じゃらんnet>じゃらんニュースTOPページ>エリア無し>【脳内お花畑】童貞の東大生に「理想の初デート」を聞いてみた
「初デート」
なんて甘美でドキドキしておセンチでゆるふわでエモくてキラキラキュンキュンハッピーな響きなのだろうか。
これまで多くの人たちがその行為に挑んでは、最上級の幸せや地獄のように退屈な時間を過ごしてきたのは言うまでもない。
その一方、人生で一度もデートをしたことがない人も、世の中にはたくさんいる。
その人たちはきっと、日々“理想の初デート”を想像しては、脳内に広大なお花畑を敷き詰めているに違いない。
そこで今回は、生まれてから21年間、一度も彼女がいたことがない(もちろん童貞)東大生・高野りょーすけくんに協力してもらって、童貞東大生の考える理想のデートを聞いてみることにした。
高野りょーすけくん(@tonbonline)
東京大学に通う21歳。童貞。中学のときに「テストの成績順に名前が廊下に張り出されるので、勉強頑張れば好きな子に名前を覚えてもらえるかも」と努力した結果、学年一位になったのに認識されなかった悲しい過去を持つ。そこからサルのように勉強し、東大にストレートで合格。著書に「現役東大生が1日を50円で売ってみたら」がある。たまにライター業を営んでいる。
「初デート」の甘さを忘れてしまったすべての人に、ぜひ童貞時代のピュアさを取り戻してもらえればと思う。
――早速だけど、高野くんは、どういうデートがしたいの?
いろいろ考えてきたんですけど
――はい。
彼女の家で、おうちデートがしたいです。
――初デートで彼女の家って、ハードル高くない……?
えっ!? そうですか? ツタヤでDVD借りて一緒に見るとか、夢なんですけど。
――ちなみにどういう映画が見たいの?
テーマが難しいものが、いいですね。
――テーマが、難しい……?
見終わった後に、考察したいんですよ。「監督はこの映画を通して、何を伝えたかったんだろう?」とか。
――なるほど面倒くさい。
え!? 伝えたいじゃないっすか! 去年だったら李相日監督の「怒り」とか、難しいテーマのやつを見て、全てスッキリするまで考察したいんですよ!
――“初デート” の “彼女の家” で “「怒り」を見る” とか、なかなかなハードルだと思うんだけど。
そうですか?「ファインディング・ドリー」とかのほうがいいですかね?
――マイルドへの落差が極端すぎる。
――映画を見るときは、ふたりはどういう状況で見ているの?
どういう状況……?
――部屋のどこに座って見たいとか、あるでしょ?
ああ、あれがいいですね、ベッドを背もたれにして、並んで座るやつ。で、肩と肩が触れない程度の距離がいいです。
――手をつなぐとかは、しないんだ?
手をつなぐか! なるほど、いいですね、それは欲しいですね。
――反応が最高。
――手をつなぐとなったら、自分からいくの?
…………。
――いかないのな。
手をつなぐのって、難しいっていうか、自分の性欲を、こう、出すわけじゃないですか?
――性欲なのかなそれって。
相手にどう思われちゃうんだろうって、不安になるんですよね……。
――でも、彼女でしょ?
はい。
――もう好きってわかっているんだから、手をつなぐくらい、よくない?
ああー……。
付き合っても、「本当に好きでいてくれてるのかなあ?」って疑っちゃうんですよね。
――自信がないから?
うーん……。好きだとしても、体に触れていいほど好きなのかな?とか考えちゃいそうで……。
――じゃあ、向こうから来るのを待つんだ?
はい。待ってしまうかもしれないです。
――だから童貞なんだ?
そう言わないでください。
――たとえば午前中集合だったら、11時に見始めて、1本見終わったら13時くらいになるよね。
ああ、そしたら昼ごはん食べたいですね。
――何食べたい?
手料理がいいですねー。
――手料理かー。初デートで手料理かー。
でも、あんまり負担はかけさせたくないので、パスタとかでいいです。
――なるほどなるほど? それを作ってもらっている間、高野くんは何してるの?
たぶん、めちゃくちゃキョドっていると思うので……。
ーーうん。
映画を考察していると思います。
――どんだけ考察好きなんだよ。
あとは、野菜を切るのを手伝って、「下手じゃん」とか言われるのに憧れますね。
――そういう普通にキュンとするやつが最初にほしいかな。
すみません。
――それで、彼女が食べたパスタを、ふたりで食べるわけだね?
はい。絶対にローテーブルがいいです。
――何だそのこだわりは。
ローテーブルって、ひとり暮らしっぽさがすごいじゃないですか。お店ではなかなかそんなところないから。
――なるほどね!? 妙に説得力ある。じゃあ、食べ終わったら、どうする?
お皿洗いは、一緒にやりたいですね。僕が家事をできることは、この記事を読んでいる皆さんにもアピールしておきたいので。
――急に打算的になるのやめよう?
