近年のクレジットカードショッピング枠現金化ではamazonのギフト券をクレジットカード決済で購入し換金する現金化方法が主流となりつつあることはご存知でしょうか?
なぜアマゾンギフト券でのクレジットカード現金化したかという理由のひとつに換金性の高い金券という点が挙げられます。
当然ながら換金性の低い商品で現金化すれば必然的に手にすることが現金は少なくなり効率的ではありません。
そのため換金性の高いamazonギフト券を買い取ることでクレジットカード現金化が行われているのですが、実は最近では特殊詐欺グループは現金振込ではなくamazonギフトカードで架空の請求をするようになっているのです。
こういったアダルトサイトや有料動画サイトの利用料や登録料金を装った架空請求による詐欺被害は年々増加する傾向にありますが、そんな詐欺グループが被害者から騙し取ったamazonギフトカードを現金化していた買取業者が逮捕されました。
その被害総額は約13億円となり、罪の重さは非常に大きいことは間違いありません。
ではこのamazonギフト券を13億円も現金化した買取業者について検証していきます。
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amazonギフト券が現金の代わりに詐取されるようになった理由
そもそも「詐欺」という犯罪は被害者の資産を言葉巧みに騙し取ることを目的としています。
したがって資産に直結する現金を詐欺グループの所有する銀行口座に振り込ませるというのが一般的な手口とされていました。
ところがこのような特殊詐欺という犯罪は何年も前から社会問題となっており、詐欺被害を未然に防止するための対策はいくつも施されているのです。
- 架空名義の銀行口座凍結
- 現金での振り込みの上限が10万円まで
- 高齢者による高額の現金引き出しに声がけ
といったような対策が銀行やコンビニなどで行われるようになり、詐欺被害が徐々に減少し始めたのです。
その後、現金振込以外にもエクスパックなどでの現金の郵送や「受け子」を利用した現金の手渡しなどの手口が広がりました。
詐欺グループにとって現金振込よりも郵送や手渡しというのは間接的に現金を受け取ることになるため、逮捕される可能性の高い方法といえるでしょう。
当然ながら詐欺グループは重大な犯罪ということを理解した上で被害者を欺いており、警察から逮捕されない方法で詐欺を行っています。
そこで詐欺グループが目を付けたのが、現金を騙し取る方法ではなく現金で購入したアマゾンギフト券などの電子マネーを送らせる手口なのです。
ではこのamazonギフト券などのプリペイド式の電子マネーを現金代わりに奪うのはどのような特徴があるのでしょうか?
高い換金率で現金化することが可能な電子マネー
amazonギフト券というのは一般的な商品券やギフトカードのようにamazonで買い物をすることができる金券類といえるでしょう。
街中にある金券ショップでもっとも高い換金率で取引されているのは商品券やギフトカードであり、買い物の支払いに使用できるギフト券は高い換金性があることは間違いありません。
このような換金性の高さがクレジットカード現金化としても利用される理由となっていますが、詐欺が現金の代用として利用する理由となっているのです。
そのため当然ながら詐欺によって騙し取られたamazonギフト券などの電子マネーは現金化されています。
ギフトカードを送らなくてもギフト券番号だけで価値を送ることができる
通常のデパートなどの商品券のはお金のように提携している店舗でお金の代わりに商品券で支払うことができます。
その点、amazonギフト券などの電子マネーは実際に使用できる店舗というのはなく、公式サイトのアカウントにチャージするプリペイド方式のギフト券となるのです。
つまりコンビニなどで店頭販売されているカードタイプの電子マネーというのはカード本体に買い物をすることができる価値があるわけではありません。
カードタイプの電子マネーはカードの裏面にあるギフト券番号という文字をアカウントにチャージすることによって買い物や音楽のダウンロード購入に使用することができます。
したがってこのギフト券番号を送らせることによってカードタイプの電子マネーの価値を詐取することが可能なのです。
プレゼントのためのギフト券なので匿名性が高い
amazonギフト券などのプリペイド型の電子マネーというのは基本的にプレゼントとして贈るためのギフト用に金券といえるでしょう。
最近では現金の代わりの決済手段として仮想通貨となるビットコインで支払うことができる店舗も増えてきました。
ビットコインなどの仮想通貨はお店での決済にも使用できますが、特定の相手に送金するためにも利用されています。
このビットコインの送金はどのアカウントから送金されどのアカウントで受け取っているかは記録されており不正に送金できないようなシステムがあるのです。
その点、amazonギフト券のカードタイプの電子マネーというのはお金さえ払えば日本全国のコンビニやディスカウントストアなどで誰にでも手軽に購入することができます。
そして購入したギフト券をメールやFAXなどで誰にでも贈ることができる特徴があり、その点が詐欺に適した点ともいえるでしょう。
