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衆院選 党首の第一声から見えたものは?
第48回衆議院選挙が10日、公示されました。12日間の選挙戦の初日に行われた各党の党首の「第一声」を「テキストマイニング」という手法で分析し、どんなことばで有権者の心をつかもうとしているのか調べてみました。(ネットワーク報道部記者 栗原岳史 宮脇麻樹)
公示日に届け出を済ませたあと、各党の党首が行う最初の訴え「第一声」は、選挙戦の口火を切る演説として注目されています。選挙戦の象徴だからこそ、候補者や党の顔である各党の幹部は、慎重に演説場所を選び、イメージに合った細かい演出を施し、語ることばも練り上げます。
候補者にとっての「第一声」
公示日に届け出を済ませたあと、各党の党首が行う最初の訴え「第一声」は、選挙戦の口火を切る演説として注目されています。選挙戦の象徴だからこそ、候補者や党の顔である各党の幹部は、慎重に演説場所を選び、イメージに合った細かい演出を施し、語ることばも練り上げます。
私たちがこれまで取材してきた政治家の中にも、“第一声ではビールケースに立って演説する”と決めている人や神社で当選祈願をしたあと境内の前で演説するまでの一連の動きにこだわり、それを何十年も変えていない人もいました。
最初の訴えには、験担ぎも含め、政治家としての万感の思いが込められていると感じたものです。
党首は何を語ったか?
今回の衆議院選挙の第一声ではどのようなことばが多用されたのか、各党首の演説に登場した単語の頻度を分析する「テキストマイニング」という手法で調べてみました。なお、分析に当たっては、党首が連呼する候補者名や地名などは除き、各政党の訴えに関わる単語を抽出して比較することにしました。
こちらがその結果です。
こちらがその結果です。
自民党 安倍総裁
福島県で演説した自民党の安倍総裁は、北朝鮮への対応や農業分野での取り組みをはじめ、安倍政権としての政策を愚直に訴えていくことを強調しました。
希望の党 小池代表
東京で演説した希望の党の小池代表は、設立して2週間余りの政党名の浸透を意識したのでしょうか。政党名以外でも「希望」という単語を多く使いました。
公明党 山口代表
北海道で演説した公明党の山口代表は、「消費税」や「無償化」という単語を使って与党としての政策を語るとともに、対立する政党名を挙げて立場の違いを訴えました。
共産党 志位委員長
共産党の志位委員長の東京での演説からは、安倍政権への批判を強める一方、「野党」「共闘」などの単語を使い、政策が共通するほかの野党との連携も意識していることがうかがえます。
立憲民主党 枝野代表
立憲民主党の枝野代表は宮城県で演説し、「まっとうな政治」「まっとうな暮らし」という表現を繰り返し使い、格差を是正し国民目線の政治を実現していくことを強調しました。
日本維新の会 松井代表
日本維新の会の松井代表の大阪での演説には「カット」という単語が多用され、『身を切る改革』での教育無償化や、大阪の地域政党としての実績をアピールするものとなりました。
社民党 吉田党首
大分県で演説した社民党の吉田党首は、憲法改正に反対の立場を鮮明にするとともに、少子化や過疎化など地域の問題に取り組んでいくことを強調しました。
日本のこころ 中野代表
日本のこころの中野代表は外交・安全保障政策での実績があるとして安倍政権を支持する姿勢を際立たせていて、「安倍さん」「北朝鮮」といった単語が目立ちました。
専門家が見た第一声の特徴は
政治家のスピーチ分析を専門にする早稲田大学政治経済学術院のソジエ内田恵美教授は「今回の第一声では、自分たちと敵対する勢力はどこで、連携するのはどこなのかということを提示するような演説が目立った。選挙の直前に野党が分裂し、新たな枠組みで選挙に臨むことが影響しているのではないか。また、既成政党は、これまでの実績や今後取り組む政策について言及する一方で、新しい政党は、自分たちがどのような社会を目指すかというような話が比較的多かった。これも選挙の構図や自分たちの立ち位置を有権者に理解してもらう必要があったからではないか」と話しています。
有権者のための論戦を
NHKが行った世論調査では、投票に「必ず行く」と答えた人は56%に上りました。また、投票先を選ぶ際に最も重視する政策課題については「社会保障」を挙げた人が29%、「経済政策」が18%、「外交・安全保障」が15%などとなりました。
自民・公明の与党、希望の党と日本維新の会、そして、共産党、立憲民主党、社民党の3つの勢力の「三つどもえ」の構図となった12日間の選挙戦。政治リーダーたちがどこまで有権者の関心に応える論戦を繰り広げられるのか注目していきたいと思います。
News Up 衆院選 党首の第一声から見えたものは?
