氷室京介さんの「L' ÉPILOGUE(エピローグ)」を聴きながら
BOØWYはどんなバンドだったのかの興味も持つようになっています。

BOØWYの時代を知るには過去の雑誌が情報源になります。
「音楽誌が書かないJポップ批評 (18) BOØWYと日本のロック」 を読んでいると
メンバーのインタビューでの発言や、解散に至るまでの経緯とその後など
リアルタイムで知れなかった世代にとってはありがたい話が盛りだくさんです。
【氷室京介さんの「SYMPHONIC デモ音源(2016ver.)」とBOØWYの聴き比べての感想】「L' ÉPILOGUE(エピローグ)」発売に寄せて

その中でも最も「そんな視点があったか」と思わせる特集があります。
BOØWYは「活字メディアで語られにくいバンド」という河田拓也さんの記事です。

【目次】
(1)活字メディアで語られにくいバンド、BOØWY
(2)ヴィジュアル系バンドをざっくり4つに分けてみます

(1)活字メディアで語られにくいバンド、BOØWY

二分法は境目が曖昧になりますし、
特に音楽は明確にジャンルを分けられないという特徴もありますが、
ロックを「活字メディアで語られる、語られにくい」という分類は
とても頷ける視点です。
【最高の音楽評論は個人的な思い出】氷室京介さんの「LAST GIGS」当落に寄せて
俺の分類では、ロックは大きく分けて2種類ある。個室でレコードやラジオを聴いて、作品の意味や、アーティストの思想やパーソナリティについて考えたり語ったりするものと、遊びに出かけて盛り上がる時のBGMと。
もちろん河田拓也さんもどちらにも属するものも多いことは認めつつも、
この分け方は個性を図る軸として有効だとしています。

便宜的に前者を文化系ロック、後者を体育会系ロックとしてみます。
河田拓也さん曰く、BOØWYは典型的に体育会ロックとのことです。

となると、もしかしたらBOØWYをリアルタイムで知っていたとしても
ファンになることはなかったかもしれません。
でも、氷室京介さんの何が好きかといえば、声・低音の魅力ですので
BOØWYも同じ理由であればファンになっていた、のかもです。
【ヴィジュアル系の決め台詞、独特な言葉づかい】Toshlさん、KAMIJOさん、久我新悟さん、悠希さん、業-karma-さん

こういった音楽の見方もあるんですね、、、

このブログの名前も「深読み」としていることからも
解釈の余地の大きいバンドや音楽をテーマにすることが多いです。
文化系レベルの高いバンドが好きということが分かります。
自分の音楽の好き嫌いが感覚から一歩進んで言葉になると
探しやすくなります。
それに、感覚ではなく言葉にすることで「好きな理由」が明確になって
長く楽しめるようになります。

音楽が生活の主役の座から降りてから久しいとは思いますが、
その復権は音楽をもう一度言語化してみることが一歩目かもしれません。

(2)ヴィジュアル系バンドをざっくり4つに分けてみます

コテビ、ソフビ、耽美、お笑いなどこれ以上分けると先細りしてなくなりそうなヴィジュアル系の分類ですし、
分けることに大きな意味もなさそうですが、分類は楽しいものです。
よく聴くバンドのみになりますが、ざっくりと「文化系レベルの高低」と「体育会系レベルの高低」の軸で
4つに分けてみます。

BUCK-TICK、X JAPAN、THE YELLOW MONKEY、GLAY、
ゴールデンボンバー、摩天楼オペラ、MEJIBRAY、LIPHLICH、
カルペディエム、AvelCain、Lycaonなどなど。
【ヴィジュアル系のメンバー脱退へのX JAPAN的対応】LIPHLICHの久我新悟さんの元ドラマー丸山英紀さんへの思い

改めて考えてみると、どちらの要素も高いレベルで両立しているバンドが好きです。
そりゃそうか。

これでは分類の意味がないので、「文化系レベル」と「体育会系レベル」の
どちらの要素が強いかだけでも考えてみます。

と思いましたが分けられません。
強いていえば「文化系レベル」が高いバンドではないと
音源は聴いてもLIVEに行ったりすることはなさそうです。

河田拓也さんの言葉をお借りすれば「遊びに出かけて盛り上がる時のBGM」の要素ばかりの
音楽やバンドとはちょっと距離があるようです。
【ヴィジュアル系の定義・ルーツは実はない?】X JAPANのhideさん、MEJIBRAYの綴さんの「ROCK AND READ 062」インタビューを読んで

バンドをこの4つの分類にあてはめるのは難しいかもしれません。
一つのバンドの中の●●という曲は①文武両道型、△△は②体育会系型というように
曲ごとで分類した方が楽しいかもしれません。

友人とヴィジュアル系について話すときの
ネタにでも使っていただければ嬉しいです。
③の文化系のヴィジュアル系バンドがいたら
ぜひ教えていただきたいです。

ロックの2種類

【氷室京介さん関連の記事】
(1)【氷室京介さんのヴィジュアル系への影響】LIPHLICHとHOLLOWGLAMと悠希さん(人格ラヂオ)イベントを記念して記録します
(2)氷室京介:STRANGERとONE LIFEに共通のテーマは、「異端の傷を刻む」こと
(3)氷室京介LIVE:あたたかいMCと余韻@大宮ソニックシティ 大ホール
(4)『アルジャーノンに花束を』がドラマ化されたので主題歌は氷室京介さんの「DEAR ALGERNON」 を期待された方も多いのでは
(5)【最高の音楽評論は個人的な思い出】氷室京介さんの「LAST GIGS」当落に寄せて
(6)【氷室京介さんの「SYMPHONIC デモ音源(2016ver.)」とBOØWYの聴き比べての感想】「L' ÉPILOGUE(エピローグ)」発売に寄せて