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有安杏果に取材。ももクロとは異なる、ソロで見せる大人びた一面

有安杏果に取材。ももクロとは異なる、ソロで見せる大人びた一面

有安杏果『ココロノオト』
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:豊島望 編集:川浦慧

大学4年間は、今の自分にとって大切な時間だったのだなと思います。

—写真はなぜ始めようと思ったのですか?

有安:仕事柄、身近にカメラマンさんがいて、普段は撮られることが多いんですけど、たまにカメラを借りて撮ったりしているうちに、「撮られるより面白いかも」って思い始めて。

それで、せっかく大学へ行くなら、数字がたくさん出てくるような難しいところじゃない方がいいなと(笑)。やっぱり大好きな芸術を学びたかったし、写真だったら一人でできるし。入学した時は知識も全くなかったんですけど、フィルムの使い方、リール巻き、ネガを作って暗室で焼いて……と、イチから学びました。

有安杏果

—写真を学んだことで、有安さん自身が変わったことってありますか?

有安:こういうお仕事をやらせてもらっていると、電車に長時間乗ったり、景色を楽しみながら歩いたりする生活を失ってしまいがちなんですけど、大学へ通っていると、いつもの道を歩いている時にふと歌詞やメロディーが浮かぶ時があるんですよ。なので大学4年間は、今の自分にとって大切な時間だったのだなと思います。

—写真だけでなく、最近はドラムとギターの指導を受けているんですよね?

有安:はい。バンドさんと一緒にライブをやらせてもらったり、音楽番組に出させてもらったりしていくうちに、「楽器を演奏するのって格好いい! やってみたい!」って思うようになって。

でも私、すごく手が小さくて、それでも演奏できるのってなんだろうと思った時に、ドラムかなと(笑)。中学の文化祭で一度、ドラムを叩いたこともあって、番組の企画で村石雅行さんに習い始めたのがきっかけでした。ストレス発散にもなるし、すごく楽しいです。

有安杏果

—ギターは多保孝一(Superfly)さんから受けているとか。

有安:これも、ももクロみんなで始めたんですよ。最初は手も小さいし私には無理かなと思っていたんですけど、“feel a heartbeat”を多保さんと共作した時、「曲作りはギターでやった方が、鼻歌よりもずっと広がるし違う世界が見えるよ」って教えてくださって。

それからいろいろなコードを教えてもらったら、メロディーの幅も広がったし、今まで押さえられなかったコードも、必要に駆られて何度も弾いているうちに押さえられるようになったりして。ギターをもっと頑張ろうっていう気持ちも、より大きくなりました。

ももクロのメンバーって、みんな本当に明るくてポジティブなんです。

—本当に好奇心が強くて、人一倍努力家なんですね。どこからそんなパワーが出てくるんでしょう。

有安:いえいえ、そんなことないです。でも、「やる!」って決めたらとことん突き詰めたいし、やらないと負けた気がするし、恥ずかしいという気持ちがあって。大学に通うのも、校舎が遠すぎて「これちょっとキツイな……」って心折れそうになった時期もあったんですけど、「いや、ここで留年なんて絶対に嫌だ、負けてたまるか!」という気持ちでした。

「ドチャクソ根性」っていうのかな(笑)。それで達成できたときはすごく嬉しいし、やらなきゃいけないことがいろいろあるからこそ、自分を奮い立たせて頑張れたのかなと。

—なるほど。

有安:それに私には、何をやっても受け入れ、評価してくれるファンの方がいるのも大きくて。喉を壊して筆談生活を送っていた時も、正直かなり落ち込んだんですけど、「ゆっくり治してね。ウチら待ってるから!」って。待ってくれる人がすごくたくさんいて、本当にその言葉に泣かされたし、「心配させちゃダメだな、私もっと強くならなきゃダメだ」っていう気持ちにもなって。

私自身もその人たちの力になりたいって思ったし、「誰か聴いてくれる人がいる」っていう絶対的な信頼関係があったからこそ頑張れたんだなって思います。最終的には、そこが一番の心の支えになってくれましたね。

有安杏果

—アルバム『ココロノオト』を聴いていて思うのは、有安さんは「自由」をとても大切にしていて、そのための「孤独」を引き受ける覚悟もしている人なのだなということです。

有安:本当ですか? ああ、でもそれはきっと、私が一人っ子だからなのかもしれないですね。一人っ子って孤独でありつつ、そのことを楽しんでいたりもして。しかも、お父さんとお母さんの目が自分にしか来ないから、時々窮屈に感じる時もあるんです(笑)。それで、余計に「自由」を求めるのかなって思いました。一人は好きなんですけど、でも寂しい時ももちろんあって。

有安杏果『ココロノオト』初回A ジャケット
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有安杏果『ココロノオト』初回B ジャケット
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—“色エンピツ”は、自分の居場所を探しているような歌詞ですよね。ももクロに最後に加入した有安さんの、当時の心の内を歌っているのかなと思いました。

有安:あぁ、そうかもしれないですね。私、昔から結構ネガティブ思考なんですけど、ももクロのメンバーって、みんな本当に明るくてポジティブなんです。もちろん、それだけじゃないと思うんですけど、それをちゃんとコントロールしているんですよね。

そんなメンバーと8年間一緒にやらせてもらってきたからこそ、昔の自分より強くなれたと思っています。ももクロの活動って無茶ブリもたくさんあるし(笑)、「コレ無理でしょ!」っていうことにもたくさんみんなで挑戦してきたし、だからこそ「妥協しない心」というか、「ドチャクソ根性」を培ってこられたのかなって思っています。本当に、感謝しかないですね。

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リリース情報

有安杏果『ココロノオト』初回限定盤A
有安杏果
『ココロノオト』初回限定盤A(CD+Blu-ray)

2017年10月11日(水)発売
価格:4,000円(税込)
品番:KICS-93535

[CD]
1. 心の旋律
2. Catch up
3. ハムスター
4. ペダル
5. feel a heartbeat
6. Another story
7. Drive Drive
8. 裸
9. 愛されたくて
10. 遠吠え
11. 小さな勇気
12. TRAVEL FANTASISTA
13. 色えんぴつ
14. ヒカリの声
[Blu-ray]
Music Video
1. ヒカリの声
2. 色えんぴつ
3. Catch up
特典映像
“ヒカリの声”Music Video メイキング映像

有安杏果『ココロノオト』初回限定盤B
有安杏果
『ココロノオト』初回限定盤B(2CD)

2017年10月11日(水)発売
価格:4,000円(税込)
KICS-93536

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有安杏果『ココロノオト』通常盤
有安杏果
『ココロノオト』通常盤(CD)

2017年10月11日(水)発売
価格:3,000円(税込)
KICS-3535

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イベント情報

有安杏果 ソロコンサート

2017年10月13日(金)
会場:宮城県 仙台サンプラザホール

2017年10月20日(金)
会場:東京都 九段下 日本武道館

プロフィール

有安杏果
有安杏果(ありやす ももか)

1995年3月15日生まれ、埼玉県富士見市出身。幼少期からタレントやキッズダンサーとしての活動を経験し、2009年にももいろクローバー(現ももいろクローバーZ)加入。小柄ながらに見せるパワフルな歌とダンスから、キャッチフレーズは「ちょっぴりおバカな小さな巨人」。メンバーカラーは緑。2016年7月のソロコンサート『ココロノセンリツ ~Feel a heartbeat~ Vol.0』を開催しソロ活動を開始。2017年3月、日本大学芸術学部写真学科を卒業。2017年10月11日に初となるソロアルバム『ココロノオト』をリリース。

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