最新手術ロボットのデモ機に大興奮

第15回 一介の外科医、手術ロボット・ベンチャーを行く(前)

2017年10月13日(金)

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 こんにちは、総合南東北病院の中山祐次郎と申します。大腸がんの手術を専門とする外科医です。福島県の病院で毎日、手術室で汗を垂らしてナースに拭いてもらいながら手術をし、時折、この日経ビジネスオンラインで連載を執筆させていただいている、37歳の男です。

 私がやる手術は、主にお腹の手術。方法としては「腹腔鏡(ふくくうきょう)手術」というものをやっています。今回と次回の2回にわたって取り上げる「ロボット手術」は、腹腔鏡手術と似ていて、以前から強く興味を持っていました。

 というのも、「ロボット手術は外科手術に革命を起こす」と言われており、私自身もこれからやっていくことになりそうだからです。ちょっとそのあたりの事情を、実際のロボット開発現場の取材レポートを交えながら、お話しいたしましょう。

米国メーカーの独壇場に日本のベンチャーが挑戦

 あまり知られていませんが、手術ロボット(実際には手術を支援するロボット)市場はある米国メーカーの独壇場となっています。もはや世界中のマーケットが独占されているといっても過言ではありません。そして今、日本発のロボットを世に送り出そうと複数のベンチャー企業がしのぎを削っています。

 そのうちの2社に取材を申し込むと、うれしいことにどちらも快諾してくれました。まず、医療機器ベンチャーであるリバーフィールド(東京・新宿) に2017年9月初旬に行き、デモ機を体験してきたので、前編の今回はその衝撃の体験記を書きたいと思います。

これがデモ機。おお!ロボットっぽい!企業秘密の部分は消しています……詳細は後で

 一番大切なことを先に書いちゃいます。リバーフィールドのロボットの一番の売りは、空気圧を用いた「力覚(りきかく)」のフィードバック。現在、世界で最も普及している手術支援ロボット「ダヴィンチ」にはない機能です。

 力覚とは、触覚と言い換えてもいいでしょう。例えば、何か硬いものをロボットアームの手で押した時、操作している私の手元にぐぐっと抵抗があるというものです。この「力覚」が完全に欠落しているという点が、従来のロボットの大きな欠点でした。

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「最新手術ロボットのデモ機に大興奮」の著者

中山 祐次郎

中山 祐次郎(なかやま・ゆうじろう)

外科医

1980年生まれ。聖光学院高等学校を卒業後、2浪を経て、鹿児島大学医学部医学科を卒業。その後、都立駒込病院外科初期・後期研修医を修了。2017年2~3月は福島県広野町の高野病院院長、現在は郡山市の総合南東北病院で外科医長として勤務。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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満岡 次郎 IHI社長兼CEO