――皿洗いも終わったら、どうしよっか?
そもそも、女性とふたりで会話して、間が持つ気がしないんですよね。
――どんな話でもいいじゃん。映画のことでも、その人のことでも。
ああー。大丈夫かなあ……できるかなあ……。
――しんどそう。
会話が持たなかったら、公園とかいきたいですね。キャッチボールとかしたいです。
――お! いいね、楽しそう!
砂場で遊んでる子どもたちを見て、「かわいいね~」とか言ってるのを、見たいですね。
――おおー! いいねー!!
結婚を誘ってんのかな?って思いたいです。
――急に重い。
みんなデートとか、どこに行っているんですかね?
――うーん、ベタだと、映画館、遊園地、動物園、水族館?
ああー。あと、カフェとか?
――カフェって、目的を持っていくことは実際少ないよね。買い物ついでとかじゃない?
なるほど。
――買い物と言っても、ウインドウショッピングも多いよね。何も買わなくても「こんなの流行ってんだね」とか「秋物増えてきたね」とか言いながら歩くだけで、楽しいし。
「秋物増えてきたね」!? 言いますそんなこと!? それ、なんて返せばいいんですか!?
――そこでテンパるってどういうこと!? 「そうだね」って返せばいいんじゃなくて!?
無理だ、やっぱりデートとか、無理かもしれない。
――「どういう服が好きか」とか、話できるじゃん。男ひとりだと女性のお店ってあんまりじっくり見られないけど、せっかく彼女と行くんだし、お互いに好みの服の話とかすりゃいいじゃん。
ああー、カツセさん、やり手ですね。
――なんでちょっと上からなんだよ。
あとは、家で学校の課題をふたりでやるのも、憧れますね。
――あ、学生っぽいね! 素敵だねそういうの!
僕はめちゃくちゃ勉強ができますからね。
――東大の強みを惜しみなく出してきたな。
勉強なら時間はかなり稼げそうな気がします。
――それで夕方になったら、どうする?
夕飯は、外食ですかね。近くのレストランでもいいし、彼女がずっと行きたかったところでもいいです。
――ふむふむ。
それでいい感じの割合でお金を出しつつ、帰りは家まで送ります。
――おお、優しい。
ええ。僕は万全に気遣いができるので。
――後半になって急に自信まんまんだな。
――家まで送ったら解散だね。ピュアでいいデートだったね~。
ええ。そのときの反応次第ですね、泊まるかどうかは。
――え!? 泊まる気まんまんなの!?
え、ダメですか?
――いや、いいんだけど、びっくりした。これまでボディタッチとか何もなかったから……。
泊まるんだったら、日用品を一緒に買いにいきたいですね。ひとり暮らしだから、「何か足りないものある?」みたいな会話をしたいです。
――なるほど急にリアルだ。
あとは、シャワータイムが、難関なんですよね……あれは難しいですよね……。
――突然具体的なところで悩み始めるな?
僕が先に入ると、「先越しやがって」と思われそうだし、後に入ると、「私の残り香を嗅いでる」って思われそうじゃないですか。これは、すごい悩みますよ。
――本当に幸せな悩みだ。
カツセさんならどうしますか?
――んー、「どっちが先に入る?」って素直に聞くかな?
なるほど。そうします。
――スポンジばりの吸収力だな?
で、シャワーあがりですよね。絶対にいい匂いがするだろうなあ。
――おうちデートって、彼女のシャンプ―使うから同じ匂いになれるのがいいよね。
え、ヤバいっすねそれ? うわ、ヤバいな。ヤバいっすよそれ!?
――なんなの。
部屋着とかも、借りるんですかね?
――女性モノは入らないだろうし、事前に買うか、家から持ってきて、それを彼女の家に置いておくんだろうねえ。
エッロ!!! ドエロ!!! ドエロくないすかそれ!!!!!!
――いやエロくはないでしょ。
エロいっすよ! めっちゃドエロい!! ドエローーー!!!!!!
――ごめん童貞のスイッチが全然わからない。
――で、お風呂も上がったので、寝るんだね。
はい。寝ます。
――何するの?
「映画どうだった?」とか、話したいですね。
ーーまだ考察すんのかよ。
あとは「次は○○行きたいね」みたいな話もしたいです。
――そういうのいいね! 次につながる感じね~。
はい。で、そのままぐっすりと眠りにつきたいです。
――首尾一貫して手は出さないのな。
ええ、がっついてるようにだけは見られたくないので。
――本当に紳士で素晴らしいと思った。ありがとう!
こうして童貞東大生の理想のデートプランの作成が終わった。
彼が実際にこのとおりに行動できるかは、正直わからない。けれども、いつか叶えたときに「ああ、とうとう実現したんだなあ」と実感しているところを想像すると、なんとも心温かな気持ちになれるものだ。
皆さんもぜひ、自分の初デートを思い返してみて、その青臭さにほくそ笑んでもらえればと思う。
それでは、素敵なデートを。
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