白い薔薇が咲く場所

都内在住大学生文月によるブログです。主に小説、思ったことなどを書きます。

異世界転生ものが蔓延っている理由を考えてみた

みなさん異世界転生ものは好きでしょうか?

僕は苦手です。

理由はネットに転がっている小説や最近出ているライトノベルは大体がこの手のもので、ストーリーではなくキャラそのものに重きを置いているものが多く、そのため文章が稚拙でストーリーも無理があるものが多いからです。

もちろん、戯言シリーズ空の境界、このすば等キャラが立っていてストーリーも良い小説もあります。ですが異世界転生系に駄作が多いのは事実です。

今回はその理由を考えてみました。

 

①専門知識が不要

京極夏彦さんの妖怪シリーズはご存知でしょうか。

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

 

文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)

 

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このシリーズはページ数が多く分厚いことからネットでは「レンガ本」「人を殺せる厚さ」等言われてます。

しかし京極先生の美文と秀逸なストーリー、一癖も二癖もある魅力的なキャラクターが織りなす戦後が舞台のこのシリーズは読者を飽きさせません。

 

読後の達成感が凄まじいこのシリーズの最大の特徴は、宗教と妖怪に関する化け物じみた専門的すぎる知識にあります。

僕は現在塗仏の宴 宴の支度まで読んでいますが、はっきり言って中禅寺敦彦の蘊蓄の部分はほぼ読み流しています。ここで読むのやめた人も多いであろうと思うくらい、圧倒的な知識を著者の京極先生は有しています。

そう、時として小説には専門的な知識が必要とされます。

これは面白い小説には不可欠と言っていい要素です。

戯言シリーズ西尾維新先生の持つ源氏物語の深い造詣が下敷きになっていますし、村上春樹先生のノルウェイの森も村上さんの音楽に対する深い知識が魅力の一つでもあります。(そこが鼻につく人も多分多いです

しかし、異世界モノにはその専門知識が不要です

専門的な知識が不要で、必要になっても自分で一から作れる異世界系は、普段小説を読まないけど小説を書いてみたい人からしてみればまさに最適と言えるジャンルなのです。

 

②ストーリー展開が簡単

例えば日常系、探偵系の小説を書こうと思ったとして、おそらく一番困るのが「ストーリー展開」であると思います。

日常系は特別な設定がなければ地味な展開になりやすいし、探偵系は発掘されすぎていてどんな展開にしても他作品の二番煎じ感がどうしても否めません。

しかし異世界転生系はストーリーの展開が非常に簡単です。

 

例:僕は友達がいないため便所で昼ごはんを食べていた→すると突然便器に吸い込まれ、目の前が真っ暗になった→目がさめると見渡す限りの草原。見たこともない花と瑞々しい草の香りが目の前の景色を少しだけ現実的にさせた

 

僕の駄文で申し訳ありませんが、非常にドラマティックな展開ですよね。便所で飯食ってたら草原に転送されたなんて。ここで巨乳のエルフ(処女で発情期がある)がたまたま通りかかったらもう最高です。

そう、小説書きが直面する展開のマンネリ化をたやすく打破できるのが異世界転生系なのです。

 

③魅力的なキャラクターとフィクション要素の相性が良い

例:魔法が使える巨乳で処女で発情期があるエルフは、幼少の頃世界を牛耳る竜族に両親を殺されたため、復讐のために修行をしている。

 

如何でしょうか。

架空の種族+設定盛り盛りのキャラクター+暗い過去みたいな三文ラノベのテンプレみたいなキャラクターが簡単に作れてしまうのです。

これで主人公に1巻の終盤で惚れたらもう何も言うことはありません。

なろうで検索したら100件はヒットすることでしょう。

このように最近のラノベ・異世界転生系はキャラに重きを置いてストーリーがむちゃくちゃな場合が多いです。

もっとも、ラノベの場合は絵師によってキャラデザが決まるため、どうしてもキャラ重視になってしまうのは仕方ないかもしれません。

 

終わりに

以上でこの記事を終わりたいと思います。

下手なステマで申し訳ありませんが、僕も小説を書いております。

kakuyomu.jp

探偵の篠崎真弓と百合カップルの石森彩月と朝霧灯が中心の物語です。

読んでくれると嬉しいです。