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【社会】10代投票率どうなる? 突然の解散、アピール不足懸念
今回の衆院選(22日投開票)は、選挙権年齢が20歳以上から18歳に引き下げられてから、2度目の全国規模の国政選挙となる。初の国政選挙だった昨年7月の参院選では東京都内は10代の投票率が57.84%と全国で最も高かったが、突然の解散、相次ぐ新党の設立など慌ただしく選挙戦に突入した今回は、若者へのアピール不足も懸念されている。 (清水祐樹、山田祐一郎) 公示直前の十月上旬に東京都港区であった「みなと区民まつり」。会場の一角に模擬投票所が設置された。実際の選挙で使用する記載台や投票箱を使ったゆるキャラの人気投票が行われ、家族連れでにぎわった。 企画したのは二十歳前後の若者でつくる「MINATO『選挙いっ得?!』プロジェクト」。若者を対象に選挙啓発活動を行っている。今回の衆院選は教育無償化など若者にとって身近な政策も論点となっているが、メンバーの大学二年根本絢(じゅん)さん(19)は「同世代の関心はあまり高くない」と話す。「政党が分かれたりして構図がわかりにくいし、公約が直前まで示されなくて情報が少ない」 昨年の参院選で、都内全体の投票率は57・50%と全国十一番目だった一方で、十代の投票率が全国で最も高かった要因を、都選管は「学校での指導や模擬選挙、出前授業などいろんな主体が活動したことが影響した」とみる。 ただ、十代投票率は参院選直後の都知事選が47・58%、今年七月の都議選が39・03%と選挙を重ねるごとに下がっている。担当者は「それでも十代は二十代や三十代前半より高い。昨年、十八歳で投票した人が今回も投票するのか、一過性に終わるのか注目している」と話す。 一方、参院選で十代投票率が30・93%と最も低かったのは、隣接県の選挙区を統合する「合区」の対象となった高知県だ。県選管は「県出身の候補者がおらず、有権者と距離があった。十九歳で県外に出る人も多く、投票してもらえなかった」と推察する。衆院選に向け、県内の大学のキャンパスでPRイベントを計画するなど、若者の選挙への関心を高めることに苦心する。 学校での主権者教育を支援する「模擬選挙推進ネットワーク」の林大介代表(東洋大学非常勤講師)は「衆院選では、小選挙区でいろいろな候補者が出るので、参院選よりは身近に感じるのでは」と指摘する。ただ、突然の解散で啓発活動が不十分となることを危惧し、「意識付けは学校だけではなく、家庭でもやるべきだ」と訴える。 ◎2016年参院選の首都圏などの10代投票率と全国順位(1)東京都 57.84% (2)神奈川県 54.70% (5)埼玉県 50.73% (8)千葉県 49.89% (45)愛媛県 35.78% (46)宮崎県 33.61% (47)高知県 30.93% 関連記事ピックアップ Recommended by
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