たとえ詐取された電子マネーだとしても、被害が発覚し警察などに通報されるまでは問題なく使用可能なギフト券であり、すぐに現金化されています。
そして被害が発覚する頃にはすでに使用済み若しくは詐欺グループとは無関係の第三者が購入した状態となることが多く、詐欺グループはリスクなく現金化することができるギフト券なのです。
詐欺被害のamazonギフト券を現金化していた買取業者逮捕
有料動画サイトの閲覧料を架空請求してアマゾンギフト券をだまし取ったとして、警視庁捜査2課などは6日までに、詐欺の疑いで東京都調布市八雲台、会社役員守屋大志容疑者(32)を逮捕した。逮捕は5日。容疑者は自身が管理するインターネットの買取サイトで、詐欺グループがだまし取ったアマゾンギフト券の現金化を請け負い、収益を得ていたとみられる。
捜査2課によると、サイトで取引されていたのは、国内最大ネットショッピングサイト「Amazon」で番号を入力して使うアマゾンギフト券。詐欺グループがだまし取ったアマゾンギフト券の番号を運営する買取専門サイト「amachan」で換金し売買サイトを通じ他者に伝える形で売っており、売却代金は2015年11月から約2年間で総額約12億8千万円に上るという。
今回の事件で逮捕された会社役員守屋大志容疑者はamazonギフト券の買取専門サイトとなるamachanを運営しておりました。
通常のサイトというのは誰でもアクセスすることが可能ですが現在、amachanは通常では閲覧できない闇サイトとなっているのです。
この点からも守屋大志容疑者はインターネットに関する知識の豊富な人間といえるでしょう。
しかし闇サイトを運営しているだけであればそこまでの事件ではありませんが、これまでの2年間で架空請求詐欺によって騙し取ったアマゾンギフト券を12億8千万円分も現金化していたのです。
今ではamachanという買取サイトを知る人はほとんどいないでしょうが、2年前には一般的なアマゾンギフト券買取サイトとして稼動していました。
ここからはあくまでも推測となりますが、この今回逮捕された守屋大志容疑者が運営するamachanは当時のamazonギフト券買取サイトとしては印象的にも良くそれなりに人気のある業者だったのではないでしょうか?
そんなamachanを詐欺グループがamazonギフト券の換金を依頼し始め次第にそれなりの関係を築いていったのでしょう。
それから数ヶ月するとamachanのホームページは見ることができなくなりました。
一般の利用者からすれば「サイトを閉鎖したのであろう」と思う方がほとんどだと思いますが実はそうではなく、大口の利用者となる詐欺グループ専門の買取業者としてamazonギフト券の換金を続けていたのです。
そしてついに客観的に見れば「特殊詐欺によるamazonギフトカードの現金化役」となった守屋大志容疑者は詐欺容疑で逮捕されたました。
結果的には被害総額12億8千万円という巨額の詐欺事件となりますが、おそらく詐欺グループは架空名義の口座と身分証明書で取引を行っており真犯人を摘発することは難しいでしょう。
報道では別の男5人と共謀し「動画サイトの利用料が発生した」と電話をかけたとありますが、これは詐欺グループが行っていたものでありそれで騙し取ったアマゾンギフト券を換金していただけなのです。
なぜamachanが詐欺グループに利用されていたことが発覚したのか?
現在、amazonギフト券の買取業者というのは多数あり、利用者の数も増加傾向にあります。
そのため毎日のようにamazonギフト券が購入されては換金されこの売買市場が成り立っているのですが、なぜamachanが詐欺によるギフト券を取り扱っていたことが発覚したのでしょうか?
基本的にamazonギフト券の買取サイトというのは金券ショップ同様、買い取ったギフト券を転売することによって利益を得ています。
当然ながらamachanも詐欺グループから依頼されたamazonギフト券を換金しているのですが、その転売先といのがフリマアプリのように個人間で電子ギフトを売買できるサイトだったのでしょう。
このような個人間売買サイトでは購入する相手はそれぞれ異なりますが
- 出品者の身分証明書の提示
- 出品したギフト券番号の管理
- これまで販売した売り上げ
などがすべて管理されています。
そのためこういったamazonギフト券などの詐欺被害が発覚すれば管轄の警察が被害品となるギフト券番号を照合することになり、守屋大志容疑者が詐欺によって入手したギフト券を出品していることがすぐに判明するのです。
おそらくこの売買サイトで販売した総額が約13億円であり、その大半が詐欺の被害者が購入したamazonギフト券なのでしょう。
最近ではこのような詐欺による出品を防止するためコンビニで購入可能な
- カードタイプ
- シートタイプ
の出品が中止されているところもあります。
今回、amachanは詐欺によるアマゾンギフト券を現金化したことによって逮捕されましたが、その他の買取業者でも同じように詐欺によるアマゾンギフト券を買い取っている可能性もないとはいえません。
そのため今後もまたアマゾンギフト券の買取業者が詐欺容疑で逮捕される可能性もあるのではないでしょうか?