VIG、米国増配株式ETFとは?
VIGはバンガード社のETFです。その中でも、連続増配銘柄で構成しています。信託報酬は0.08%です。米国株主体のETFの中ではほんの少し高めになりますが、気にならないレベルと言って良いでしょう。米国株ETFの信託報酬は全体的に低いのです。
ちなみに信託報酬を同じバンガード社で比べると、S&P500連動のVOOは0.04%、米国上場ほぼすべての株式を扱う米国トータルマーケットのVTIも0.04%、高配当株式ETFのVYMは0.08%です。これだけ低くても毎年のように下げてきますから、その運用の効率の良さには驚かされます。
ちなみにこのVIGは現時点では高配当ではありません。おおよそ2%ちょっとの配当です。今後持ち続けて高配当化してくる、そういう性格のETFです。
VIGのチャートと配当
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※Google financeから
2006年5月 取引値50ドル 分配金およそ0.2ドル
2016年5月 取引値80ドル 分配金およそ0.45ドル
2017年5月 取引値95ドル 分配金およそ0.42ドル
見ての通り、取引値も配当も素晴らしい伸びを示しています。これだけ見るとVYMよりもこちらを即決で買いたくなります。特に取引値の伸びがVYMより大きいのが目につきます。成熟企業を対象としたETFでありながら、取引値成長もしています。
唯一気になるのがやや低めの配当利回りの低さです。2%前後で常に推移しています。今すでに高配当なETFあるいは個別株を狙うのか、それとも今後を意識してVIG、つまり増配株式ETFを狙うのか、です。
ただ、それでも10年で倍以上の分配金成長をしていますから、長期で持ち続ければ高分配金ETF化してくる可能性が高いです。そういう成長期待を感じさせてくれるETFと言えます。
下記で取り上げる構成銘柄含めて、現在高利回りか、将来高利回りか、それは個人の好みということになるでしょう。
VIGの構成銘柄
2016年の構成銘柄。※以後、画像はバンガード社から
2017年の構成銘柄。
IBM・ウォルマートがランク外、ウォルグリーンとアボットがランクインしているのが目立ちます。ウォルグリーンはCVSなどと同じくドラッグストア系ですね。
構成銘柄群は米国を代表する企業群です。比較的成熟した企業が多いです。個別株としても魅力の、連続増配銘柄が並んでいます。
2016年には5.4%を占めるマイクロソフトが組み入れ1位でした。2017年になりジョンソンエンドジョンソンが1位になっています。
ジョンソンエンドジョンソンは連続増配銘柄として有名です。マイクロソフトは増配歴こそさほど長くないものの、増配率の高さでこのところ注目されています。長らく成長株として無配、事業への再投資をし続けていました。
そのほかも、コカ・コーラ、プロクター&ギャンブル、ペプシコ、IBM、ウォルマート、ドラッグストアのCVSヘルスなど、個人投資家に人気の銘柄が並びます。いずれも連続増配で有名な企業です。
P&Gに至っては連続増配60年以上です。
私が持っている、あるいは持ったことのある銘柄は、JNJ,P&G,3M、ペプシコといったところです。ただ、持ったことなくても、全社購入を検討したことがあります。それぐらい投資方針に合う銘柄群です。ランキングに入っている銘柄はどれも欲しいですね。
ETF全体での利益成長率は4.4%、PERは21倍、ROE21%です。今はVIGに限らず、殆どすべての米国株ETFが高めのPERになっています。小型株や成長株がほとんどないので、利益成長率はVTIより低いです。
VIGセクター別構成比率
2016年
2017年
1年の間に意外に大きな銘柄の入れ替えがあることが確認できます。資本財、消費者サービス、消費財、ヘルスケア、金融が上位です。米国の競争力を象徴するセクターと言ってよいでしょう。
増配できるということは業績が向上しているということですから、消費財、資本財などの成長分野に傾斜投資されるのは当然と言えば当然ですね。特に消費財は生活必需品を扱うことから景気に左右されず安定した利益を上げる企業が多く、好感が持てます。
近年パッとしない素材、石油・ガスが下位に位置します。これらの業界は増配できなかったり、無配転落していたり、業績が悪化しているケースがほとんどでしたから、納得の構成ということになります。
特に素材、石油・ガスなどの資源株はかなりの落ち込みを示しています。資源安の影響で業績が上がらないのが見て取れます。
VIGは今後購入したいETFのうちの1つです。少なくともVIGの組み入れ上位に入る企業群はディフェンシブな投資対象であり続けることでしょう。
関連記事です。
バンガードの高配当ETF、VYMです。順調な取引値成長をしています。ただ、キャピタルゲインを狙うならばVTIやVOOのほうが適しています。成長企業を殆ど含まないからです。
米国上場のETFを作るということもできます。個別株ではできない分散が容易にできるのが魅力です。
逆に10銘柄ぐらいに絞って、ある程度の集中投資を効かせるという考え方もあります。