感想文

本や映画や、いろんなことの感想文を書いています。

高学年の読み聞かせにおすすめの絵本『ある犬のおはなし』

スポンサーリンク

ふと思い立って、今年から小学校の読み聞かせボランティアをしています。

今年から…といっても、来年以降の仕事次第では、今年限りかもしれないんだけれど。

 

先日、6年生の読み聞かせにいってきました。

6年生に読み聞かせ…何を読もう…

ずいぶん前から、考えていました。

 

候補にと考えていた絵本は

 

命はどうしてたいせつなの? (こころのえ?ほん)

命はどうしてたいせつなの? (こころのえ?ほん)

 

 

牛の屠畜から解体される様子を、見開きいっぱいつかって描いている斬新な絵本。

 

 

夢はどうしてかなわないの? (こころのえ?ほん)

夢はどうしてかなわないの? (こころのえ?ほん)

 

 

理不尽な不可抗力で夢が叶わないこともあると、子どもに示すこれも斬新な絵本。

 

 

このどちらかを読もうかなぁと考えていました。

 

 

そんなとき、動画サイトでこの動画を見かけて

 

www.youtube.com

 

 

絵本であるかなぁと、アマゾンで検索してみたら、あった!!

 

ある犬のおはなし

ある犬のおはなし

 

 

犬の殺処分を描いた絵本だけど

モノクロのシンプルなイラスト。

衝撃的なわけでもなく

終始、優しい語り口調。

それでいて悲しい現実をしっかり伝えていて

 

この本を読もうと決めました。

 

 

 絵本のこと

 

この本は

完全に犬目線で描かれています。

大好きな飼い主を最後まで信じて、しずかに消えていく、消されていく命。

わたしは犬を飼っていないし

特別犬が大好きなわけでもないけれど

犬を飼っている人が読むと

痛いほどわかるのであろう、犬の気持ち。

 

施設のおじさんがとても優しい人に描かれていて

施設に連れてこられた犬の頭を、毎日毎日、いいこだねとなでてくれて

そして最期の日には、ぎゅっとだきしめてくれます。

 

飼い主は最後までどんな人かはわかりません。

引っ越しのためなのか

赤ちゃんが生まれるためなのか

事情もわからないし

犬に対する感情もあまりみえないけれど

施設に犬を預けるとき

悲しそうな顔をしているあたり

ごくごく、普通の人のように描かれています。

 

そして犬は最期の日まで、大好きな飼い主を信じて待ち続ける。

自分が飼い主に捨てられたなんて、微塵も考えない。

それがきっと、犬という生き物なんだろうなと

犬を飼ったことのないわたしは思いました。

 

動画はダイジェストですが

実際の絵本はもう少し長いです。

 

 

読み聞かせたときのこと

 

実際の読み聞かせでは

最初から最後まで、子どもたちはすごく集中して聞いてくれました。

途中、男子数人がひそひそと小声で何かを話していましたが

気にせずに読み続けると、いつのまにか口をつむっていました。

風邪気味で声があまり出ないこともあって

声を張らずに、終始、静かな口調で読みました。

短い絵本なので、行間をじゅうぶんにとって、ゆっくりと読みました。

読み終えると、何人かの女の子が涙を流していました。

 

 

そして読み聞かせのあと、こんな風に、お店で売れ残ったり、飼えなくなった犬や猫が

年間28万匹も殺されているというはなしを少ししました。

 

『殺処分?』

『よく知ってるね。そう。殺処分』

『ガス?』

『そう。お部屋に閉じ込めて、ガスで。』

『でも飼えなくなったんだから仕方ない・・・』

『仕方ない?』

『でも殺すのはひどい』

『ひどい?』

『かわいそう』

『うんかわいそうだね』

 

ここでも泣きだした女の子がいました。

 

 

押し付けにならないように

 

もし興味を持ったら

こんなかわいそうな犬を減らすために

みんなにもできることがきっとあるから

調べたり、考えてみたりしてみてね。

 

と言って、読み聞かせを終えました。

 

あいさつを終えて子供たちに背を向けてからも

席につきましょうと言う先生の声と一緒に

殺処分についてけんけんがくがくと話し合う子どもたちの声が聞こえてきました。

 

読んでよかったです。

 

 

広告

まとめ

 

このような題材は、学校教育の中で触れられることはほとんどありません。

教師は自分の思想を語ってはいけないというきまりもあって

『先生』の立場でこの話をするのは難しいんだと思います。

だけど伝えたいって思っている先生は現場に多くいて

学級文庫に関連書籍をさりげなく置いてあるのを、よく見かけます。

 

わたしが小中学校で見かけたのはこのあたりの本。

 

 

ボクたちに殺されるいのち (14歳の世渡り術)

ボクたちに殺されるいのち (14歳の世渡り術)

 

 

 

犬たちをおくる日―この命、灰になるために生まれてきたんじゃない (ノンフィクション 知られざる世界)

犬たちをおくる日―この命、灰になるために生まれてきたんじゃない (ノンフィクション 知られざる世界)

 

 

 

犬を殺すのは誰か ペット流通の闇 (朝日文庫)

犬を殺すのは誰か ペット流通の闇 (朝日文庫)

 

 

 

だけど

今回読み聞かせたのは6年生でしたが

この現実をほとんどの子が知らないことに、ものすごく驚きました。

そして

絵本の読み聞かせで知るきっかけをつくれるのなら

これからも続けたいなと思いました。

 

 

さいごに

 

わたしは、殺処分についてはシビアな記事を書いたこともあるけれど

 

nemurenai-same.hatenadiary.jp

 

 

nemurenai-same.hatenadiary.jp

 

 

そんなわたしみたいに大人事情に理解を示すんじゃなく

子どもたちの素直で純粋な

 

『かわいそう』

 

という思いが

世の中を変えていく力になるんだと思います。

 

そのための小さな力になれたらうれしいなと思った

今回の読み聞かせでした。

 

 

高学年の読み聞かせにおすすめです

 

命はどうしてたいせつなの? (こころのえ?ほん)

命はどうしてたいせつなの? (こころのえ?ほん)

 

 

 

夢はどうしてかなわないの? (こころのえ?ほん)

夢はどうしてかなわないの? (こころのえ?ほん)

 

 

この本はレビューも書いてた。

 

nemurenai-same.hatenadiary.jp

 

 

今回読んだ本。

 

ある犬のおはなし

ある犬のおはなし

 

 

www.youtube.com