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事業進捗を得られないのは事業オーナーの問題ではない?

GHSのプロダクトマネージャー三本です。

突然ですが、事業オーナー(事業責任者)や事業の管掌役の方に質問です。あなたの事業は順調に進捗していますか?透明性を維持しながら事業評価をできていますか?
もし自信を持ってYESなら読み飛ばしてOKです。NOなら事業オーナーの採用や育成が問題ではなく事業マネジメントの問題かもしれません。それについて考察します。

事業とはTHRUSTER(スラスター)でもご説明している通り、「誰の・どんな課題を・どう解決し・どう儲けるか」の組み合わせで成立します。よくある相談は、優秀なエンジニアを採用したい、UXデザイナーを採用したい、データサイエンティストを採用したいなどチームメンバーの悩みです。この時、事業オーナーによる事業マネジメントは問題ないという認識がされています。本当でしょうか?

事業マネジメントは問題ないという認識は正しいのか?

事業オーナーとは、本質的には事業の船頭役であり最終意思決定者です。そして、当該事業の理解に最も精通する責務を担うでしょう。その責務をやり切るには情熱も必要でしょう。事業オーナーが右が正しいと言えば、それに従うチームは右に進みます。左に進もうと拒む人は、やがてチームから去っていくでしょう。このように重要な役割を担っていることを深く考えるべきです。

以上の視点で本記事の読者の皆様と共通認識を持てたと仮定して話しを進めます。

事業が企画され、スタートを切り、運営時に試行錯誤をしているところを想像してください。一例として、まず、何か責務を与えられた管掌役から、対象市場の課題仮説や事業アイデアの種が生まれ、具体的に事業化を推進する事業オーナーを採用または抜擢で選任するでしょう。その後、事業チームが組成されて、事業オーナー指揮のもと、仮説検証をしながらビジネスモデル仮説の成立と成長を目指します。

事業開発ができる人材が必要になるロジックと答えるべき問い

多くの企業では、主要事業の事業オーナーは、エース人材(創業社長や過去実績のある人)が担っているケースが多いです。いち事業の成長に伴って組織は拡大していき、そのエース人材の責務はやがて組織マネジメント側の比重が高まるでしょう。エース人材は事業の管掌役となり、彼のしたで事業オーナーを担う別の人が抜擢または採用されます。この流れは、事業ポートフォリオの拡大や既存事業内での新しい価値軸の探索を行う場合によく観察されます。

事業オーナーは、事業状況の現在評価と未来の価値評価を適切に行い、事業活動に優先順位をつけていき、成果インパクトが最大となる活動にリソースを集中し、様々な内的外的な環境変化の兆候を察知しながら、状況に応じて事業の進路を決定する必要があります。この活動の成果を透明性高く評価し、事業チームと投資家・管掌役側に伝達する責務を追います。これら活動を事業マネジメントというならば、その方法論を体系化して組織内で伝達できている人はどの程度いるのでしょうか?

よくあるお話として、新規事業をどんどん創出するため、事業オーナーを採用または抜擢していきます、と。採用や抜擢後は、チームビルドや技術や市場に優先課題が移ります。

ここで、問いが必要です。

  • その事業オーナーは、事業マネジメントを行えますか?
  • または事業マネジメントを行い続けられるようにサポート体制が整っていますか?
  • それは、昨今の市場変化が早い状況に適したモデルでしょうか?

もし、この問いにNOであるならば、事業が進捗しないのは素質ある事業オーナーの採用や抜擢が問題ではなく、事業マネジメント手法の獲得・実践やその学習に問題がある可能性があります。

採用や抜擢が事業の創出や成長に有効なソリューションとならないのか?

地頭良く、行動力ある人の採用だけではダメなのか?

時間をかけて実践で育てる、という意識ならOKでしょう。ただし、教育メソッドを持っていないと、どの程度の時間を要するか不明です。

事業を成長させた経験ある人を採用抜擢はダメなのか?

たまたま事業マネジメントの独自メソッドを持っている人または天才肌タイプを採用抜擢できれば可能性ありです。しかし、この方は転職市場ではエース級人材で、なかなか転職市場には現れないですし、自社内から探す場合にも既になんらかの事業オーナーまたは重要ポジションをやってることでしょう。非常に希少人材であるため採用・抜擢の実現は幾多の困難が伴います。

役員が事業オーナーを兼務するけどダメなのか?

役員が独自メソッド所有者または天才肌タイプならOKでしょう。ただし、1人が事業オーナーをやれる事業数には限界があるでしょう。途中で管掌役になると、自己の監督下で別の事業オーナーを立てる必要が出てきます。事業ポートフォリオが増えていくと事業を見れなくなり事業マネジメントが出来る事業オーナー不在という問題は再び顔を出すことになります。

複数人で協力して事業舵取りしてもダメなのか?

おそらく最初はうまくいくように見えて、失敗する確率は高いでしょう。誰が最終的な意思決定を行うのか?学習速度が驚くほど高く、互いの決定を信頼できるチームであれば可能性はあります。ただし、コンセプト通りのチームビルドをそもそも実現できない点が問題となるでしょう。

データ見ながら市場がありそうなところを統計的に割り出して意思決定するのもダメなのか?

意思決定の基準を完全にデータに委ねてOKでしょうか?ここから話しは始まります。違いをつくることが戦略の柱だとすると、統計的判断はリスク回避の動きに収束していくのではないでしょうか?やるやらは、お任せします。

自社内の独自メソッド持ってる事業オーナー経験者が教えるのもダメなのか?

独自メソッドを他人に公開する動機を持てるならOKでしょう。単なるフレームワークであれば、結局センスによる事業開発を行うことになりますが、先に示した事業マネジメントの内容をカバーするものであれば、事業の進捗は透明性高く、さらに複数事業オーナーが必要になった場合でも横展開や教育に有用でしょう。あとは、そのようなキャリアの武器になるメソッドを提供する動機形成をクリアすれば上手くいく確率は高いでしょう。

まとめ

以上の内容を整理すると以下の3点に集約されます。

  • 市場変化が早い中で事業を作る必要がある
  • 採用・抜擢のみでは事業の進捗を得られるかは不確実性が高い
  • 事業マネジメント手法の伝達ができれば事業ポートフォリオ拡大を達成しやすい

改めて、最初の問いを繰り返します。

あなたの事業は進捗していますか?透明性を維持しながら事業評価をできていますか?

もしご興味あれば、仮説検証型の事業開発マネジメント手法である”THRUSTER(スラスター)“の資料を無料配布しております。ぜひダウンロードしてみてください。

ダウンロードはこちらから → https://thruster.tokyo/

THRUSTERを用いた事業開発人材の育成についても、お気軽にお問い合わせください。

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