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「京大卒元ニート」が次から次に新たなシェアハウスをつくるワケ

暇つぶしのために世話人をやっている

すぐに引っ越したくなる

1人で部屋にいるのも飽きたのでシェアハウスのリビングに行くと、いつの間にかたくさん人が集まっていた。手前のほうでは若者2人がスーパーファミコンの対戦ゲームを延々とやっている。奥のテーブルでは4 人で何か僕の知らないボードゲームをやっていて、卓上に見たことのないコマやカードがたくさん広げられている。

「pha さんもゲームやりますか」

「いや、僕は今はいいや」

 

僕はこういう人の集まりを、外からぼんやりと眺めているのが好きだ。自分で話すのとかゲームをするのとかはちょっとめんどくさい。一歩外側から、賑わっている様子を見ていたい。水槽を眺めるように。

今のシェアハウスを始めてから3 ヶ月ほどが経とうとしている。もともとは近くの別の場所でシェアハウスをやっていたのだけど、規模を拡大したいということでもう1軒近所に作ったのだ。

最初は前のシェアハウスのほうが賑わっていて、新しいほうには人があまり来なかったのだけど、やっているうちにだんだんと場の雰囲気が形成されてきて、今のシェアハウスにも人が集まるようになった。今は住人が6 人に加えて、よく遊びに来る人が十数名ほど。そんな感じのゆるやかなコミュニティが形成されている。

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シェアハウスというのは、一旦「なんかあそこの家は楽しい感じでいつも人が集まっている」という雰囲気が形成されれば、人はどんどん遊びに来るようになるものだ。今では来客のない日のほうが少ないくらいだ。

シェアハウスを新しく作るのはもう10 軒目くらいになるだろうか。人が少ないうちは「どうやったら人が集まるようになるかな」ということばかりを僕は考えていて、家具を揃えたり人を呼んだりイベントをやったりとか結構頑張るのだけど、それが功を奏して、もう何もしなくてもなんとなく人が集まってくるようになると、いつもこう思う。そろそろ飽きてきたな、と。

大体僕は極度に飽きっぽいのだ。どこに住んでも半年くらいですぐに引っ越したくなるし、仲のいい友人もずっと一緒にいると嫌になってきたりする。シェアハウスでも、3 ヵ月も経つとなんかいつも同じような顔ばかり見てて少しマンネリだな、とか思うようになってくる。

そんな自分の飽き性は人間としてあまりよくないところかなと思わなくもないのだけど、どうも変えられない。変えたくないのかもしれない。

じゃあそんな飽きっぽい自分はどんな風に暮らして行けばいいのだろうか。結局、定期的に居場所を変えるしかない、と思っている。

シェアハウスみたいな居場所を複数作って、数ヶ月ごとくらいにいろんな場所を行き来すれば飽きないんじゃないか。今のところ、僕は東京のシェアハウスの生活に飽きると、和歌山の熊野の山奥に借りている家に行くか、京都の友達の家に滞在するかをしている。