gentle_今回は、ジャックダニエルの1グレード上のボトル、ジェントルマンジャックを飲んでみます。

テネシーウイスキーとして知られているジャックダニエルと、ケンタッキーストレートバーボンとの大きな違いの一つとして、サトウカエデの炭に蒸溜した原酒を通して濾過を行う、チャコールメローイングが挙げられます。

このジェントルマンジャックは、このチャコールメローイングを2度行うことで、さらなる香り付けを行っている特徴があります。

ではストレートから飲んでみます。今回は比較のため、レギュラーのOld No.7も飲んでみます。

グラスに注ぐと、液色は濃厚な琥珀色、香りはメロンを強く感じ取れます。

口に含むと、メロンとともにヨードが一気に広がります。その後、バニラ、カスタードプリンと甘い香りが続きます。
味わいは、アルコール由来の辛さが先に来るものの、続いて酸味、最後に甘さが後を引きます。

レギュラーのOld No.7では、メロンやヨードの強烈な香りは少なく、バニラやカラメルのほうが前に来ている印象です。

ロックにすると、メロンの香りは落ち着き、代わりにライムのような柑橘系の爽やかさが感じ取れるようになります。海藻のような香りが間に挟まれつつ、バニラ、カラメル、カスタードが続いてきます。
味わいはビターが前に出て、酸味がそれに絡んで来ます。甘みはストレートに比べると控えめになります。

Old No.7だと、アルコールが揮発した印象が強く、ジェントルマンジャックよりもメロンのようなエステリーさが強い印象です。
味わいもビターは控えめで、酸味の方が前に来ています。また、相対的に甘さも強めです。

最後にハイボールにすると、ヨードの香りが前に出てきます。後々からメロン、バニラ、メープルシロップの甘い香りも堪能できます。
味わいは、海藻っぽさがあるせいか、昆布のようなうまみを感じられます。冷やしただし汁というと語弊があるかもしれませんが、それに若干の甘さがあって、なんとも不思議なハイボールになります。

Old No.7では、ヨードの香りは控えめになります。後から来るメロン、バニラ、メープルシロップも弱めです。
味わいにしても、うまみは確かに感じ取れるものの、酸味が相まってきます。

チャコールメローイングを1回追加しただけで、レギュラーとジェントルマンジャックは印象の異なるボトルへと変化しているのがわかります。
単に香りが増した、という表現ではなく、海に面していないのに海藻のヨードっぽさが強く感じ取れるものになっていて、海の幸を肴にできるような印象を受けました。

700mL、アルコール度数40度、価格は3000円ほど。ノンエイジとしては高めの設定ですが、それに見合うほどの濃厚な香り、味わいが楽しめるボトルになっています。

ちなみに、この上位にはシングルバレルがあるほか、ゴールドも加わりました。
ゴールドでは、2度のチャコールメローイングに加え、後熟としてサトウカエデの樽を使っている特徴があります。

<個人的評価>

  • 香り A: メロン、ヨードが前に出て、後からバニラ、カスタード、メープルシロップが追いかける。
  • 味わい B: ストレートでは辛さがあるが、全体的に酸味、甘みがメイン。加水が進むとうま味も得られる。
  • 総評 A: アルコールの辛さが許容できれば、ストレートがおすすめ、苦手ならトゥワイスアップも一興。