新たな言語を習得する上で、もっとも重要となるのは“一般基礎動詞”をあらかじめ徹底的に学習しておくことです。
英会話においてもそれは同じであり、“一般基礎動詞”についての理解が浅いと、それだけで[外国語・会話力]が格段に低下します。
※ 一般基礎動詞とは?
――『見る』『聞く』『嗅ぐ』『触る』など、五感(視覚、聴覚、臭覚、触覚、味覚)および『歩く』『行く』『座る』など、行動に関わる動作のことを指しています。
そこで、日本人が一番間違えやすい『見る』に関する英単語についてまとめました。
『見る』動作に関する使い分けについての参考にしてみてください。
≪『見る』の意味を持つ英単語と用例≫
【watch】
ほとんどの方が英語の勉強で初めて習う『見る』意味を持つ英単語が[watch]ですので、英語を苦手としていた方は、(見る=watch)と覚えてしまった方も少なくないはず。
[watch]は、「じっと見る/見守る/見物する/注視する」などの意味を持っています。
○〔用例〕○
・I watch TV.(訳:私はテレビを見る)
・Watch a soccer game.(訳:サッカーの試合を観戦する。)
×〔間違った用例〕×
・I watch a magazine.(訳:私は雑誌を見る)
――完全に間違いというわけではありませんけれど、一般的に雑誌は『見る』モノではなく『読む』モノですので、「Read a magazine.」と言うのが正解です。
・I watched the criminal’s face.(訳:私は犯人の顔を見ました。)
――こういったとき、犯人の顔を見たのはおそらく一瞬のはずですよね?
一瞬見たモノに対して、[watch]を用いるのは間違い。
さらにまた、もしも犯人の顔をじっくり、それこそ観察していたとしても、このような場合は[watch]を用いず[see]を用いるのが適切です。
テレビやスポーツなど、主に『追って(集中して)見る』ときに使う見る動詞が[watch]と覚えておきましょう。
【see】
[see]は、「見える/見る」などの意味を持っています。
○〔用例〕○
・See people.(訳:人々を見る)
・I see trees.(訳:木々を見る)
×〔間違った用例〕×
・I see lottery tickets.(訳:宝クジを見る)
――宝クジを見るときは、一般的に集中して見ますよね。
景色をボーっと見るように、宝クジが当たっているか、どうかを調べる人はいないはず。
そのため、宝クジを見るときは[see]ではなく[watch]を用いて、「I watch lottery tickets.」とするのが適切です。
・I see erotic image.(訳:エロ画像を見る)
――これも完全に間違いというわけではありません。
たとえば、広告に小さなエロ画像が張られていたけれど、それを見ることはなく、ただ目の端で捉えた程度であれば「I see erotic image.」で問題なし。
ただし、エロ画像を見ようとして、じっくりとそれこそ舐めるように見ていたのであれば、「I watch erotic image.」が適切です。
[see]は、「流し見する」「目の端で捉えた」「視界に入ってきた」というイメージで使うよう心がけましょう。
【look】
[look]は、「見る/目を向ける」などの意味を持っています。
○〔用例〕○
・Look at the sky.(訳:空を見る)
・Look at the legs of a beautiful woman.(訳:美女の脚を見る)
×〔間違った用例〕×
・Look the iPhone screen.(訳:iPhoneの画面を見る)
――完全な間違いではありませんが、iPhoneの画面は集中して見るモノなので、基本的には[watch]を用います。
・I look a rabbit.(訳:ウサギを見る)
――間違いではありません。
ただし、ウサギを注意して見る場合は[watch]、ただウサギが居たのを見ただけならば[see]が適切です。
ただ目に入ったのではなく、意識して見た……しかし、じっと見たわけではない見る動作の場合には[look]を用います。
もっとも汎用性が高い見る動詞なので、どの『見る』に関する動詞を使えばいいか分からないときは、とりあえず[look]を入れておけば問題ありません。
【gaze】
[gaze]は、「(関心を持って)じっと見る/(驚いて)見つめる」などの意味を持っています。
○〔用例〕○
・He gazed beautiful woman.(訳:彼は美女を見つめた)
・Boy gazed vagina.(訳:少年は女性器をじっと見る)
×〔間違った用例〕×
・Gian gazed Nobita.(訳:ジャイアンはのび太を見つめた)
――[gaze]の正しい使い方としては少々異なります。
仮にジャイアンがのび太に惚れていたとしたら、この表現も間違いとは言い切れません。
【stare】
[stare]は、「睨む/目をつける/鋭い目つきで見る」などの意味を持っています。
○〔用例〕○
・Gian stared Nobita.(訳:ジャイアンはのび太を睨みつける)
×〔間違った用例〕×
・He stare my Dick.(訳:彼は私の男性器を鋭い目つきで見る)
――この表現は、少しおかしい。
この場合、適当な動詞は関心や驚きの意味を含んだ[gaze]が適当です。
【view】
[view]は、「調べる/見る/眺める」などの意味を持っています。
○〔用例〕○
・View a movies.(訳:映画を見る)
×〔間違った用例〕×
・View a in the well.(訳:井戸のなかを見る)
――[view]は観賞という意味が強いので、井戸のなかを見るときには[watch]または[look]が適当です。
[watch]とは意味がかぶりやすいので、[watch]は観察、[view]は観賞と覚えておきましょう。
≪まとめ≫
動詞を使い分けるには、とにかく実践で慣れるしかありません。
人から「この場合は、この動詞。あの場合は、あの動詞」と吸収学習して行けるよう、まずは上記の動詞をすべて頭のなかに入れておくことが大事。
意識して使い分けていれば、そのうち自然と使い分けができるようになるはずです。