第48回衆議院選挙が10日、公示されました。12日間の選挙戦の初日に行われた各党の党首の「第一声」を「テキストマイニング」という手法で分析し、どんなことばで有権者の心をつかもうとしているのか調べてみました。(ネットワーク報道部記者 栗原岳史 宮脇麻樹)
候補者にとっての「第一声」
公示日に届け出を済ませたあと、各党の党首が行う最初の訴え「第一声」は、選挙戦の口火を切る演説として注目されています。選挙戦の象徴だからこそ、候補者や党の顔である各党の幹部は、慎重に演説場所を選び、イメージに合った細かい演出を施し、語ることばも練り上げます。
私たちがこれまで取材してきた政治家の中にも、“第一声ではビールケースに立って演説する”と決めている人や神社で当選祈願をしたあと境内の前で演説するまでの一連の動きにこだわり、それを何十年も変えていない人もいました。
最初の訴えには、験担ぎも含め、政治家としての万感の思いが込められていると感じたものです。
党首は何を語ったか?
今回の衆議院選挙の第一声ではどのようなことばが多用されたのか、各党首の演説に登場した単語の頻度を分析する「テキストマイニング」という手法で調べてみました。なお、分析に当たっては、党首が連呼する候補者名や地名などは除き、各政党の訴えに関わる単語を抽出して比較することにしました。
こちらがその結果です。
こちらがその結果です。
自民党 安倍総裁
福島県で演説した自民党の安倍総裁は、北朝鮮への対応や農業分野での取り組みをはじめ、安倍政権としての政策を愚直に訴えていくことを強調しました。
希望の党 小池代表
東京で演説した希望の党の小池代表は、設立して2週間余りの政党名の浸透を意識したのでしょうか。政党名以外でも「希望」という単語を多く使いました。
公明党 山口代表
北海道で演説した公明党の山口代表は、「消費税」や「無償化」という単語を使って与党としての政策を語るとともに、対立する政党名を挙げて立場の違いを訴えました。
共産党 志位委員長
共産党の志位委員長の東京での演説からは、安倍政権への批判を強める一方、「野党」「共闘」などの単語を使い、政策が共通するほかの野党との連携も意識していることがうかがえます。
立憲民主党 枝野代表
立憲民主党の枝野代表は宮城県で演説し、「まっとうな政治」「まっとうな暮らし」という表現を繰り返し使い、格差を是正し国民目線の政治を実現していくことを強調しました。
日本維新の会 松井代表
日本維新の会の松井代表の大阪での演説には「カット」という単語が多用され、『身を切る改革』での教育無償化や、大阪の地域政党としての実績をアピールするものとなりました。
社民党 吉田党首
大分県で演説した社民党の吉田党首は、憲法改正に反対の立場を鮮明にするとともに、少子化や過疎化など地域の問題に取り組んでいくことを強調しました。
日本のこころ 中野代表
日本のこころの中野代表は外交・安全保障政策での実績があるとして安倍政権を支持する姿勢を際立たせていて、「安倍さん」「北朝鮮」といった単語が目立ちました。
専門家が見た第一声の特徴は
政治家のスピーチ分析を専門にする早稲田大学政治経済学術院のソジエ内田恵美教授は「今回の第一声では、自分たちと敵対する勢力はどこで、連携するのはどこなのかということを提示するような演説が目立った。選挙の直前に野党が分裂し、新たな枠組みで選挙に臨むことが影響しているのではないか。また、既成政党は、これまでの実績や今後取り組む政策について言及する一方で、新しい政党は、自分たちがどのような社会を目指すかというような話が比較的多かった。これも選挙の構図や自分たちの立ち位置を有権者に理解してもらう必要があったからではないか」と話しています。
有権者のための論戦を
NHKが行った世論調査では、投票に「必ず行く」と答えた人は56%に上りました。また、投票先を選ぶ際に最も重視する政策課題については「社会保障」を挙げた人が29%、「経済政策」が18%、「外交・安全保障」が15%などとなりました。
自民・公明の与党、希望の党と日本維新の会、そして、共産党、立憲民主党、社民党の3つの勢力の「三つどもえ」の構図となった12日間の選挙戦。政治リーダーたちがどこまで有権者の関心に応える論戦を繰り広げられるのか注目していきたいと思います。