月程度は堅調に推移しよう」との見方を示した。
東証アローズ
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
週末の日本株は好決算評価の動きと前日の米国株や原油市況の下落、5月以来の過熱水準にあった騰落レシオなどテクニカル指標を懸念する動きが交錯し、高安まちまちで開始。しかし、売り圧力を吸収し午前後半以降に堅調さを増すと、午後は一段高となった。
日経平均は先物主導で午後に一時256円高の2万1211円まで上げ幅を拡大。しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長は、「2万1000円をトリガーとするリンク債のヘッジ外しやコールオプションの売りを先物の買いでヘッジする動きが出ている」との見方を示していた。
需給的要素とともに、株価指数を押し上げたのが好業績銘柄を評価する動きだ。日経平均の押し上げ寄与度上位を見ると、Fリテイリや花王、7&iHDがランクイン。Fリテイリ1銘柄で71円押し上げ、きょうの日経平均上げ分の3割強を占めた。Fリテイリの18年8月期の営業利益計画は前期比13%増の2000億円と、市場予想の1955億円を上回った。SMBC日興証券は、海外収益性の改善が進んでおり、ポジティブと評価した。花王は、アジア事業の成長や株主還元の拡充期待から野村証券が投資判断を「買い」に上げた。大引けにかけ失速したものの、米子会社スプリントの統合を巡る思惑などで最近活況なソフトバンクグループは、一時2000年以来の1万円大台に乗せた。
東証1部33業種は空運、小売、その他金融、ゴム製品、陸運、証券・商品先物取引、電機、食料品など27業種が上昇。繊維やサービス、鉱業、保険、輸送用機器、パルプ・紙の6業種は下落。売買代金上位では中国の青島ビール株の譲渡検討を始めたアサヒグループホールディングス、上期営業利益が市場予想を上回った7&iHDが買われ、SUMCOやスズキ、安川電機も高い。半面、データ改ざん問題の神戸製鋼所は大幅反落し、ジェフリーズが判断を弱気に下げたマツダ、完成工事高の下期減速の可能性が懸念された大東建託も安い。
この日の取引開始時は株価指数オプション10月限の特別清算値(SQ)算出で、ブルームバーグ・データの試算では、日経平均型で2万0957円62銭と前日終値を2円90銭上回った。
- 東証1部の売買高は18億4795万株、売買代金は3兆2810億円、代金はSQの影響から5月8日以来、5カ月ぶりの高水準に膨らむ
- 値上がり銘柄数は1206、値下がりは723