なんか、朝ドラの「わろてんか」にちょろけんが登場してたみたいで、ちょっとタイムリーなので、予定を変更してちょろけんが登場する作品を紹介しようかなと(笑)
前回の使い回しのイラスト(笑)↓
あ、前回の記事で広辞苑のイラストの元は古写真とか書きましたが、それは私の持ってる第四版の広辞苑に載っているイラストのことで、友人の持ってる第六版では『風俗画報』を元にしたと思われるイラストに差し替えられていました!
※古写真や『風俗画報』は「ちょろけん」で画像検索するとでてきます!
ちょろけんは古くは大坂の風俗が中心に描かれた『絵本家賀御伽(えほんかがみとぎ)』(宝暦二[1752]年刊、栗柯亭木端作、長谷川光信画)という狂歌本にその名と姿が見られます。
国会図書館の画像があるのでここで載せれます!(画像補正しました)
※詳細画像は国会図書館のホームページでご確認ください♪
国立国会図書館デジタルコレクション - 日本風俗図絵. 第7輯
(81ページ目です。)
ちょろけんと いへ(言え)ど あたま(頭)は 福禄寿 ひく(弾く)三味の ね(音)のつんと つまらぬ
って書いてありますね。意味は、
ちょろけんなどと言っても、頭に福禄寿の被り物をしてるだけ。伴奏の三味線の音も愛想がなくてつまらない。
ってな感じですかね。
あれ?ちょろけん、ディスられてません?(笑)
この頃は単なる福禄寿の扮装でしたが、それが年を経てあんな姿になったのですね、見越入道の首が伸びたように(笑)
「ちょろけん」の名の由来は「福禄寿」を意味する「長老君」から来ているって説が検索するとよく出てきます。
ただ、「長老君」って言葉が本当にあるのか、ちょっと私の調べじゃまだ確認できていません。。。
「ちょろ」は「長老」でいいと思うのですが、「けん」がどうもわかりませぬ。。。
それにしても、関西の人は「ちょろけん・ビリケン・トミーズ健」と「けん」が付くのがお好きみたいですね(笑)
で、今回紹介するのは、十返舎一九の『方言修行 金草鞋(むだしゅぎょう かねのわらじ)』です。
この作品の三編(文化10[1813]年、喜多川月麿画)にちょろけんが登場します。
『金草鞋』は、奥州(現在の東北地方)の狂歌師、鼻毛延高(はなげのびたか)と千久羅坊(ちくらぼう)を主人公とした道中記です。
当時は『東海道中膝栗毛』と同じくらいの人気があった作品みたいですよ♪
では、ちょろけんが登場するページ、国会図書館の画像があるので、ここに載せれます!(画像補正しました)
※詳細画像は国会図書館のホームページでご確認ください♪
(31ページ目です。)
明治以降の絵図に書かれているようなヒゲとかがないので、この段階でも進化の途中だったのでしょうな。
ちょろけんのお供の姿が描かれていないのが残念ですね。
ちょろけんの右横にいるのは、鼻毛延高です。
改題本の『諸国道中 金の草鞋』では、鼻毛延高の下の旅人がなぜか消されています。
関係ない人物だったからですかね?
これも国会図書館の画像があるので載せれます♪
※詳細画像は国会図書館のホームページでご確認ください♪
国立国会図書館デジタルコレクション - 諸国道中金の草鞋. 3
(30ページ目です。)
一番左にいる僧が千久羅坊です。
字が小さくて読むのに苦労したので、今回は翻刻(活字に直したもの)を載せちゃいますよ!
[]内になるべく漢字に直して句読点で区切ったのも載せましたよ♪
あ、これはただの自己満足で載せるだけなので、するっとスルーしちゃってかまいませんw
四条とをりてらまちへいでせいくわんじへ
さんけいするこの御てらにもけいだいに
はなしものまねやうきう見せものなど
つねにありてにぎやかなる御てらなり
[四条通寺町へ出で、誓願寺へ参詣する。
この御寺にも境内に噺、物真似、楊弓、見世物など常にありて、賑やかなる御寺なり。]
狂 かながきの本寺なればや
たがめにも
さすがみやことよめるたうとさ
[狂 仮名書きの 本寺なればや 誰が目にも さすが都と 読める尊さ]
のひたか
「あるほどはあ京のきだをれたアよく
いひ申たどのふとも/\ゐしやうさあ
ゑいのをきかざつて出やり申すが
ぜにさあよんこはつかひ申さぬちや屋へ
でもよりめさつたとこを見なさろ二三人
ばかしもともさあつれ申たふとがちやのうふとりで
四五はいづゝもくんのんでちやだいさあ
たつた五もんか三もんおき申すはそれ
から見ちやアわしどもはちくと
ちや屋さあへこしをかけ申
てもついにちやだいのう
つん出したことがごさらない
のみにげにし申す
めつかつてよこせといひめさるとそこで一もんも
つん出し申すは
[延高
「成程、はあ、京の着倒れたあ、よく言い申た。
どの人もどの人も衣装さあ良いのを着飾って出やり申すが、銭さあ、沢山は使い申さぬ。
茶屋へでも寄り召さったとこを見なさろ。
二三人ばかしも供さあ連れ申た人が、茶のう一人で四五杯づつもくん飲んで、茶代さあたった五文か三文置き申すは、それから見ちゃあ、わしどもは、ちくと茶屋さあへ腰をかけ申ても、ついに茶代のう、つん出したことがござらない。
飲み逃げにし申す。
見つかって、寄越せと言い召さると、そこで一文もつん出し申すは。」]
ちくら
「京では下たのはが
へるとつてあめさあ
ふり出すとかわのくつをはいて
あるき申すといふことだがそれから見ちやアわしの
ちゑはゑずいもんだアげたのはの
へらないやうにとあかゞねをげたの
はへ打つけてはき申すとさつはり
へるきつかひがごさらぬ
そのかはりすべつてひとあしも
あるくことはでき
申さぬ
[千久羅
「京では下駄の歯が減るとって、雨さあ降り出すと、革の靴を履いて歩き申すと言うことだが、それから見ちゃあ、わしの知恵は賢いもんだあ。
下駄の歯の減らないやうに、赤金を下駄の歯へ打つけて履き申すと、さっぱり減る気遣いがござらぬ。
その代はり、滑って一足も歩くことはでき申さぬ。」]
「これはきみやうてうらいぐ
るりあきはさまへ
まいろう
かい
[(延高)
「これは奇妙頂礼、ぐるり秋葉様へ参ろうかい。」]
「ちやんちき/\
すつちやん
/\
[(ちょろけん)
「ちゃんちき、ちゃんちき。すっちゃん、すっちゃん。」]
「アレ見さんせ
おどりおる
わいな
[(子供)
「あれ見さんせ。踊りおるわいな。」]
「こちやいや
/\こわいわい
のふたゞおどり
おればよい
にぜに
くれいと
いふさかい
それでわしや
こわいわい
のふ
[(幼児)
「こちゃ、いやいや、怖いわいのふ。
ただ踊りおればよいに銭をくれいと言ふさかい、それでわしゃ怖いわいのふ。」]
「このかんちやうだかい
ところにもあんな
じやらけたことをして
あそんであるくふとがある
[(千久羅)
「この勘定高い所にも、あんなじゃらけたことをして遊んで歩く人がある。」]
おーい、みなさ~ん、あれ、つまんないから寝ちゃったみたいですね(笑)
私も今日はここで力尽きたので、どんなことが書いてあるかは次回で!