カタルーニャは独立宣言したのか スペイン首相、期限付きで説明要求
スペイン北東部カタルーニャ自治州の独立運動をめぐり、同国のマリアノ・ラホイ首相は11日、独立を宣言したのかどうか5日以内に明確にするよう、カルレス・プッチダモン州首相に求めた。
プッチダモン氏が独立を宣言したと確認した場合、宣言を取り下げるための3日間の猶予が与えられる。
期限が守られなかった場合には、中央政府はカタルーニャの自治権を停止する権限を定めたスペイン憲法155条を発動する考え。
カタルーニャ自治州の指導者らは10日に独立宣言に署名しているが、中央政府との対話の余地を残すため施行を延期するとした。
カタルーニャでは、分離独立派の州指導者らが主導しスペインからの独立を問う住民投票を今月1日に実施したが、憲法裁判所は無効を宣言。スペイン国内で混乱が深まっていた。
カタルーニャ当局によると、90%近くが独立に賛成した住民投票の投票率は43%。独立反対派の大半は投票をボイコットしており、一部の投票で不正があったとの指摘もある。
国家警察は、投票所で有権者たちを乱暴に扱うなど暴力行為を行った。
ラホイ首相は、中央政府が州政府に対し独立を宣言したのかどうか明確にするよう求めたと明らかにした上で、プッチダモン州首相が「意図的な混乱状況」を作ったと非難し、「確実性」を取り戻したいと語った。
ラホイ首相は、「我が憲法155条の下で政府が取るかもしれない措置の前に行ったこの要請は、これほどまでに重要な疑問によって必要となった明確性と安心を市民に提供するためのものだ」と述べた。
「カタルーニャが今経験している状況を終わらせることが喫緊の課題だ。安全と静かな平穏を回復するために。それもできるだけ早く取り戻すために」
これに先立ち、ラホイ首相は11日朝に臨時閣議を開き政府の対応を協議している。
その後、議会で演説したラホイ首相は、スペインは過去40年にわたる民主政治で最も深刻な脅威にさらされていると語った。
同首相は分離独立派が「自分たちの願望をカタルーニャの人々に押し付けるという非民主的な計画」を考え出したと非難し、スペイン政府は秩序を取り戻す以外に選択肢がなかったと述べた。
ラホイ首相は、「憲法上の平常を回復する責任はカタルーニャ指導者にある」と語り、第三者による仲裁を求めることを否定した。
さらに、地方自治や憲法改正について交渉する意志があると表明。ただし、法の枠組み内でなければならないとした。
野党・社会労働党のペドロ・サンチェス党首は記者団に対し、危機を終わらせるために憲法改正の可能性を検討することで党と政府が合意したと述べた。サンチェス氏は、検討の焦点は「カタルーニャがどうやってスペインに残留するのかであって、どう分離するのかではない」と付け加えた。