怪我を負ったヒーロー&悪役が映画の中で生きているか死んでいるかを検証した本
Image: Amazon.co.jp

怪我を負ったヒーロー&悪役が映画の中で生きているか死んでいるかを検証した本

あの人も実は…。

映画に出てくるヒーローや悪役って高確率で不死身ですよね。まぁ、シルベスター・スタローンとかアーノルド・シュワルツェネッガー、『カリフォルニア・ダウン』ではかすり傷どころか汚れすらつかなかったドウェイン・ジョンソンみたいな筋肉ムキムキの人たちなら、万が一にもそういうことがあってもおかしくないのかな、とは思いますよ。

でも、どう見ても自分たちと変わらない『プロメテウス』のノミオ・パラスセルフ・帝王切開したあと走り回ったりしていると、それだけで映画に集中できなくなるじゃないですか。あなたの体、どうなってるのよ、って。帝王切開したら、洗濯機から衣類を持ち上げるのでさえ激痛で死にそうって聞くんだけど、って。

そんな私達の疑問やモヤモヤをスッキリさせてくれる本が登場! その名も『Ain’t Got Time To Bleed(流血の時:超意訳)』です。

ちょっと中身をのぞいてみましょう。


『ダイハード』のジョン・マクレーン

Image: Amazon.co.jp


職業:刑事

経歴:休暇中のニューヨーク市警がナカトミプラザで起こったテロ事件に巻き込まれる。肉弾戦、銃撃戦、爆風の中を屋上から大ジャンプで重軽傷を負う。

全身:壁にぶつかる。両手、肘、腕に打撲。肘に深い切り傷。適切な処理が施されなければ失血死。

背中:階段から転がり落ちる。脊柱の骨折の可能性。

足、胸部、腕:素足で割れたガラスの上を歩く。上半身裸で窓を突き破り、テロリストに押さえつけられる。数々の出血。

頭部:幾度となく蹴られる。鼻血。鼻骨折の可能性。震盪(しんとう)の可能性。

右肩:ベレッタ92Fで撃たれる。弾が貫通した様子なし。

首:消火用ホースを腰に巻きつけ屋上から大ジャンプ。伸縮性の低いホースが限界まで伸びた時に発生する衝撃による頚椎骨折の可能性。

追加事項:1000年前のトウィンキーが腐っていたならば食中毒にかかっている可能性が高く、数時間は下痢、嘔吐、熱、痛みといった症状に悩まされるはず。

予後:出血を伴う傷は4~6週間で完治するだろう。しかし、脊柱の怪我は首から下の麻痺をおこすだろう。

状態:グレース・ケリーと歩いてビルを後にすることは不可能。


***


つまり、続編なんて作れなかったはず…!

お次はオニツカタイガーのスーツが印象的なあの方です。


『キル・ビル Vol.1』のベアトリックス・キドー


Image: Amazon.co.jp


職業:殺し屋(引退)

経歴:かつての上司(恋人)ビルに頭部を撃たれる。昏睡状態に陥り、4年後に意識を取り戻してビルとその一味への復讐を決意。肉弾戦、刀での立ち回りで全身に渡る数々の軽傷を負う。

(部分別怪我の説明省略)

追加事項:4年間の昏睡から覚めてすぐに上体を起こしているが、長期にわたって植物人間だった場合、機能が退化しているはずなので座ることもできないはず。

予後:頭部を撃たれた場合の生存率が1/10であることを考えれば、キドーは非常に強運の持ち主である。感情の欠如、左手の軽い麻痺を別とすれば昏睡後の状態に問題は見られない。体全体に見られる軽傷は2、3カ月で完治するもよう。

状態:部分的に完治。ビル、覚悟せよ。

***

頭撃たれても死なない不死身さなので、彼女にとってどこを怪我しても蚊に刺された程度。説明は大胆に省略せていただきました。(決して手抜きじゃありません、ありませんったら)

こんな感じで、29人のヒーローが常識的に解析されたのが、この『Ain’t Got Time To Bleed』です。

先日、『カリフォルニア・ダウン』のドウェイン・ジョンソンの真似をして弟を救った10歳の少年の話が世間をにぎわせたばかりですが、反対に「映画の真似をして悲惨な結果に終わった」なんてケースも時たま放送されますよね。もし、「アクションヒーローがやって生きてたからやった」なんてことになったら大変なので、映画は映画であり本当にやったら死んじゃうよ、ということを学ぶためにもこの本は役立つかもしれません。

Ain’t Got Time To Bleed』は11月7日発売。Amazonで予約受付中です。

なお、以下の表示価格は執筆現在のもの。変更や売り切れの可能性もありますので、予約販売ページでそれぞれご確認ください。




Image: Amazon.co.jp
Source: Amazon.co.jp

Germain Lussier - Gizmodo io9[原文
中川真知子

あわせて読みたい

powered by