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芸能事務所が辞めたタレントを干す行為、国が取り締まりへ…能年とローラの「異常な契約」

のん
 ジャニーズ事務所を辞めた元SMAPメンバーの番組が、なにゆえ突然打ち切られてしまうのか? アニメ映画『この世界の片隅に』(東京テアトル)で声優を務め、イラストや音楽でも活躍しているのんは、なぜ本名の「能年玲奈」を名乗れず、テレビではほとんど見ることができないのか?


 ファンたちがいらだつのも当然であり、人気が高く視聴率も取れるはずなのだから、市場原理としてもおかしい。「フェアな競争が行われていないのではないか」という疑いが生じるのは、当然のことだろう。

 そんななか、公正取引委員会が芸能やスポーツの世界に対しても調査を始めている。9月5日の第2回「人材と競争政策に関する検討会」に提出された和久井理子特任教授(大阪市立大学大学院法学研究科)の資料では、「スポーツ、芸能等を含む事業分野における慣行等の解明」が研究調査上の課題として明記されている。

 芸能人の権利を守るべく活動している日本エンターテイナーライツ協会(ERA)共同代表理事である望月宣武弁護士と河西邦剛弁護士に、公取委の動きとその背景を聞いた。

アメリカでは、DOJ(司法省)と日本の公取委にあたるFTC(連邦取引委員会)が、フリーランスの人材に関するガイダンスを発表しました。それを受けて、日本の公取委でも『従来の考え方を変更したほうがいいのでは』という動きが始まったのです。ただ、最初はフリーランスが中心で、『芸能やスポーツなどの特定分野の固有の問題には踏み込まない』と言っていました。

 まず、なぜフリーランスが俎上に載せられたか。これまでは『フルタイムで拘束されて定額の給料をもらう』というのが、労働の典型的なイメージでした。しかし、今はその線引きが曖昧になっていて、『これは労働と呼べるのか』という微妙なケースが増えてきました。

 フリーランスのなかでも、たとえば青色申告をしているような方は独立した『事業者』です。一方、クラウドソーシングで仕事を受注しているフリーライターやフリーデザイナーなどの方々は、ものすごく安いギャラで働いていたりします。たとえば、フリーライターが『時給1000円』で記事を書いていれば労働契約にあたりますが、『1本1000円』となると『労働』ではなく『請負契約』になります。

 しかし、その仕事だけで食べていこうと思ったら、1日中それに携わる必要があります。結果的に、時給換算するとアルバイト以下の低額になることも多く、感覚的には労働者と同様になってしまいます。

 事業者と事業者の関係を規制するのが独占禁止法であり、労働者と雇用主の関係を規制するのが労働法です。しかし、そのような“労働者っぽい請負契約”に対しては、独禁法と労働法が見合ってしまい、結局どちらも介入できないという事情がありました」(望月氏)

誰でも“芸能人”になれる時代だからこそ


 昨年、議論が活発化したのがキュレーションサイトをめぐる問題だ。1文字1円以下ともいわれる薄給でライターに記事を発注し、結果的に盗用や誤解を招く情報が氾濫していたことが問題視された。

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