沖縄県の富川盛武副知事は12日朝、県庁で記者団に対し、11日、沖縄のアメリカ軍トップのニコルソン四軍調整官から今回の事故について電話で説明を受けたことを明らかにしたうえで、「相手は緊迫した雰囲気で、謝罪の言葉はなかった。沖縄国際大学に落ちたのと同型機で、ショックを受けている」と述べました。
また、富川副知事は、12日午後、沖縄防衛局と外務省沖縄事務所の担当者を呼んで抗議する考えを明らかにしました。
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11日、沖縄本島北部の東村でアメリカ軍の大型ヘリコプターが民間の牧草地に緊急着陸し炎上した事故で、一夜明けた現場では、アメリカ軍の兵士などが激しく損傷した機体周辺の状況を確認する様子が見られました。一方、現場を視察した東村の村長は「原因が究明されるまで周辺での飛行訓練を中止してほしい」と述べ、アメリカ軍に抗議する考えを示しました。
アメリカ軍によりますと11日午後5時20分ごろ、普天間基地に配備されている海兵隊のCH53ヘリコプターが訓練で飛行中に火災が発生し、沖縄本島の北部訓練場近くの東村高江地区の民間の牧草地に緊急着陸し炎上しました。最も近い住宅まで300メートルほどの距離でした。
一夜明けた現場では、牧草地に通じる道を警察が規制していて、アメリカ軍や警察の車両が行き来する様子が確認できました。
また、炎上したヘリコプターは、尾翼など一部を除き、大部分が、原形が残らないほど黒く焦げて激しく損傷していて、周辺ではアメリカ軍の兵士や警察官が状況を確認する様子が見られました。
現場を訪れた東村の伊集盛久村長は「現場を見て衝撃を受けている。アメリカ軍側は環境調査が終わりしだい、機体を回収するという話だった。原因が究明されるまで周辺での飛行訓練を中止してほしい」と述べ、アメリカ軍に抗議する考えを示しました。
午後には、沖縄県の翁長知事も現場を視察することにしていて、県は、アメリカ軍や日本政府に強く抗議するとともに、事故原因の究明と同型機の飛行の停止を求めることにしています。